もくじ
ー 「タックスヘイブン」
ー 未だ贅沢品扱い?
ー アメリカとフランスの事情
ー キーワード「コレクションカー」
「マイルドハイブリッド」とは? ハイブリッドとの違い/仕組み/効果は
「タックスヘイブン」
2018年初夏、豊田章男が就任したばかりの日本自動車工業会会長という立場から最初に声を上げたのが、日本の自動車関連諸税のあり方の異常さ、そして税制改革の必要性だった。
そもそも自動車を所有もしくは使用にかかる税の種類の多さたるや、日本は別の意味での「タックスヘイブン」、つまり徴収するお役所側にとっての天国という、お寒い状況だ。
まず保有税として、毎年かかる自動車税が米国の平均と単純比較で31倍、ドイツの2.8倍、フランスに至っては保有税自体が存在しないのだ。
日本の自動車関連諸税は、税の概念や趣旨として重複がやたらと多く、海外の自動車税制を都合よく採り入れて増やしたきらいがある。
自動車の所有や使用に、かくも多くの税がかかる考え自体が、個人の自由な移動を阻害し、電車や地下鉄といった公共交通機関に過大な負担をかけている原因であることを理解しない、元より後進国的な発想といわざるを得ない。
ようやく議論が起こったはいいが、環境性能とのトレードオフや、リース需要の伸張を踏まえて使用頻度や走行距離に応じた課税、地方自治体の利権を守るために税収自体を減らさないなど、枝葉末節で議論が展開して本来進むべき方向から早速、逸脱しているのだ。
未だ贅沢品扱い?
リースの伸張を鑑みて走った分だけ課税という声もあるが、自動車の使用税はそもそも走行量、つまり燃料の価格の中に含まれる税で賄われているという考え方もある。
保有税がゼロのフランスでは、リッターあたり1.48~1.65ユーロ(約193~215円)で推移するガソリンや軽油価格のうち、約60%が地方税をも含む税の割合となっている。
そこにガソリン/軽油とも数円分ほど、新たな環境税を加えて代替エネルギーへの補助/奨励金の財源としようとした改革に反対して、「イエロー・ジャケット」のデモや暴動が起きた。
日本の燃料税もほとんど似たシステムで、1ℓあたり53.8円を税が占めており、国税である揮発油税と地方揮発油税が、石油ショック以来ずっと本来の2倍もの暫定税率のまま来ていることはご存じの通り。
受益者負担の原則に基づく道路特定財源として、地震国の道路インフラを維持する必要性は当然ある。だが車検の度に払わされる自動車重量税という、国が徴収する間接税で同じく地方の道路財源に回される税も存在する。
一方の自動車取得税にしても、旧来は物品税という贅沢品に課せられていた取得税から来ているが、平成元年の消費税導入まで、物品税は乗用車以外では宝石やゴルフクラブ、洋酒などに適用されていた。
平成がそろそろ終わりを迎える今、乗用車はとくに地方では生活必需品であるのに、未だ贅沢品扱いの感覚には失笑を禁じえない。
それなのに消費税と自動車取得税は今も二重課税がまかり通っていて、改訂されたら車両価格に対して、それぞれ消費税10%+自動車取得税3%=13%という税率にまで上るのだ。
アメリカとフランスの事情
アメリカでも、乗用車の使用率も税金も高いといわれるカリフォルニアで、新車購入にかかる税は付加価値税(消費税)でなくセールス・タックス(小売売上税)と呼ばれ、州税7.5%に、住所に応じてカウンティなどの地方自治体が各々で課す分が加わうる。
ロサンゼルス郡なら+1.5%、最大で+2.5%が加算される。さらにナンバー登録費58ドル、カリフォルニア州ハイウェイ・パトロールに払う25ドル、移動改善費という日本の道路特定財源的なものが車両価格に応じて、最低25ドルから、6万ドル以上の車両なら上限額の175ドルが徴収される。
それでも以上は、一度払えばお終いで、あとは毎年、登録を維持する所有税としてプロパティ・タックスの支払いが求められるが、これは車両価格と年数に応じて決まり、約2万ドルで5年落ちなら年間360ドル程度。
またスモッグと呼ばれる車検のような制度も新車から3年、あとは2年ごとにやって来るが、指定工場で排ガス検査代がかかるのみで60ドル程度となっている。
対して保有税がなく取得税のみとなるフランスでは、新車購入時は19.6%の消費税に加え、車両登録時に馬の頭数に見立てた有名な「馬力課税」がなされる。
1CVあたりの課税料金は県によって約30~50ユーロ(約4000~6500円)と異なるが、もっとも安いのはコルシカ、逆に高いのはプロヴァンス・コート・ダジュールとなっている。
近年は馬力だけでなく、CO2排出量をも鑑みた数式が使われ、130psで101g/kmなら7CV、安い県なら2万4000円程度となる。
保有税がない分、フランスは燃料価格に占める税率が高いし、実質的な使用税といえる。また車検もアメリカよりは厳しいが、基本的には排ガスの質と灯火類などの保安部品、タイヤやブレーキ類といった消耗品をチェックするもので、普通乗用車なら検査費用自体は100ユーロ前後(約1万3000円)程度だ。
キーワード「コレクションカー」
こうして見ると、日本の自動車税制には、海外でも用いられている徴税事由がさらなる頻度で適用されている割に、アメリカやフランスにあって、未だ導入されていない概念がある。
コレクションカー、つまり旧い文化的価値を有する旧い車に適用されて然るべき、優遇緩和措置がないのだ。
アメリカでは「25年ルール」によって、製造から25年を経た車は、現役当時にアメリカの法律上の認可を経て流通していなかったモデルであっても、輸入してガス検無しでナンバーを付けられる。そのためR32のGT-Rが輸入されるブームが起きているのは、ご存じの通りだ。
またフランスでは2009年より初期登録から30年以上を経た車両は、「コレクションカー」として申請が通れば、2年車検の代わりに5年車検が認められる。
この頃、ヤングタイマーと呼ばれる、プジョー205GTiに代表される80年代の車がにわかに趣味車として注目を浴びたのも、こうした制度の後押しが大きい。
ただし2017年からはコレクションカーとしての認定基準が強化された。生産当時の仕様や特徴を保っていることが必須条件とされ、著しく改造された車やレース仕様へモディファイされたものは除外されている。
日本で車齢30年以上を基準とすれば、2019年からは日本車のヴィンテージ・イヤーといわれる1989年が射程内にやがて入って来る。海外流出を防ぐ上でも、検討する価値はあるはずだ。
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