ホンダ学園は、2026年に創立50周年を迎えることを記念して、第28回ラリー・モンテカルロ・ヒストリックに参戦することを決定した。この参戦には、ホンダ学園の生徒約30名が有志で参画し、シビックRSを2台レストア。うち1台のドライバーを佐藤琢磨が務める。
ラリー・モンテカルロ・ヒストリックは、2026年2月1日から7日にかけて開催されるラリーで、1911~1980年代初頭までの間に「ラリー・モンテカルロ」に出場した実績のある車種または同等の仕様のマシンのみ参加可能。ホンダ車では初代シビックのみがこの条件に該当するという。しかもWRCなどとは異なっていて、速さを競うのではなく、いかに定められた平均速度で走れるかどうかが鍵。その精度が求められる実に難しい競技だ。
■ホンダ・レーシングスクールが、隆盛するカートシリーズと提携へ? 佐藤琢磨が視察「ここで頑張っている才能を応援できれば理想的」
この参戦に向け、”Team兆”と名付けられたチームに集まったホンダ学園の学生らは、車両のレストア、部品調達を自ら行ない、エントリー申請や車両の輸送手配、そし渡航や現地での宿泊手配などもこなさなければならない。当時の車両のマニュアルや部品もなく、様々な手配も、教本などがあるわけではない。また学生自ら企業に赴き、その思いを告げてスポンサーを獲得したり、パーツを提供してもらったりしている事例も多々あるという。自ら解決策を見出していくことが重要……学園としてはこれを、”答えのない実習”であると捉えている。
「私たちの目標は、なんとしても車両をゴールまで届けるために、今できることを全てやるということです。ラリー中に何があるのか分からないので、まずはそれに対応できる車両を作ることを目指しています」
佐藤琢磨が乗る”サンセット号”のリーダーを務める、飯塚はるなさんはそう語ると、もう1台の参戦車両である”マドリード号”のリーダーを務める松野翔太さんも、こう続けた。
「何が起きても対応できるようなセーブ力を、ラリーに行くまでに身に付けて、現地では何があっても車両を直して、ゴールテープを切ることを目標にしています」
すると、発表会に同席していた佐藤は、こう語った。今もインディ500に参戦する現役ドライバー。参戦するからには、やっぱり1番を目指さねばならない。
「いや、1番を狙うべきだと思うけど。いや、半分冗談で、半分本気ですよ。学生のプロジェクトですから、僕としてはまずは全員が安全に、チャレンジが遂行できるような環境で全ての行程を終えるのが、やはり最大の目標です」
「でもその中で僕の目標は、できるだけ学生たちの手を煩わせないように丁寧に運転しながらも、やはりホンダらしく1番を狙っていきたいです。僕はレーシングドライバーですからね」
「今回のラリーは速いから1番というわけではないですから、最大限自分達のできることをやった後に、結果がついてくれば最高ですね。でも気持ちとしては、手を抜かずに、妥協せずに、1番を狙っていきたいです」
ただそう簡単ではない。このラリーは前述のように、チェックポイント間をいかに定められた時間で正確に駆け抜けるかという競技だが、それだけではなく、各所で速度も計測され、その速度も定められた速度に近いものでなくてはならないという。しかも、その計測地点は公表されないのだそうだ。つまり遅れを取り戻すためにスピードアップして、チェックポイントを定刻に通過しても、減点の対象となってしまう可能性がある……過酷な競技なのだ。
これには、さすがの佐藤もちょっと気後れ(?)。「優勝という目標は撤回しようかなぁ」と態度を改めていた。
■佐藤琢磨と学生たちの共同作業
なお前述のとおり、佐藤はラリー初参戦となり、コ・ドライバーと組んで走るのも初めて。それについては勉強しなければいけない部分も多々あると言うが、インディカーでの経験が活かせる部分もあるかもしれないと語った。
「(コ・ドライバーとの)関係性の構築は、これから学生と一緒にやっていきます。いくつかの練習を挟んで本番に挑むことになりますが、僕自身も初めての経験なので、色々なことを勉強しなきゃいけません。それは非常に楽しみです」
「ただその一方で、たとえばインディ500では、スポッターからの情報を得て、それを自分で整理して走るということを今までもやってきています。そういう意味では、ゼロではないかもしれません」
「ただラリーは初めてですから、本当に新しい、フレッシュな気持ちで、学生と同じ気持ちで頑張りたいなと思います」
この日は佐藤のシートフィッティングも行なわれ、学生たちが佐藤の求めに応じて、シートの細かい位置を調整する、そんな作業が見られた。F1を経験し、インディ500を2度制覇した伝説的ドライバーと、未来を見据える若き学生たちの共同作業……実に新鮮な光景であった。その輪の中心にいた佐藤も、心なしかいつも以上に楽しんで、この挑戦に立ち向かおうとしているように見えた。
予定では、車両のレストア作業がまもなく完了。その後車検・国際ナンバーの取得、日本国内でのテスト走行を経て、10月と1月の2回に分けて、2台のマシンを輸送……そして2月1日にラリー・モンテカルロ・ヒストリックが幕を開ける。
彼らの挑戦には、いったいどんな結末が待っているのだろうか?
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