■古いものを活かす、英国らしいレストモッド
すでにEV化したフィアット「500(チンクエチェント)」が日本で発売されているが、リエンジニアリング、電動化、アップサイクリングは、いまや歴史的な過去の自動車を後世に残すというひとつの手段となっている。
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2020年12月7日、英国シルバーストーンに本拠を構えるルナズが、クラシック・レンジローバーを電動化することを発表した。
ルナズは、クラシックカーを電動化する最大手の企業である。これまで、ジャガー、ベントレー、ロールス・ロイスの電動クラシックカーを発表してきており、世界中のカスタマーから好意を持って受け入れられている。
今回ルナズが目を付けたのは、オークション市場でも注目が集まっているクラシック・レンジローバーだ。1970年から1994年までに製造された50台のレンジローバーを電動化する予定だという。
電動化にあたって、クラシック・レンジローバーは「タウン」と「カントリー」の両方の仕様でラインナップされる。両仕様とも後部座席とドライバーの快適性に重点が置かれており、ラグジュアリーなドライバーズカーとして、またショーファードリブンカーとしても使用可能だ。
ボディタイプは標準ホイールベース(3ドアモデル)とロングホイールベース(4ドアモデル)の2タイプ。
カントリー仕様では、初の完全なる電動クラシックSUVとして必要な、エンジニアリングやテクノロジー、その他の機能がすべて揃っている。まずルナズでは電動化する前にボディを完全にレストアし、リエンジニアリングが施される。この工程を経ることで、クラシックカーを所有する際に必ずつきまとう問題──乗りづらさや扱いにくさ、そして機械的トラブルといった問題を解決している。
またカントリー仕様では、4輪駆動システム、アンチロールバーを備えたサスペンション、強化ブレーキなどが現代のテクノロジーでアップグレードされている。
キャビン内は極力オリジナルのデザインを活かした上で、実用性が大幅に向上。ルナズでは、従来のアーキテクチャを最大限活かして、テクノロジーと使いやすさのバランスを取ることを設計哲学としているのだ。
ルナズは、クラシックカーの持つ伝統と現代のテイストとライフスタイルが合致するように、最高品質の素材やパーツを使用することで、日常での使用に十分耐えうる品質に仕上げているのである。
さらにカスタマーは、ルナズのデザインチームと密に意見を交換しながら、希望の1台へと仕上げていくこととなる。クラシック・レンジローバーで誕生したオリジナルのテキスタイル素材や最高級のレザー、ウッドを用いて、キャビン内をパーソナライゼーションするのだ。
また、インフォテイメント、エアコン、エンターテイメントスクリーンなどは、オリジナルのレンジローバーの精神を崩さない程度に、既存の設計スキームを用いてセットアップされている。これにより、使いやすさが一段と向上している。
車両価格は、英国の地方税を除いた24万5000ポンド(邦貨換算約3400万円)。まずは50台のみ受注をスタートしており、2021年夏には、最初のカスタマーの元へと納車される予定である。
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