現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 納得の洗練された走り メルセデス・ベンツEQS 450 SUVへ試乗 もう少しを求めたい内装

ここから本文です

納得の洗練された走り メルセデス・ベンツEQS 450 SUVへ試乗 もう少しを求めたい内装

掲載 2
納得の洗練された走り メルセデス・ベンツEQS 450 SUVへ試乗 もう少しを求めたい内装

丸みを帯びたフォルムでCd値は0.25

メルセデス・ベンツは積極的にバッテリーEV(BEV)のラインナップ拡充に務めている。だが、命名ルールには少し課題があるように思う。

【画像】納得の洗練された走り メルセデス・ベンツEQS 450 SUV 競合するBEVと写真で比較 全133枚

EQAとEQB、EQCは、内燃エンジンを積むGLAとGLB、GLCとベースを同じにするモデルだから、自ずとSUVに仕上がっている。一方で、BEV専用プラットフォームをベースにするEQEとEQSは、どちらもサルーンからの展開となった。

大型モデルの場合、空力特性が性能に影響するため、背の低いカタチが選ばれたのだろう。しかし、現在の市場はSUVへ注目が集まっており、メルセデス・ベンツもその選択肢を避けるわけにはいかない。

結果としてEQE SUVとEQS SUVという、少々味気のない、単刀直入なモデル名が与えられている。わかりやすいけれど。

スタイリングは、サルーンとの近さを感じさせる。全体的に丸みを帯びたフォルムで、ダイナミックなデザインとはいえないかもしれない。それでも広い車内空間を得ており、空気抵抗を示すCd値は0.25と、大きなSUVとして考えれば驚くほど優れている。

既にAUTOCARではEQS SUVへ北米で試乗している。今回はグレートブリテン島で、英国仕様を確かめる機会を得た。

英国で選べるのは、最高出力360psの450 4マティックと、543psの580 4マティックの2種類のみ。駆動用バッテリーの容量が108.4kWhであることは、すべてのEQS SUVで共通だ。

もう少し高級感が欲しいインテリア

トリムグレードなど、パーソナライゼーションの幅も英国では狭い。AMGライン・プレミアムプラスかビジネスクラスを選べるが、オプションは塗装色と、ダッシュボードの広範囲がモニターになるハイパースクリーン程度。3列シートが標準になる。

英国価格は、12万9170ポンド(約2079万円)から。装備内容で近いBMW iX xドライブ50の方が約1万ポンド(約161万円)安く、同等の動力性能を備える。アウディQ8 eトロン55 フォアシュプルングも、10万1145ポンド(約1628万円)だ。

インテリアを眺めると、この価格差なりの仕上がりとはいえないかもしれない。シートは非常に座り心地が良く、高めのドライビングポジションには優越感があるものの、素材感や全体の仕上げにはワンランク上の高級感はないと思う。

レザーは若干ザラついていて、センターコンソールは光沢の強いプラスティック製パネルで埋められている。エアコンの送風口も、プラスティック製のようだ。

車載システムは素晴らしい。実際に押せるハードボタンはほぼ存在しないが、メルセデス・ベンツのMBUXシステムはメニュー構造が練られており、運転中に必要な項目の殆どへ最小限のタッチでアクセスできる。

車内空間は広大で、リアシートは終日乗っていても快適に感じられるはず。座面の位置が高めだから、BEVでありがちな、厚みのあるフロアが影響したお尻が沈む体勢を取らずに済む。

3列目の空間は、従来のSUVと遜色ない広さ。その後方にある荷室も、容量に不満は感じにくいだろう。

走り味は上級SUVとして納得の洗練性

英国の一般道を走らせてみると、このクラスの上級SUVとして納得の洗練性を得ている。ロードノイズはほぼ聞こえず、高速道路でも風切り音は殆ど発しない。

サスペンションは、エアスプリングのエアマティックが標準。乗り心地はしなやかで、路面に凹凸があることを忘れさせてくれる。舗装の剥がれた穴も、見事にいなしていた。

高めの速度域でカーブへ侵入すると、ボディロールが抑制され、優れたグリップ力で滑らかにこなせる。コーナリング中の安定性を求めるなら、ダイナミック・モードが適している。ステアリングホイールには、控えめながら路面の感触が伝わってくる。

