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F1バーレーンGP、赤旗中断の後、冷静なレース運びをみせたホンダ勢のドライバーコメント届く【モータースポーツ】

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F1バーレーンGP、赤旗中断の後、冷静なレース運びをみせたホンダ勢のドライバーコメント届く【モータースポーツ】

2020年11月29日、イスタンブール・パーク・サーキットで行われたF1第15戦バーレーンGPの決勝で、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンが2位、3位でそろって表彰台をゲット。アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーも6位入賞を果たし、ホンダのパワーユニット勢は3台がポイントを獲得した。あらためてバーレーンでのホンダ勢のレースを振り返ってみよう。

ハミルトンとの差はわずかだが、なかなか埋まらず
バーレーンGPの決勝ははショッキングな出来事で幕を開けた。オープニングラップでロメイン・グロージャンがダニール・クビアトの前を横切る形でコースアウトし、コース外のバリアに衝突。マシンが真っ二つに割れて大きな炎が上がったが、幸いにもグロージャンは自力で脱出して深刻な事態は免れた。これにより赤旗が掲示されレースは1時間以上中断となる。

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レースは赤旗中断時の順位のもと、スタンディングスタートで再開。2番グリッドにフェルスタッペン、5番グリッドにアルボン、9番グリッドにガスリー、15番グリッドにクビアトでスタート。

レッドブル・ホンダは2人ともミディアムタイヤでレース再開に臨み、首位のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)を追う。

フェルスタッペンは、1度目のピットストップでハードタイヤに交換したあと、ミディアムタイヤに交換していたハミルトンよりも先に2度目のピットインをして新品のハードタイヤに交換する大胆な戦略を採る。しかし、この2度目のピットストップで珍しく作業時間が多くかかってしまい、ハミルトンの約3秒後方でレースに復帰することになってしまった。

そこでフェルスタッペンは後方のペレスに対し25秒のギャップができたのを機に、ミディアムタイヤに履き替えて起死回生を狙い、ファステストラップを記録しながらハミルトンとの差を縮めていったが、すでにギャップは大きく、2位に甘んじるしかなかった。

アルボンは、赤旗中断からのスタート後にバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)の前方4番手につけると、前を行くセルジオ・ペレス(レーシングポイント)へプレッシャーをかけながらレースを進める。アルボンはミディアムタイヤで2スティントを走行した後、ハードタイヤに交換してさらにプッシュする。それでもなかなかペレスとの差を詰めることができなかったが、残り3周となったところでペレスのMGU-Kにトラブルが発生。これで3位を手に入れたアルボンは、自身2度目の表彰台獲得を果たすことになった。

一方、ミディアムタイヤでスタートしたガスリーは、赤旗中断の間にハードタイヤに変更して再開後のレースをスタート。アルボンが2ストップ、フェルスタッペンは3ストップとなる中で、ガスリーは実質的な1ストップ戦略を選択。ハードタイヤを持たせながら粘り強く走り、6位でフィニッシュした。

クビアトは再開後のレースでもターン8でイン側に切り込んできたランス・ストロール(レーシングポイント)と交錯し、ストロールのマシンは横転してストップ。これによりセーフティカーが出動、クビアトには10秒のタイム加算ペナルティの裁定が下り、ピットイン時にこれを消化して大幅にポジションを落とす結果となった。

