2024年11月29日(現地時間)、F1第23戦カタールGPが首都ドーハ郊外のロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕する。長いシーズンもこのカタールGPを含めて残り2戦。ドライバーチャンピオンはすでに確定したが、クライマックスに向けて、コンストラクターズタイトル争いに注目が集まる。なおカタールGPはスプリントフォーマットで開催される。
マクラーレンとフェラーリとのポイント差は24
前戦ラスベガスGPでレッドブルのマックス・フェルスタペンが5位に入賞し、マクラーレンのランド・ノリスが6位に終わったため、最終戦までもつれるかと思われていたドライバーズタイトル争いはあっけなく決着。フェルスタペンの4年連続4回目のドライバーズチャンピオンが決定した。
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2024年シーズンを通してチーム間のバランスは非常に拮抗しており、シーズン序盤にポイントを稼いだフェルスタペンが終盤は苦しみながらも、できる限りのことをきっちりとミスなくやり遂げて逃げ切った。
振り返れば、第19戦アメリカGP、第20戦メキシコGPでフェラーリが躍進、そして第22戦ラスベガスGPでメルセデスが1-2フィニッシュで復活と、シーズン最終盤に向けて盛り上がっていた「フェルスタペンとノリスのチャンピオン争い」が霞む展開となった。
シーズンも残り2戦、シーズンの焦点はコンストラクターズタイトル争いに移るが、首位マクラーレンと2位フェラーリとのポイント差は24となっている。マクラーレンが逃げ切るのか、好調フェラーリが逆転するのか。今週末のカタールGPはスプリントフォーマットで行われるため、チームは残り2戦で最大77ポイントを獲得することができるだけに、予断を許さない状況が続いている。
レッドブルにもまだ数字上は可能性が残されているが、むしろ注目は前戦ラスベガスGPで復活を遂げたメルセデス。たとえタイトルを獲得できなくても少しでも順位を上げておきたいところで、メルセデスが大量ポイントを稼ぐと、タイトル争いにも影響してくる。
連続ポイント獲得中の 角田裕毅(RB)にも注目。RBは6位のハースに4ポイント差まで詰め寄っており、リアム・ローソンとともに躍進を狙う。
【参考】2024年F1コンストラクターズランキング(第22戦終了時)
1位 マクラーレン 608
2位 フェラーリ 584
3位 レッドブル 555
4位 メルセデス 425
5位 アストンマーティン 86
6位 ハース 50
7位 アルピーヌ 49
8位 RB 46
【参考】2024年F1ドライバーズランキング(第22戦終了時)
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 403
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)340
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)319
4位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)268
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)259
6位 63 G.ラッセル(メルセデス)217
7位 44 L.ハミルトン(メルセデス)208
8位 11 S.ペレス(レッドブル)152
─────────────
11位 22 角田裕毅(RB)30
中高速コーナーが多く、 タイヤに厳しいサーキット
では、カタールGPが行われるロサイル・インターナショナル・サーキット(Lusail International Circuit)はどんなコースだろうか。
ロサイル・サーキットは、カタールの首都ドーハから北へ約35km、砂漠の中に位置するレーシングコース。海が近く、風があることから、砂が吹き込みやすく、路面はほこりっぽく、グリップは低い。ただ今年はFIA-F2、F1アカデミー選手権がサポートレースとして開催されるので、セッションをとおして、路面の進化が期待できそうだ。
コースは1周5.419kmのコースを時計回りに16のコーナー(左コーナー6、右コーナー10)が配置され、メインストレートは1068mと長く、その後のターン1が最大のオーバーテイクポイントとなる。全体的には中高速コーナーが多く、 タイヤに厳しいサーキットと言える。また、16コーナーのうち11が右コーナーであることから、とくに左フロントにストレスが加わる。
日中の気温が高いためセッションは夕刻よりスタートするが、それでも夕刻に行われるセッションとナイトセッションの路面温度の変化が大きく、その違いをどう読むかも重要なポイントになる。決勝は現地時間19時にスタートするナイトレースとなるが、昨年よりも2カ月近く遅い開催で、気候がどれほど変わるのかも興味深い。
またチームにとってのもうひとつの課題は、今回のカタールGPがスプリントフォーマットで行われること。チームは金曜日のまだ気温の下がらない時間帯のわずか1時間のフリー走行で、セットアップを決定し、ロングランでのタイヤを判断しなければならない。スプリント予選→スプリント→予選にどのように挑んで行くのか、チームの戦略が分かれそうだ。
2023年はフェルスタッペンがスプリント、決勝を連覇
昨年2023年のカタールGPは10月初旬に第18戦として開催され、土曜日に行われたスプリントでレッドブルのマックス・フェルスタッペンが2位に入り3年連続のドライバーチャンピオンを決めると、日曜日の決勝でもフェルスタッペンはポールポジションから圧勝しった。
