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【ドイツ・チューナーレポート】現地試乗でハーマンモータースポーツの名門魂を感じる

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【ドイツ・チューナーレポート】現地試乗でハーマンモータースポーツの名門魂を感じる

伝統を継承しつつ変革を続ける名門チューナー 『HAMANN Motorsport』

ドイツチューナー界きっての名門であり、世界中に熱狂的なファンの多い「ハーマン」。 BMWを軸にしつつ、多角的なプログラムをラインアップしながら、新たなる挑戦を行なっている、アグレッシブな彼らを直撃した。

「ハーマン」がG63AMG用リップスポイラーをリリース

独自のデザイン感覚と確かな物作りがリンクする

レーシングドライバーであった「リチャード・ハーマン」が興し、BMWを中心に刺激的なエアロボディとチューニングプログラムを提供してきた『ハーマン・モータースポーツ』。 ヨーロッパはもちろんのこと、世界中にファンが広がった。そして日本でも多くのユーザーが支持している。牽引者であったリチャードの死後、会社の行方はどうなるのかと危ぶまれたが、妻であるマリオンとスタッフたちの団結によって、確実な商品を世に送り出し続け、新たな層へのアプローチも実を結んでいる。 数年前に新たな社長を外部から招き入れているが、表には出ず経営面に徹しているという。チューナービジネスはさまざまな規制や世相、情勢によって大きなうねりに飲み込まれつつあるが、ハーマンは堅調のようだ。 例えば、創業以来チューニングのメインとしてきたBMWに対するプログラムはM2やM4といったスポーツモデルを中心に意欲的なメニューを展開しているし、このところ勢力を伸ばしてきているSUVカテゴリーも積極的に開発を進める。車種の取捨選択はあるが、ハーマンは複数のメーカーをチューニングの対象として、成功している数少ないチューナーといえるだろう。 単一もしくは同一グループのメーカーのみを手掛ける専門チューナーとは違い、ターゲットは幅広い。それでも現行車種に対するラインアップを揃えられるのだから、彼らの開発力には脱帽するばかりだ。



【HAMANN Motorsport BMW M2&M4】

Mモデルのメイクこそハーマンチューニングの真骨頂

F87M2とF82M4。この2台は、間違いなく今のBMWチューニングシーンにおけるメインキャストであろう。先に発表されたM4は、GTSやCSといった限定バージョンがM社からリリースされている。 例えば、シリンダー内の温度を抑制して出力と燃費の向上を行う「ウォーターインジェクションシステム」はGTSのトピックとなる技術だが、それが届けられるのは全世界でわずか700人という限られたオーナーのみ。ハーマンでは手に入れられなかった人に向けて、同等の冷却システムをテストしているという。 「購入希望者が殺到したGTSですが、購入できない人が非常に多かった。そこで我々はあのシステムを独自に開発してみようということになったのです」とは、セールスマネージャーのシュヴァルツ氏。 「シリンダー内に水を噴射するノズルのみGTSと同じものを使いましたが、それ以外の部分はすべて自分たちで作りました」。 ターボで過給する現行BMWはさらなるパワーを求めると冷却が難しくなる。ウォーターインジェクションは冷却に非常に効果的だが、後付けできるとなればチューニングの可能性はかなり広がることになるだろう。 エアロやホイール、インテリアパーツといったオプティカルなイメージが先行する「ハーマン」だが、こんなハード系チューニングも準備されている。 BMW、それもMモデルに対するフォーカス度は高い。彼らの軸足はやはりBMWとともにあるのだ。



BMW M2 Tuned by HAMANN Motorsport

最新作となるM2は、シアンブルーをキーカラーに据えた若々しい仕上がり。足元は『アニヴァーサリーEVO』のフロント8.5×20、リア10.0×20を装着。 ローダウンスプリングもしくはサスキットが用意されており、プラグインの「パワーアドバンスメントモジュール」もラインアップ。パワーは50hpアップの420hp、トルクは65Nmアップの530Nmを発揮する。

トータルバランスに優れたチューニングを施す「ハーマンモータースポーツ」。BMW M2のポテンシャルをさらに高めるチューニングは、オーナーにとってとても魅力的なメニューといえるだろう。

ペダルセットはもちろんのこと、フロアマットやフットレストまで揃うのは、総合チューナーならでは。ホイールに合わせて”HAMANN”のロゴはシアンブルーにデザインした。

純正エンブレムが収まる位置にカーボン製のウイングレットが装着されている。ワンポイントで目を惹き付けるパーツ。

リアスポイラーはトランクの切れ目で一度段差をつけ、前方に伸びていくようにデザイン。ハーマンらしい美麗なディテールだ。

ボトムはディフューザーが用意されているが、造形の異なる4タイプ用意。

エキゾーストはセラミックコーティングが施されたマットブラックの4本出し。カーボンやクロームフィニッシュもラインアップ。

細かいパーツに対してもこだわりを見せる「ハーマンモータースポーツ」。ボルトにも”ハーマン”のロゴをいれることでそのパフォーマンスの高さを感じさせる、オーナーに纏う喜びを与えているのだ。

アグレッシブな造形のフロントバンパーとリップ。M2の熱い走りを彷彿とさせるデザインだ。巧みなデザインのアンダーフラップ形状のリップは、BMW M2をスポーティに演出する。