それでもクビアトは10秒のペナルティを消化した後、11番手まで追い上げたが、前を行くシャルル・ルクレール(フェラーリ)に迫ったところで、ペレスのエンジントラブルによるセーフティカー出動でそのままレースは終了となり、11位でチェッカーフラッグを受けた。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、レースを終えて「スタート直後の大きな事故でいきなり長い赤旗中断となりましたが、レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が2位、アルボン選手が3位表彰台と、我々にとって中東3連戦の初戦はポジティブな結果となりました。2人のドライバーともにレースを通して堅実なドライブでダブルポディウム、加えてフェルスタッペン選手がファステストラップを獲得してくれことをとてもうれしく思っています。アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は全マシンの中で唯一の1ストップ作戦を取りましたが、こちらも粘り強くタイヤをマネージメントしながら6位と、いい結果でレースを終えてくれました。クビアト選手については再開直後の接触によりペナルティを受け、11位と惜しくも入賞を逃しました。来週は、今週と同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで、レイアウトを変えてのレースが行われます。今回のいい結果を次戦、そして最終戦のアブダビGPにつなげ、さらによい戦いができるように準備を進めていきます。最後に、スタート直後のクラッシュでハースのグロージャン選手に幸いにも深刻なケガがなかったことにとてもホッとしています。昨今では稀に見る大きな事故でしたが、現代のF1マシンの安全性の高さを証明することとなったと感じており、FIAやチームの安全に対する取り組みに、改めて敬意を表したいと思います」とコメント。ドライバーは次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
「もちろんレースの初めで大きな炎を見るのはとてもショッキングです。ああいった炎が出るということは悪いことが起こっているということなので、ロメイン(グロージャン)が自力で脱出できたことや、治療で治るケガだったことにみんなが胸をなでおろしましました。彼の少しでも早い回復を祈っています。ああいった事故はなるべく見たくないものですが、ドライバースーツの安全性は素晴らしいですし、ヘイローがガードレールを彼の頭の上に押し上げたことで、本当に今日は彼の命を救ったと思います。レースではルイス(ハミルトン)についていくためににできることをすべてしたので、あれ以上できることはあまりなかったのですが、残念ながら僕たちにはスピードが足りていませんでした。もう少しプレッシャーをかけられたかもしれませんが、マシンのペースを考えれば結局は2位がベストな結果だったと思います。ダブル表彰台はチームにとって素晴らしいことですし、アレックスのことを思うとうれしく感じます。マシンの動きはいいので来週レイアウトが変わってどうなるか楽しみですが、できればもう少しペースを上げて、できる限りのリザルトを得られればと思っています」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル)
「この結果は運の要素があったことは否定しませんし、セルジオはいいレースをしていました。ただ、僕らも何かが起こったときに、チャンスをつかみ取ることができる位置にいたからこその結果なので、とてもうれしいです。チームはセルジオのエンジンに問題が起こっているかもしれないと伝えてくれたとき、彼のマシンからオイルが漏れているかもしれないと考えました。そこで彼の真後ろにはつきたくないと思い、ラインを外して走り、それがうまくいきました。金曜日のマシンダメージから、チームのみんなは素晴らしい仕事ぶりで土曜に向けてマシンを準備してくれたので、こうしてそれに報いることができてよかったです。このレースウィークでは、ペースがずっとよかったので、それが結果に結びついてうれしいです。結果には表れていませんでしたが、ここ数戦で徐々に向上していたと思いますし、今週末さらに前進できたことに満足しています。来週は異なるレイアウトですが、特性は似ているので、この再現ができればと思っています。パドックの全員がそうだったように、僕もロメインがあのアクシデントの後で、自力でマシンから出たのを見てほっとしました。あの場面を見返すとショッキングですし、安全分野の担当チームは素晴らしい仕事をしてくれたと思います」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ)
「なによりも大切なのは、ロメインがあの恐ろしいクラッシュから自力で脱出する姿を見られたことです。ショッキングなシーンでしたが、彼が無事だったことを心からうれしく思いましたし、彼が回復して、早く復帰してくれることを願っています。パフォーマンス面では、自分たちの仕事ぶりに大満足です。ギャンブルとも言えるリスキーな戦略を採りましたが、それが功を奏しました。自分のキャリアでも一番タフなレースだったかもしれません。コクピットの中で多くのハードワークをして、なるべくタイヤを傷めないようにマネージメントしながらプッシュして、可能な限り多くの周回を走ろうと取り組みました。本当に難しいことをやってのけなければいけませんでしたが、僕らにとっては今年のベストレースの一つと言える結果を得ることができました。最大の結果を残し、またポイントを獲得できたことがうれしいです」

ダニール・クビアト(アルファタウリ)
「11位で終えるというのはとてもフラストレーションが溜まります。オープニングラップでは、ロメインの動きに最初は少し怒りを感じましたが、炎が上がり、クラッシュのひどさを目の当たりにして、とても心配になりましたし、無事を願っていました。幸いなことに深刻な状態にならなくてよかったです。その後、2度目のレーススタートでは、ストロールとのインシデントが起こりました。僕は彼の内側にいたのに、彼はまるで僕がいないかのようにターンインしてきたと感じました。自分のマシンを完全に縁石の内側に入れましたが、あれ以上できることはありませんでした。したがって、この僕へのペナルティというスチュワードの見解には同意できません。この裁定で僕のレースは台無しになってしまったので、残念です。憤りを感じますが、残念ながら結果は覆りません」

タイヤを供給するピレリはバーレーンGPについて「何よりもまず、グロージャンの傷が大きくなかったことに安心しています。バリアの修理のための長い中断の影響を受け、夜間に気温が下がったこともあり、ソフトタイヤが予想よりも強力に機能、ミディアムタイヤのスティントも延長することができました。また、レース再開後もセーフティカー導入があり、これが熱劣化と摩耗を減らすことにつながりました。ハミルトンはミディアムタイヤで再開し、19周後にもう一度ミディアムに履き替え、22周のスティントでハードに交換してフィニッシュしました。2位でフィニッシュしたレッドブルのフェルスタッペンは、ミディアムでフィニッシュする前に、2つのミドルスティントにハードタイヤを使用するという別の戦略を採用しました。タイヤマネージメント、とくにミディアムタイヤが重要な役割を果たしました」と分析している。

次戦第16戦は1週間後、12月4日から6日、再びサヒールのバーレーン・インターナショナル・サーキットを舞台に行われるが、コースレイアウトが外周ルートを使用する形に大きく変更され、サヒールGPとして開催される。

2020年F1第15戦バーレーンGP 決勝 結果
優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 57周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+1.254s
3位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ) +8.005s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+11.337s
5位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+11.787s
6位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ) +11.942s
7位 3 D.リカルド(ルノー)+19.368s
8位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+19.680s
9位 31 E.オコン(ルノー) +22.803s
10位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +1周
11位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ) +1周

2020年F1ドライバーズランキング(第15戦終了時)
1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)332
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)201
3位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)189
4位 D.リカルド(ルノー)102
5位 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)100
6位 C.ルクレール(フェラーリ)98
7位 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)86
8位 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)85
9位 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)85
10位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)71

2020年F1コンストラクターズランキング(第15戦終了時)
1位 メルセデスAMG 533
2位 レッドブル・ホンダ 274
3位 マクラーレン・ルノー 171
4位 レーシングポイント・メルセデス154
5位 ルノー 144
6位 フェラーリ 131
7位 アルファタウリ・ホンダ 97

[ アルバム : 2020年F1第15戦バーレーンGP 決勝 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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