土曜日のスプリントで新たに設置された縁石がタイヤに深刻なダメージを与えることが判明し、急遽、決勝レースでのタイヤ使用が1セット最大18周(新品の場合)に制限されることが決定したが、フェルスタッペンはそれに動じることなく、好ダッシュで主導権を奪うと、完璧なレース運びでライバルたちに隙を与えることなくフィニッシュへと飛び込んだ。
その一方で、土曜日のスプリントで1、3位に入ったマクラーレンが決勝レースでも躍動。タイヤ戦略が入り乱れたレース展開の中、マクラーレンは2、3位に入り、スプリントに続いてダブル表彰台を獲得した。
【参考】2023年F1第18戦カタールGPスプリント 結果
1位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス) 19周[8]
2位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)+1.871s[7]
3位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +8.497s[6]
4位 63 G.ラッセル(メルセデス) +11.036s[5]
5位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+17.314s[4]
6位 55 C.サインツ(フェラーリ) +18.806s[3]
7位 23 A.アルボン(ウイリアムズ・メルセデス)+19.864s[2]
8位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+21.180s[1]
─────────────
11位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+22.863s
リタイア 40 L.ローソン(アルファタウリ・ホンダRBPT)
※[ ]=獲得ポイント
【参考】2023年F1第18戦カタールGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 56周[25]
2位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+4.833s[18]
3位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+5.969s[15]
4位 63 G.ラッセル(メルセデス) +34.119s [12]
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+38.976s[10]
6位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+49.032s[8]
7位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+62.390s[6]
8位 77 V.ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ) +66.563s[4]
9位 24 周冠宇(アルファロメオ・フェラーリ)+76.127 [2]
10位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+80.181s[1]
─────────────
15位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
17位 40 L.ローソン(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) [1]
※[ ]=獲得ポイント
ピレリの分析「もっとも硬い3つのコンパウンドで、1ストップも可能でしょう」
タイヤを供給するピレリは、カタールGP開幕にあたって「ロサイル・サーキットはロードレース世界選手権(MotoGP)の定番コースとして、また、ワールド・スーパーバイク世界選手権(SBK)や世界ツーリングカー選手権(WTCC)の開催地として知られています。タイヤにとって厳しいサーキットで、カタールGPには最も硬い3種類のコンパウンドであるC1、C2、C3を供給します。昨年は縁石の問題から異例の3ストップが義務づけられため、今回は新しいチャレンジになります。一昨年は2ストップが勝利戦略となったが、1ストップも可能でしょう」と分析している。
さてカタールGPはどんなレースとなるのか。F1第23戦カタールGPは、11月29日金曜日16時30分(日本時間22時30分)からのフリー走行で開幕、土曜日のスプリントと予選をはさんで、決勝は12月1日19時(日本時間12月2日1時)に開始される。
2024年F1第23戦カタールGP タイムスケジュール
フリー走行:11月29日16時30分~17時30分(日本時間22時30分~23時30分)
スプリント予選:11月29日20時30分~21時14分(日本時間11月30日02時30分~03時14分)
スプリント(19周):11月30日17時~18時(日本時間23時~24時)
予選:11月30日21時~22時(日本時間12月1日03時~04時
決勝(57周):12月1日19時~(日本時間12月2日01時)
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