ステアリングレシオはクイックで、後輪操舵も装備するが、反応は自然。機敏な身のこなしで、2730kgも車重があるとは感じさせない。

0-100km/h加速を6.0秒でこなし、直線パフォーマンスにも不足はない。アウディやBMWのライバルのような、鋭敏なダッシュまでは得られないとしても。

ステアリングホイール裏のパドルで、回生ブレーキの強さは調整可能。アクセルペダルの加減だけで発進から停止までまかなえる、ワンペダルドライブはできない。

2023年の新車として、速度制限の警告機能が実装されている。走行区間の指定速度を上回ると、スピードを落とすようドライバーへ教えてくれる。実際の流れにそぐわない場合は、機能をオフにすることも可能だ。

急速充電能力は最大200kW 航続距離は587km

筆者が気になったのが、ブレーキペダルの感触。ストロークが長く、制動力の発生に一貫性が乏しいと感じた。大柄なメルセデス・ベンツのブレーキとして、もう少しソリッド感が欲しい。

EQS SUVの急速充電能力は、DCで最大200kWまで。10%から80%まで、最短31分で回復できる。航続距離は、450 4マティックで最長587km。試乗時は、466kmがメーターパネルに表示されていた。

メルセデス・ベンツEQS SUVは、洗練性や車載技術、航続距離などでBMW iXに並ぶ。より上質なインテリアや優れた動力性能を備えていれば、強気な価格設定への妥当性が一層高まるだろう。

メルセデス・ベンツEQS 450 SUV 4マティック AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)のスペック

英国価格:12万9170ポンド(約2079万円)
全長:5125mm
全幅:1959mm
全高:1718mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:6.0秒
航続距離:587km
電費:4.8km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2730kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:108.4kWh
最高出力:360ps(システム総合)
最大トルク:81.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:−

