NASCARの関係者は、アメリカのノースカロライナ州にある研究開発センターでの記者団とのブリーフィングで、NASCARのカップシリーズ、エクスフィニティ・シリーズ、トラックシリーズにおいてオーバルコースでウエットタイヤを”限定的に使用”することを承認したと語った。
NASCARではこれまで、ロードコースではウエットコンディション下でのレースを行なうことができた。しかし今回オーバルコースでのウエットタイヤの使用が解禁されたことで、選択肢が広がったということになる。
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このオーバル用のウエットタイヤは、ロードコースで使われてきたモノとは異なる仕様のモノだという。ただ全てのオーバルコースで使えるというわけではなく、ロサンゼルス・メモリアルコロシアム、インディアナポリス・レースウェイパーク、マーティンズヒル、ミルウォーキー、ニューハンプシャー、ノースウィルクスボロ、リッチモンドに限定された解禁だということだ。
また”ウエット・ウェザー・パッケージ”には、ウエットタイヤだけでなくワイパー、レインライト、マッド・フラップなどが含まれるようだ。
「全てのチームは基本的に、ロードコースと同じようにレースの準備を整えて、これらのイベントに参加するよう指示されている」
NASCARの競技担当シニア・バイス・プレジデントであるエルトン・ソーヤーはそう語った。
「我々の目標は、できるだけ早くコースに戻るということだ。マシンをコースに乗せ、レースを再開するプロセスをスピードアップするチャンスがあれば、それが我々の目標だということになる」
「しかしロードコースのように、本格的な雨の中で(オーバルコースで)レースをすることはない。そのことはしっかり認識している」
NASCARとグッドイヤーは昨年、3月にマーティンズヒルで、5月にはリッチモンドで、オーバル用のレインタイヤをテスト。成功を収めた。5月のテストでは、カップ・シリーズの現チャンピオンであるジョーイ・ロガーノがこのタイヤを試した。
「土砂降りの雨の中でレースをすることはないかもしれない。しかし、まだコースが濡れている時にレースができるかもしれない。また、濡れている間にコースに出ていくことで、コースは早く乾くことになり、ファンが待つ時間が少なくなるかもしれない」
NASCARのレーシング・イノベーション担当シニア・バイス・プレジデントであるジョン・プロブストは、オーバルでのウエットタイヤの使用は段階を踏んでいくことになると語った。
「おそらくゆっくり進み、歩き、そして走る……そんなような感じになると思う」
そうプロブストは語った。
「最初は、雨が降っている間にレースをするつもりはない。でも、十分に練習を重ねればできるかもしれない。可能性はあるよ」
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