フォーミュラEに参戦するベンチュリ・レーシングは、今季限りでチームを離脱したフェリペ・マッサの後任として、来季からリザーブドライバーのノーマン・ナトーを昇格させることを発表した。
フランス人ドライバーのナトーは、2017年までGP2、FIA F2で活躍。その後は耐久レースを主戦場とし、2019-2020年シーズンのWEC(世界耐久選手権)ではレベリオン・レーシングからLMP1クラスに出走し、2勝を挙げた。また、それと並行して、2018年からベンチュリのシミュレータ兼リザーブドライバーも務めていた。
■マッサ、1年前倒しでヴェンチュリから離脱。チームはシーズン最終戦直後に契約終了を発表
ベンチュリは今季、エドアルド・モルタラとマッサというふたりのドライバーを起用していたが、マッサは最終戦を前にチームを離脱。来季はその後任としてナトーが加わり、モルタラとコンビを組むこととなった。
「準備はできているけど、簡単でないことは分かっている」とナトーはmotorsport.comに語った。
「学習には時間が必要だけど、僕の最大の目標は後悔のないようにシーズンを終えることだ」
「最も重要なのは、毎回ポイントを獲得すること。それが僕の現時点の目標なんだ」
ナトーは今年初めにマラケシュで行なわれたフォーミュラEのルーキーテストに参加していた。そこでは1分17秒302を記録して総合6番手となり、同じくベンチュリから参加したアーサー・ルクレールを0.7秒上回った。またこのタイムは、ベンチュリにパワートレインを供給するメルセデスのワークスチームから参加した、ジェイク・ヒューズやダニエル・ジュンカデラよりも速いタイムだ。
ナトーはルーキーテスト後のことについてこう話した。
「このチームと参加したマラケシュでのルーキーテストが大成功に終わった後、僕は来シーズンのシートを獲得できるチャンスがあることを知った」
「シミュレータで何日も走った。僕がフォーミュラEで走る準備ができていて、レギュラーシートにふさわしい人間だというのを示すためにできる限りのことをした」
「レースウィークエンド中もシミュレータに座っていたのは相当悔しかった。これまで僕と戦ってきたドライバーたちがたくさんフォーミュラEでレースをしているからだ。だから彼らとレースをするのが待ちきれないね」
実際、フォーミュラEのグリッドを見渡してみると、ナトーのかつてのライバルは多い。ストフェル・バンドーン、オリバー・ローランド、アレックス・リンらは、フォーミュラ・ルノーやGP2で共に戦ってきた相手だ。
またmotorsport.comの調べによると、ナトーはベンチュリのシートが空かなかった場合のために、他のフォーミュラEチームとも話をしていたようだ。そのチームはドラゴンやNIOと考えられている。
ベンチュリのチーム代表を務めるスージー・ウルフは、ナトーについて次のようにコメントした。
「リザーブドライバーとして、ノーマンはあらゆる機会でその能力を証明してきました。テストでの速さだけでなく、シミュレータドライバーとしての献身的な取り組みもその一部です」
「彼をフルタイムのレースドライバーに起用するという決定は、これまでの彼のチームへの貢献を示すものであり、彼は舞台裏で自らの力を証明したことで、このチャンスを得たのです」
フォーミュラEのシーズン7は、2021年1月16日にチリのサンティアゴで開幕する予定となっている。
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