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ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり

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ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり

 この記事をまとめると

■2009年にメルセデスAMG初の完全自社開発のロードカーとして「SLS AMG」が登場

昭和のスーパースター3人が乗っていたガルウイング! 当時のドル円換算で245万円だったメルセデス・ベンツ300SLとは

■300SLのリバイバルという立ち位置をもちつつその本質はピュアスポーツカー

■AMGの考える理想を実現するためのメカニズムを中心に徹底解説

 AMG初の完全自社開発ロードカー

 2009年9月に開催されたIAA(フランクフルトショー)で、メルセデスAMG社から発表されたニューモデルが、ここで紹介する「SLS AMG」だ。

 その特徴的なガルウイングドアを見れば、このニューモデルが1950年代に誕生した300SLにインスピレーションを得たものであることは誰の目にも明白なところだが、もちろんそれはただ単に300SLのもつ雰囲気を現代流に再現したものではなかった。

 それはメルセデスAMGとしては初となる、完全自社開発のロードカーという、彼らの歴史上大きな節目となる一台にほかならなかったのだ。

 メルセデスAMGが、このSLS AMGで掲げた開発コンセプトは「ピュアリズム」。すなわち、メルセデスAMGが理想とするスポーツカー像をいかに純粋に具現化するかがもっとも重要な課題だった。1262mmという低い車高を設定し、かつロングノーズ・ショートデッキのスタイルを採用したボディデザインは、まさにその象徴的な例。大きな開口面積をもつシングルルーバーの中央部にスリーポインテッドスターをレイアウトするフロントグリルもまた、往年の300SLとの関連性を物語っている。

 SLS AMGの基本構造体は、アルミニウム製のスペースフレームだ。それが軽量性とともに高剛性であることがその特長であることは、詳しく説明するまでもないところだろう。

 ボディシェルも、その96%はアルミニウム素材によるもの。残りの4%は超高張力鋼板で、これはロールオーバークラッシュ時などの安全性確保の目的で、Aピラーの内部に使用されている。注目の車重は1620kg。徹底した軽量化の効果は確実に表れていた。

 前後のサスペンションは、こちらもアルミニウム製のダブルウイッシュボーン形式。スペースフレームと同様に剛性に優れるこのサスペンションは、コーナリング時の操縦安定性はもちろんのこと、乗り心地の向上にも大きく貢献し、実際にSLS AMGのステアリングを握るユーザーは、常にリニアで快適なハンドリングを体験することが可能とされる。

 ブレーキはフロントに6ピストン、リヤに4ピストンのキャリパーと、鋳鉄製のドリルドベンチレーテッドディスクを組み合わせたもの。これに3モードのESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)やASR(アクセレレーション・スキッドコントロール)の制御が加わることにより、常に安全でダイナミックな走行を楽しむことができる。

 実際に乗って感じた安定性とエアロダイナミクス

 フロントミッドシップされるエンジンは、メルセデスAMGでは「M159」型と呼ばれる6.3リッターのV型8気筒DOHCで、これは同社の「M156」型をベースに潤滑方式をドライサンプ化したほか、構成部品の多くを再設計したもの。

 最高出力と最大トルクは、それぞれ571馬力、650Nmという数字で、このエンジンから出力されたトルクは、重量がわずかに4kgというカーボンファイバー製のドライブシャフトを介してリヤに搭載される、これもSLS AMGで新開発されたAMGスピードシフトDCT 7速ミッションに伝達される。

 ちなみにこのミッションは、一般的なトルクコンバーター式ATの中身を、湿式多板クラッチに置き換えたもの。そのフィーリングは高い評価を得た。

 また、いわゆるトランスアクスル方式を採用したことで、前後の重量配分は47:53となり、これはブレーキング時の荷重移動を考えれば理想的な設定と考えることができる。

 実際に試乗してみたSLS AMGでまず印象的だったのは、その重心の低さを理由とする安定性の高さと、優れたエアロダイアミクスだった。トランクリッドには、車速が120km/hを超えると自動的にリフトアップするリヤスポイラーが備えられているが、その効果も十分に納得できるものだったことは鮮明な記憶だ。0-100km/h加速で3.2秒。最高速では317km/hを記録した。

 そのバリエーションには、2011年にはソフトトップを採用した「ロードスター」が加わったほか、591馬力に最高出力を高めた「GT」、さらには631馬力仕様の限定モデル、「ブラックシリーズ」などが誕生した。BEVの「E-Cell」が2010年に発表されたのも大きな話題だった。

 そして、SLS AMGを成功に導いたメルセデスAMGは2014年、その実質的な後継車となる「GT」を発表。よりポピュラーなスーパーカー市場への参入を図ることになったのである。

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