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ホンダとプラゴが提携、EV充電ネットワーク拡大へ…自動認証とオンライン決済も可能に
ホンダとプラゴが提携、EV充電ネットワーク拡大へ…自動認証とオンライン決済も可能に
レスポンス
レッドブルF1、AT&Tとのパートナーシップ延長と拡大を発表。2025年からはマシンにもロゴが掲示
レッドブルF1、AT&Tとのパートナーシップ延長と拡大を発表。2025年からはマシンにもロゴが掲示
AUTOSPORT web
スズキ新型「スイフト“スポーツ”」まもなく登場!? ド迫力の“ワイドボディ”の予想に反響多数! デビュー7年目の「お手頃スポーツモデル」”全面刷新”予想CGに「カッコイイ」の声
スズキ新型「スイフト“スポーツ”」まもなく登場!? ド迫力の“ワイドボディ”の予想に反響多数! デビュー7年目の「お手頃スポーツモデル」”全面刷新”予想CGに「カッコイイ」の声
くるまのニュース
弱点克服でベストバイに? スバル・クロストレックにストロングハイブリッド登場!
弱点克服でベストバイに? スバル・クロストレックにストロングハイブリッド登場!
AUTOCAR JAPAN
豊田合成、インドのエアバッグ新工場を稼働…安全規制強化で需要が拡大
豊田合成、インドのエアバッグ新工場を稼働…安全規制強化で需要が拡大
レスポンス
【必見】怪物[VTEC]エンジンを積んだモンスターマシーン! 歴代[ホンダ シビックタイプR]の一番人気が意外だった件
【必見】怪物[VTEC]エンジンを積んだモンスターマシーン! 歴代[ホンダ シビックタイプR]の一番人気が意外だった件
ベストカーWeb
クルマの紙カタログの廃止はアリorナシ? ディーラーの経済的負担は減るけれど「物理的なカタログ」の役目もまた大きい!
クルマの紙カタログの廃止はアリorナシ? ディーラーの経済的負担は減るけれど「物理的なカタログ」の役目もまた大きい!
WEB CARTOP
日産 北米向けムラーノの新型を発表。可変圧縮比ターボエンジンを搭載
日産 北米向けムラーノの新型を発表。可変圧縮比ターボエンジンを搭載
Auto Prove
世界的にも「クレイジーなJCT」!? 首都高のスーパーぐるぐるJCT「大橋」のヒミツ 大都会の“古代遺跡”が自然に還りつつある!?
世界的にも「クレイジーなJCT」!? 首都高のスーパーぐるぐるJCT「大橋」のヒミツ 大都会の“古代遺跡”が自然に還りつつある!?
乗りものニュース
軽くて丈夫なのになぜ? カーボンファイバーが「市販の乗用車」にあんまり普及しないワケ
軽くて丈夫なのになぜ? カーボンファイバーが「市販の乗用車」にあんまり普及しないワケ
Merkmal
テックサーフが CT125ハンターカブ用フルエキゾーストマフラー「ZEEX Cub」のモニターキャンペーンを実施中!
テックサーフが CT125ハンターカブ用フルエキゾーストマフラー「ZEEX Cub」のモニターキャンペーンを実施中!
バイクブロス
カスタムパーツのお祭り!「WORLD MOTO×カスタムパーツライド2024」が大阪で11/10に開催
カスタムパーツのお祭り!「WORLD MOTO×カスタムパーツライド2024」が大阪で11/10に開催
バイクブロス
インテリアにミニカーが標準装備!? フィアット『グランデ・パンダ』の遊び心ある内外装
インテリアにミニカーが標準装備!? フィアット『グランデ・パンダ』の遊び心ある内外装
レスポンス
マツダ「“ミニ”ロードスター」実車展示! “全長2.6m”ボディ&斬新「1人乗り」! 常時“フルオープン”な「本格仕様」が登場!
マツダ「“ミニ”ロードスター」実車展示! “全長2.6m”ボディ&斬新「1人乗り」! 常時“フルオープン”な「本格仕様」が登場!
くるまのニュース
トヨタの赤い水素カートリッジの将来性は?…ジャパンモビリティショー2024
トヨタの赤い水素カートリッジの将来性は?…ジャパンモビリティショー2024
レスポンス
スバル、「本格」ハイブリッドシステム発表…『クロストレック』に搭載し12月発売へ
スバル、「本格」ハイブリッドシステム発表…『クロストレック』に搭載し12月発売へ
レスポンス
日産の3列シートSUV『パスファインダー』2025年モデルが登場、迫力のオフロード仕様「Rock Creek」も
日産の3列シートSUV『パスファインダー』2025年モデルが登場、迫力のオフロード仕様「Rock Creek」も
レスポンス
トライアンフ、新型スピードツイン900を発表。倒立フォークを採用し、2025年1月以降に発売予定
トライアンフ、新型スピードツイン900を発表。倒立フォークを採用し、2025年1月以降に発売予定
AUTOSPORT web

みんなのコメント

2件
  • そうなんですよね。EQSも内装がSクラスに比べると良くない。
    そこを誤魔化す(?)為のハイパースクリーンも正直まだ使いこなせてない。
    専用プラットフォームの割に、走りでもi7やiXに負けてるし。
    メルセデス高級EVはもう一段階頑張らないと。
    正直、BMWの高級EVの方が価格競争力は遥かに高い。
    BMWのデザインやらかしが無かったら、メルセデスEV、完敗ですよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2375.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1180.01598.0万円

中古車を検索
EQSの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2375.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1180.01598.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村