現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 高齢者の「踏み間違い事故」減少に効果はある! 日産車やホンダeが採用する「ワンペダル」操作の課題とは

ここから本文です

高齢者の「踏み間違い事故」減少に効果はある! 日産車やホンダeが採用する「ワンペダル」操作の課題とは

掲載 更新 8
高齢者の「踏み間違い事故」減少に効果はある! 日産車やホンダeが採用する「ワンペダル」操作の課題とは

「急な踏み換え」が問題なら 「ワンペダルで操作」すれば解決?

 EVやHV、PHEVの普及により徐々に注目されつつある「ワンペダル」操作。アクセルワークで加/減速や停車をおこなうものだが、果たしてこのシステムは高齢者で最近目立つ「アクセルとブレーキの踏み間違い」問題の解決にはなるのか。その構造とアクセル(ブレーキ)ワークのやり方と合わせて紹介する。

安易な「左足ブレーキ」推奨に異論! 高齢者の「踏み間違い」の解決策にならない理由と別の対策

「ワンペダル操作」の構造とは?

 高齢者によるペダル踏み間違いや、踏み損ないなどによる交通事故が注目を集めている。ただ高齢であっても、通常であればそのような間違いはめったに起こさないのではないか。しかし、突発の事態で慌てると、高齢になればなるほど関節の動く範囲が制約を受けたり、筋力が衰えたりすることにより、頭で考えたとおりに手足が動かせていないことが起こりかねない。そこで、第一には正しい運転姿勢がとれているかが重要だ。

 次に、クルマがそうした間違いを起こさないような機能を備えてくれると、より安心して運転できる。その一つが、ワンペダルによる加減速の操作だ。これはモーター駆動のクルマで実用化されており、電気自動車(EV)はもちろんのこと、ハイブリッド車(HV)でも日産自動車が採用するシリーズ式ハイブリッドシステムといって、エンジンは発電のためだけに使い、走行はモーターのみで行う場合に利用できる。

 モーターは電気を流せば駆動力を出し、動力を与えれば発電機として機能する。一つの機構で、駆動と発電の両方をこなせるのがモーターの特徴だ。

 これを利用したのがワンペダル操作である。アクセルペダルを踏みこめば発進・加速し、アクセルペダルを戻せば減速・停止できる。減速の様子は、たとえばエンジンブレーキのような感触だ。そしてアクセルペダルの戻し加減に応じて、減速の度合いが強まるように制御されている。

 なぜ、モーターが発電機として働くときに減速力が働くのか。その仕組みは、発電の際に磁力の影響で抵抗が働く。要は、回りにくくなる。その抵抗が、クルマの速度を落とすことに役立つ。これを、回生(回生)という。

「減速方法」をマスターすればワンペダルだって苦にならない

 発電した電気は、車載のリチウムイオンバッテリーに充電される。

 エンジン車の運転に慣れた人は、アクセルペダルをパッと素早く戻してしまいがち。それだと、回生が強く効きすぎて減速が強まってしまう。そこで、止まりたいところへ向かいながら距離を目測し、ゆっくりアクセルペダルを戻す練習をする必要がある。しかしこれも、意識しながら5~10分も運転すれば身に着く。左足ブレーキの記事で、高齢になったら新しい操作をするより慣れた捜査をしたほうがいいと述べたが、左右の足の使い方を変えるのではなく、右足のアクセル操作の戻し方だけを習得する話なので、それほど難しくはない。

 こうして、アクセルペダルの操作だけで発進・加速から一定速度で走ったあと、減速・停止するまで、アクセルペダルだけでクルマを走らせられるようになる。日産によれば、この操作を身に着けることでアクセルとブレーキのペダル踏み替えを7割ほど減らすことができるという。慣れた人なら、9割まで減らせられるとの声もある。

 もし、急減速が必要な緊急時は、アクセルペダルをパッと素早く戻すだけで(アクセルペダルから右足を離すだけで)強い回生により急減速できる。そこからブレーキペダルへ踏み替えるまでの1秒前後の時間に速度をわずかだが落とすことができる。ここで、少し気持ちも落ち着けるのではないか。

 一般的にペダル踏み替えの時間は、0.7~1秒といわれている。たとえ1秒かかったとして、時速30kmで走っているときには8.4m近く先へ進んでしまう。ここで、回生により多少なりでも減速できれば、衝突を回避できるかもしれない。

 ペダル踏み替えの機会を減らすことは、踏み間違いの可能性を減らせられるし、モーター駆動により回生を活かせれば、衝突の危険も減らせられるかもしれない。高齢者になるほど、ワンペダル操作のできる電動車を運転することが、安全につながるといえる。そのためにも、ワンペダル操作のできる安価な電動車、たとえば軽自動車のEVが早く売り出されることが重要だ。なおかつEVなら、燃料代(電気代)はガソリンより安上がりでもある。

こんな記事も読まれています

昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選
昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選
ベストカーWeb
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
新型エルグランド大胆妄想!! アルファードに勝つために必要な性能と価格とは?
ベストカーWeb
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
なぜ「SLS AMG」は比類なきスポーツカーだったのか? メルセデス・ベンツとAMGが注いだコスト度外視の革新的技術とは
Auto Messe Web
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
MotoGPスペインGPプラクティス|王者バニャイヤ、レコード更新し初日最速。マルク・マルケス3番手
motorsport.com 日本版
トヨタ・ランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズが発売。特別仕様車のZX“First Edition”とVX“First Edition”も設定
トヨタ・ランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズが発売。特別仕様車のZX“First Edition”とVX“First Edition”も設定
カー・アンド・ドライバー
ボルボ「XC40」仕様変更&プレミアムな装備を採用した特別限定車を発売
ボルボ「XC40」仕様変更&プレミアムな装備を採用した特別限定車を発売
グーネット
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
日産 新エネルギー車のコンセプトカー4車種をお披露目 北京モーターショー【動画あり】
グーネット
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
ホンダ 新EVシリーズ第2弾 新型「e:NP2」「e:NS2」発表 北京モーターショー
グーネット
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
エンジン版と共有部品ナシ! ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 ちゃんと「らしい」 航続500km以上
AUTOCAR JAPAN
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
AUTOSPORT web
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
AUTOSPORT web
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
くるまのニュース
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
AUTOCAR JAPAN
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
AUTOSPORT web
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
レスポンス
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
乗りものニュース
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
乗りものニュース
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
くるまのニュース

みんなのコメント

8件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

451.0495.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

248.0498.8万円

中古車を検索
Honda eの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

451.0495.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

248.0498.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村