薄めのサイドスカートにウイングレットが追加されている。ここもハーマンらしい演出が採用された。



BMW M4 Tuned by HAMANN Motorsport

パワーとトルクはそれぞれ99hp/100Nmアップとなる530hp/660Nmまで引き上げられたM4。 スタンダードなM4だけでなく、GTSやCS、コンペティションにも対応したチューニングプログラムも用意されている。

トランクの床下に新設されたウォーターインジェクションシステム。シリンダー内に噴射するノズル以外はハードもソフトも自社設計。

中央にスリットが入った大ぶりなリアウイング。金属製のステーや翼端板など走りのイメージがかき立てられる。

ホイールはM2同様に『アニヴァーサリーEVO』を装着。大きくラウンドした逆反りデザインのスポークは、ジェントルなイメージとスポーティなイメージが融合。鍛造モデルも用意される。

ボトムラインを一直線に繋ぐリップがスポーティなフロントセクション。 M2に比べるとおとなしめのデザインだが、純正バンパーのボトムに合わせた細かいデザインワークは、ハーマンだからの成せる技だ。

サイドエンブレムはM2同様にカーボン製 。細かい部分にカーボンパーツを採用するハーマンらしく、常にアグレッシブなチューニングを行なう同社のイメージを表した。「HAMANN」のロゴが輝かしい。

『AWRON』製のインジケーターを装備。スタートアップでは”HAMANN”のロゴが浮かぶ仕掛けに。

バーティカルフィンを強くデザインしたリアアンダー。エキゾーストはカーボンテール仕様で、フィンとの相性もいい。

捻りの加わったサイドスカート。前後の大径ホイールをスポーティに繋ぐ。 サイドからリアへの流れるラインを形成した。



SUVカスタムシーンでも強い存在感を放つ 数々の作品を提供するハーマン

人気のカテゴリーもハーマン流で切り込むのが、ハーマンだからの所以。彼らが注力しているのはBMWだけではない。 現在、世界的に盛り上がっているジャンルはやはりSUVカテゴリーだが、ハーマンは初代X5(E53)からアイテムを用意するなど、その歴史は長い。もちろん今でもハーマン流のモディファイが行われた魅力的なチューンドモデルを数多く発表している。 得意のBMWのSUV(SAC)では、X4M40iが最新作。ワイドフェンダーや小振りだが印象的な形状をもつエアロパーツなど、いかにも彼ららしいアクティブな造形が与えられていた。 エキゾーストやホイール、リアウイングの翼端をマットブラックでコーディネイトしているところにも、卓越したセンスを感じる。



BMW X4M40i Tuned by HAMANN Motorsport

プラグインのチューニングモジュールにより45hp/105Nmアップの405hp/540Nmを発揮。 スポーツカー顔負けの走りを実現するなど、SUVでもBMWチューナーらしいプログラムを展開している。

ボリュームを控えめに造形されたホイールハウストリム。動的な印象を引き出すデザインだ。

リアアンダーはMのエアロをベースにセンターディフューザーとマフラーカバーを追加するスタイル。 デモカーではグロスブラックに塗られている部分がそれだ。

ホイールはカスタムペイントを施した『アニヴァーサリーEVO』。ボディカラーを取り入れてセンスよくコーディネイトした。

ペダルセットは定番のスタイル。フットレストはイルミでロゴが浮き上がる仕様に。

ボトムラインを繋ぐフロントリップ。軽めのカナード形状で小振りだがハーマンらしい造形。

大きく湾曲したリアスポイラーは、翼端板のみグロスブラックに仕上げ、ボディを引き締める演出を担う。

マットブラック仕立てのエキゾースト。トップには優越の”ハーマン”ロゴが入る。

人気のカテゴリーもハーマン流で切り込む

イヴォーク・カブリオレは、イヴォークやイヴォーク・クーペと同様にオーバーフェンダーを核としたプログラムが施されているが、ルーフがない分、そのワイドさが一層際立つという仕掛け。 コンケーブデザインのホイールが流行し出す前から存在するホイール『アニヴァーサリーEVO』だが、22インチというサイズゆえに迫力満点。ボリューム感のあるフェンダーとのコンビネーションが、しっかりと大地を踏みしめる力強い足元を作り上げた。 ひと目でハーマンとわかる個性的なボディワークと、美しさ際立つオリジナルホイール、さらにハードなチューニングまで、総合チューナーとしての勢いは増すばかりだ。



EVOQUE Cabriolet Tuned by HAMANN Motorsport

現在プラグインモジュールが用意されているのは2リッターディーゼルエンジン(210hp/480Nm)のみだが、追ってガソリンエンジン用もリリースされるはずだ。

マッシブなオーバーフェンダーはこのボディキットのハイライト。 太いラインはサイドシルだけではなくボトムをぐるりと一周する。

フェンダーの力感に負けないフロントセクション。SUVらしさを残しつつ、スポーティにデザインされている。エアインレットにはLEDのデイライトも追加されている。

足元に合わせられているのは『アニヴァーサリーEVO』の22インチ。オーバーフェンダーとの相性もバツグンだ。

マフラーはセンター出しでリアアンダーにビルトインされている。特徴ある仕上げだ。

20年以上ハーマンに務めるセールスマネージャーのシュヴァルツ氏。 生前のリチャードを知るスタッフとして、ブランドを牽引している第一人者である。

HAMANN Motorsport

ハーマンモータースポーツジャパン TEL06-6835-2555 http://www.hamann.co.jp

(編集:オートファッションimp)

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