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BMWアルピナ新型「B3 GT」にドイツ本国で試乗! 1年かけてプログラミングし直したコンピュータは変化を感じさせない絶品の仕上がりでした

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BMWアルピナ新型「B3 GT」にドイツ本国で試乗! 1年かけてプログラミングし直したコンピュータは変化を感じさせない絶品の仕上がりでした

アルピナのニューモデルをドイツにあるサーキット、ザクセンリンクで試乗

ブッフローエで開発される最後のアルピナといわれる今回のアルピナ「B3 GT/B4 GT」は、果たしてアルピナらしいモデルに仕上がっていたのでしょうか。ドイツにあるサーキットで国際試乗会に参加してきたモータージャーナリスト吉田拓生氏がアルピナ渾身のニューモデルについて率直にレポートします。

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瀟洒なゴールドで差別化、アルピナのGT

アルピナのニューモデル、「B3GT/B4 GT」が2024年6月初旬に発表され、その国際試乗会に参加した。これはベースモデルのLCI(Life Cycle Impulse)に呼応したルーティンなのだが、アルピナ好きにとっては複雑な気持ちが入り混じる。既報の通りアルピナの商標権は2025年の年末にBMW AGへと譲渡される。まだ時間があるとはいえアルピナのモデルライフを考えれば、今回のモデルがブッフローエ発の最後のBMWアルピナになるに違いないのだ。

参加者15名ほどの小ぢんまりとした試乗会はドイツのザクセンリンクというサーキットで開催された。パドックに用意されていた試乗車は「B3 GTリムジン」と「B3 GTツーリング」、そして「B4 GTグランクーペ」がそれぞれ用意され、広報写真に出ていたそのもの。年間1700台程度といわれるアルピナらしいスケールが感じられたのである。

今回デビューしたB3 GTは2019年に登場した「B3」のLCI版で、注目すべき変更点としてはBMW M譲りのS58ユニットの最高出力が495psから529psにアップしていること。これに合わせエンジンルーム内にこれまでは「B4」のみに装着されていたアルミ鋳物製の補強部材が追加されている。細かな部分ではベースモデルのリアダンパーの取り付け方法が強固になったことを受け、リアのスタビライザーが1段階細いものになっているらしい。見た目の部分ではフロントスポイラーの両端に小さな黒いカナードが追加されたほか、エンブレムや20インチホイールがオロ・テクニコと呼ばれる瀟洒なゴールド系の専用色でペイントされており、ひと目でGTとわかる。

走りはじめてすぐに感じたのは、逆にパワーダウンしたのかな? というほどクルマ全体の印象がマイルドだったこと。これまでのB3をサーキットで試乗していないのではっきりしたことは言えないが、タイトコーナー以外では自信を持って529psを全解放していける。少し路面が濡れている部分もあったのだが、アルラット=AWDのおかげでスタビリティはしっかりと確保されている。スロットル操作に対してとても寛容な印象で、狙ったラインに向けてステアリングを切り込むだけで、余裕を持って200km/hオーバーのスピード域を堪能することができた。

変わった印象がないのは成功の証か

ピットで足まわりと電子制御を担当するトビアス・ウィーガーに話を聞いた。彼いわく物理的な変更以外に、10人のチームで1年をかけてコンピュータのプログラミングをやり直しているという。エンジン以外にも、AT、センターデフ、リアデフ、ダンパー、DSC等のセッティングを変更するだけで全く違ったクルマに仕上がるとのこと。だからある特定の箇所に「変わった!」という印象がないのは当然なのかもしれない。

「我々の仕事はベースモデルの特性を活かしてアルピナらしさを追求すること。アルピナらしさとはドライバーの心拍数を上げず、快適な長距離移動を可能にすることです」

とトビアス。一方、試乗会に同席していたピレリのエンジニアにアルピナの良さを尋ねると、意外な答えが返ってきた。

「ニュルでテストしないことだよ(笑)! 実際には最終確認で走らせることもあるみたいだけれど、でも彼らは基本的に公道やBMWのテストコースで開発している。実際にクルマが使われるのと同じシチュエーションでテストしているから快適なのは当たり前さ。今回装着されているピレリはB3と同じもの。アルピナ専用タイヤの構造はベリースペシャルだけど開発自体は難しくない。前後別々サイズで専用設計になっているから狙いを絞りやすいんだ」

一方のB3 GTツーリングも同じようにサーキットで試したのだが、ボディ形状の違いからくるリアの違和感が微塵も感じられない点はさすがだった。足まわりのセッティングは別物らしいのだが、ドライブフィールはリムジンのそれに近い。最終モデルでもその仕事はこれまで通り。ファンの期待を裏切ることのない完成度だったのである。

BMW ALPINA B3 GT Limousine BMW ALPINA B3 GT Touring

車両価格(消費税込):B3 GT Limousine(左ハンドル)1600万円/(右ハンドル)1630万円、B3 GT Touring(右ハンドル):1670万円 ・全長:4725mm ・全幅:1827mm ・全高:1440mm(Limousine)/1438mm(Touring) ・ホイールベース:2851mm ・車両重量:1875kg(Limousine)/1945kg(Touring) ・シリンダー/過給機:直列6気筒/ビ・ターボ ・総排気量:2993cc ・最高出力:389kW(529ps) ・最大トルク:730Nm(74.4kg-m) ・トランスミッション:アルピナ・スウィッチ・トロニック付き8速スポーツ・オートマチック ・0-100km/h加速:3.4秒(Limousine)/3.5秒(Touring) ・巡航最高速度:308km/h(Limousine)/305km/h(Touring) ・ラゲッジ容量:480L(Limousine)/500~1510L(Touring) ・タイヤ:(前)255/35 ZR20、(後)265/30 ZR20

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