グレシーニのマルク・マルケスは、MotoGP第10戦イギリスGPのスプリントで4番手を走行していたが、残り1周のところでクラッシュ。彼は全く前兆のない転倒だったと振り返った。
7番グリッドからスタートしたマルケスは、10周のスプリント終盤の時点で4番手までポジションを上げていた。しかし9周目、わずかにラインが膨らんだマルケスはフロントからスリップダウンし、グラベルまでマシンと共に滑っていった。
■バニャイヤまさかの転倒! マルティン2位でタイトル争いは1点差の振り出しに戻る。勝者はバスティアニーニ|MotoGPイギリスGPスプリント
マルケスはボロボロになったバイクに再び乗り込むことはできたが、そのままマシンをピットに戻すことを余儀なくされた。
マルケスは、耐久性のあるハードタイヤをフロントに選択した数少ないライダーのひとりだった。しかしそれが仇となったか、先頭集団から離されるとタイヤの温度と内圧を上げられなくなってしまった。
しかし転倒は彼にとって驚きだったという。
「目標は5位に入ることだったので、自分のレース内容にはとても満足している。僕はそのポジションにいたからね。フランチェスコ・バニャイヤの転倒はカウントしていないよ」
「バイクのフィーリングはどんどん良くなっていった。こういう走りをするために、フロントにハードタイヤを装着したんだ」
「左側が限界だった。特に最後のラップは前の集団から大きく離され、フロントタイヤの温度が下がり始めた。左コーナーではその影響が大きかったんだ」
「ハードタイヤを履く時は、グリップは大丈夫かもしれないけれど、(コンパウンドが)動かないから温まりにくいということなんだ」
「あそこでちょっと白線に触れてしまって、戻ろうとしたら何の前触れもなくフロント(のグリップ)を失ってしまった」
「みんな超高速で走っている。どのレースもそうだけど、誰かはミスをするものだ」
今回のスプリントでは、ドゥカティのエネア・バスティアニーニが優勝を飾った。この結果、バスティアニーニはランキング3番手のマルケスに11ポイント差に迫った。ただ、ポイントリーダーのバニャイヤもリタイアとなったため、マルケスとの差は56ポイントのまま変わっていない。
マルケスは、バスティアニーニの復活によって自分の状況が厳しくなっていることを認めつつも、自分自身を現実的なタイトルコンテンダーだとは考えていないと繰り返した。
「もちろんチャンスはあるし、ポイント状況的にはそうだけど、僕はアッセンの時点ですでに、チャンピオンシップを争える状況にはないと考えている」
「フランスGPから、僕たちはギリギリのところでセーブしているんだ」
予選で苦しみながらも、決勝で挽回する展開をそう表現したマルケス。しかし、それにも限界があると語った。
「1回、2回、3回とセーブできたとしても、それができなかったりミスを犯したりすることもある」
「最終的には、3人のライダー(バニャイヤ、ホルヘ・マルティン、バスティアニーニ)がいて、特にバスティアニーニはとても強くなってきている」
「だから僕たちには何もできない。ただ生き残ってあまりポイントを失わないようにし、上位を目指すだけだ」
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