12月11~13日に鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式/ルーキーテスト。最終日がルーキー限定となったこともあり、3日間/6セッションをフルで走行したのは3名のドライバーにとどまったが、そのなかのひとり、PONOS NAKAJIMA RACINGの64号車をドライブしたイゴール・オオムラ・フラガは、存在感をアピールした。
■3日間のフル走行で、フィジカル面は「結構きつい」
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リアルの世界とeモータースポーツの“二刀流”ドライバーとして知られるフラガは、グランツーリスモ世界王者であり、SFオフィシャルアンバサダーも務めている。フラガはブラジルから渡欧後、2022年より日本に活動拠点を移し全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権とスーパーGT・GT300クラスに参戦。前者でシリーズ4位となった。2024シーズンはANEST IWATA Racing with ArnageからスーパーGTに継続参戦しながら、SFではPONOS NAKAJIMA RACINGのリザーブドライバーを務めた。
フラガは2022年と2023年のルーキーテストにも参加しており、今回が3度目のスーパーフォーミュラ体験。2024年のレギュラードライバーも多く走行した1日目、2日目から中位につけると、3日目は午前、午後の2セッションとも、トップタイムを記録した。
先ごろ発表されたホンダ/HRC陣営の2025年参戦体制のなかにその名前はなかったものの、佐藤蓮のチームメイトとしてPONOS NAKAJIMA RACINGに加わることが濃厚とも噂されるフラガは、今回のテストを通じて参戦への準備を整えつつあるように見えた。
「セットアップをいろいろ変えていって、とくに2日目の午後からはすごくいい感じで乗れるようになったと思います」とフラガはテストを振り返る。
「3日間通してちゃんと走行できましたし、トラブルなしで完走できて、タイムもポジティブだったので、僕的にも出し切れたんじゃないかと思います」
マシンへの順応は問題ないフラガ陣営は、3日目も「あまり(普段は)やらないような」テストメニューを試していき、最後にその集大成としてのアタックを敢行しようとしたが、赤旗に。だが、それまでに出していたタイムで、セッショントップを奪うには充分だった。
3日目が初乗りとなったドライバーも多数いるなかでの2度のセッション最速についてフラガは、「誰がルーキーなのか、誰がレギュラーなのかはあまり気にしていなくて、コンディションに対して自分がどれだけ出し切れるか、クルマのフィードバックをまとめられるかというところを重視して3日間やってきました」と、相対的なタイムの良し悪しについてはそこまで気に留めず、自らのテスト内容に集中して取り組んできたことを示唆した。
「最終日も、『レギュラードライバーがいたら、どうだったんだろうな?』というところもあり、正直それ(レギュラーとの相対的なポジション)は分からないのですが、テスト内容とか全体的な感触としては結構良かったので、出し切れて良かったなと思います」
仮に2025シーズンに参戦することになった場合の手応えは、という質問には、「クルマとコンディションが合っていれば、遜色なくタイムを刻めると思うんですけども、たとえばプラクティスでニュータイヤを履くか・履かないかとか、予選のQ1とQ2で路面のコンディションが大きく変わる中でどれだけ対応できるかというところが、本番では大きく左右されてくると思うので、そのあたりがどう出るか……」とフラガ。リザーブとしてチームに帯同してきたからこそ実感できるSFのレースウイークの“抑えどころ”を意識したコメントは、他のルーキーたちとは一線を画すものに感じられた。テスト参加も3回目とあり、より“実戦レベル”を見据えるメニューにもできたのだろう。
「そこはもしかしたら最初は苦戦するかもしれないですが、自分がそのパフォーマンスを出し切れたら、遜色なくレギュラー陣たちと戦えるとは思うので、なるべく(パフォーマンスを)発揮できるように頑張ります」
1年ぶりのスーパーフォーミュラのドライブにも関わらず、しっかりと対応してタイムを上げたフラガ。しかし、3日間/6セッションのフルドライブに、フィジカル面は「結構きついです」と苦笑い。
「首と腰、あとお尻の横あたりかな。すごく高荷重なところでは、(身体の)後ろ側が突っ張る感じというか、そこに力がすごく入る感触があるので、上半身メインで後ろ側が結構筋肉痛ですね」
65号車をドライブした佐藤もテスト初日の最速タイムを刻むなど、チームとしても好調であることが伺えるPONOS NAKAJIMA RACING。もしフラガが参戦することになれば、非常に楽しみなルーキーとして注目を集めることは間違いないだろう。
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