スバル『フォレスター』は北米の降雪地域で抜群の人気を誇り、スバルの最量販モデルと位置づけられているグローバルモデルだ。
日本国内市場でも熾烈な販売競争が繰り広げられているミドルサイズ国産SUVの一翼をになうモデルだが、販売開始からまもなく3年目を迎えて初の車検サイクルを迎える現行型フォレスターの中古車市場をチェックする。
新型ミニバン? 次期ムーヴ?? 本当に出るのか どうなる今年のダイハツ新型車攻勢
文/萩原文博
写真/SUBARU、編集部
【画像ギャラリー】スバルの定番SUV現行型『フォレスター』マイナー前後のモデル大全集
■マイナーチェンジでターボ仕様復活!現行フォレスター変遷のおさらい
5代目となる現行型フォレスターは2018年6月に登場。SGPと呼ばれる新世代プラットフォームを採用することにより、クラストップレベルの衝突安全性能・危険回避性能に加えて、フォライバーの意志に忠実なハンドリングと快適な乗り心地を実現している。
搭載されているパワートレーンは、最高出力184psを発生する2.5L水平対向4気筒DOHCエンジン+CVTを「ツーリング」「Xブレイク」「プレミアム」に搭載。
2018年9月に追加された「アドバンス」には、最高出力145psを発生する2L水平対向4気筒DOHCエンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」を搭載している。
こちらはマイナー後も存続した「e-BOXER」搭載グレードの『アドバンス』。スバル初のハイブリット車となったが、マイルドハイブリットでインパクトとしては今ひとつだった
最低地上高は220mmと国内販売されているスバル車の中で最も広いロードクリアランスを確保。さらにスバル独自のシンメトリカルAWDを統合制御し、悪路走破性を向上させたXモードを採用する。
2019年6月に一部改良を行い、リアシートに荷物などの置き忘れを知らせる「リアシートリマインダー」を採用し利便性を向上させた。同時にボディカラーに新色の「マグネタイドグレー・メタリック」を採用した。
そして2020年10月に一部改良を行い、2.5L水平対向エンジンを廃止し、最高出力177psを発生する1.8L水平対向4気筒ターボエンジンを設定し、新グレードの「スポーツ」に搭載した。
マイナーチェンジで追加された1.8Lターボモデル「SPORT」。マイナー前の2.5Lモデルの置き換えかと思われたが、単一グレードとして設定。逆に「e-boxer」が3グレードへ拡大した
一方これまで2.5Lエンジンを搭載していた「ツーリング」「Xブレイク」は、2Lマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」に変更され、プレミアムは廃止された。さらにアウトドア色の強いXブレイクには新制御のモーターアシスト「e-アクティブシフトコントロール」を採用。この一部改良で先代モデルから途切れていたターボエンジンを搭載したフォレスターが復活した。
それではフォレスターの中古車事情を見てみよう。
■現行型も発売から3年目を迎える。狙い目はマイナーチェンジで廃止となった2.5Lモデルか !?
現在、現行型フォレスターの中古車の流通台数は約280台となっている。約1年前の2020年1月の時点の流通台数が200台。4月は約210台だったので、増加傾向となっている。
中古車の平均走行距離は1年前の時点では1000km程度だったが、現在は約1万4000kmまで延びている。そして中古車の平均価格は現在が約294万円。1年前の時点でも約300万円だったので値落ち幅は非常に小さく横ばいといえる状況だ。
しかし、2021年はデビューイヤーの中古車が初の車検サイクルを迎えることもあり、今後は値落ち傾向となる可能性は非常に高い。現在の価格帯は約200万~約375万円。1年前の価格帯が約230万~約387万円だったことから考えると走行距離が延びた中古車は価格を下げているが、大幅に下がっていないこともこの価格帯からも見て取れる。すなわちフォレスターは国産ミドルサイズSUVの中でも人気が高く中古車相場は安定しているのだ。
ミドルサイズのSUVとして元々人気の高いフォレスター。現行型の中古車も人気は高く、相場は安定している
人気という要素に加えて、安定させている要因のひとつが高年式、走行距離の少ない「おろしたて中古車」の存在だ。2020年~2021年式、走行距離500km以下という条件で検索を掛けると約97台がヒットした。実に流通している中古車の約35%となっている。
流通している中古車のグレード構成を見てみると、最も多いのがマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」を搭載した「アドバンス」で流通台数は約106 台。中古車の価格帯は約226万~約350万円となっている。
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次いで多いのが2.5Lエンジンを搭載した「プレミアム」。すでに絶版グレードとなっているが、2.5Lエンジンを搭載した最上級グレードだ。このプレミアムの中古車の流通台数は約62台。価格帯は約208万~約342万円。そして3番目に多いのが1.8Lターボエンジンを搭載したスポーツの約35台。価格帯は約310万~約375万円で流通している中古車はほぼ「おろしたて中古車」となっている。
諸費用を含んだ新車に比べるとこうしたおろしたて中古車は価格的には若干ながら割安感があるうえ、納車までの期間が短いのが魅力。半導体不足により今後生産調整が行われるので、早く乗りたい! という人はこのようなおろしたて中古車の選択肢のひとつとして考えたほうがイイかもしれない。
フォレスターの人気モデル「Xブレイク」。マイナー前は税制的に不利となってしまう2.5Lで設定されていたため、今後価格的には買い得感が出てくると思われる。狙い目だ !!
1年前の現行型フォレスターの中古車で最も多かった「Xブレイク」だが、現在の流通台数は約27台と少なめだ。フォレスターに限らず税金の高い大排気量エンジン搭載車は中古車では敬遠される傾向が強い。
2020年9月まで販売されていた2.5Lエンジン搭載車は、今後2Lマイルドハイブリッド車や1.8Lターボ車に比べて値落ちが大きくなるはず。加えて、車検サイクルを迎えるので現行型フォレスターの中古車相場がこの春から活発に動く。割安に手に入れたい! と考えている人はもう少し待ったほうがいいだろう。
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