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クルマにはないのに…バイクの駆動に何故チェーンが必要なの?

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クルマにはないのに…バイクの駆動に何故チェーンが必要なの?

■バイクにチェーンが使われているのはなぜ?

 バイクは、タイヤを動かすためにチェーンが使われていることはご存じの方も多いと思います。でも実は、クルマと同じ構造の「シャフトドライブ」と呼ばれる鉄の棒が使用されているバイクもあります。なぜ、駆動に関してクルマには使われていないチェーンがなぜバイクに採用されているのでしょうか。

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 バイクとクルマは、どちらもエンジンの力を使ってタイヤを駆動させます。クルマであれば2WDの場合は2つ、4WDの場合は4つのタイヤに駆動力を伝えます。一方、バイクの場合は、後ろのタイヤのみに駆動力を伝えることになり、エンジンのパワーがそのままリアタイヤ1本にかかります。

 エンジンの上下運動をタイヤの駆動力として伝える方法は主に3つあり、金属のチェーンを使用した「チェーン式」、ベルトを使用した「ベルト式」、金属のシャフトを使用した「シャフトドライブ式」があります。

 クルマにはドライブシャフトが採用されるのが一般的で、左右のタイヤに駆動力を効率よく伝えることができパワーロスが少ないとされています。さらに密閉性が高いためメンテナンスフリーといったメリットがあります。

 バイクの場合は、チェーン式が採用されているのが一般的で、エンジンのパワーをリアタイヤのみに伝えるための伝達効率に優れた駆動方式となります。小さな車体の中に最小限のスペースで抑えることができ、ミッションの減速比を容易に変えることができるといったメリットがあります。また、シャフトドライブ式と比べ製造コストが格段に安く抑えることができ、重量も軽量となるため燃費の向上にも役立ちます。多くのメリットを持つシャフトドライブ式ではなくチェーン式がバイクに優勢とされている背景の1つには、バイクの主力市場である東南アジアなどの新興国が関係しています。

 コストと整備性の問題から、パワーロスや静穏性のメリットを持つシャフトドライブ式よりも、少しでも車体価格を安く抑えそして整備が容易にできるチェーン式の方がメリットに感じるのではないでしょうか。

■バイクチェーンのメンテナンス方法とは?

 チェーン式は整備性が良いといったメリットがあるように感じますが、言い換えれば定期的なメンテナンスが必要ということになります。チェーンは金属摩耗がしやすく伸びてしまうと騒音が大きくなってくるだけでなく、パワーロスが増えることで燃費の悪化につながり、さらに適正な加速減が行われず操作性までも悪化することになります。

 これらのトラブルを防ぐためにも、定期的なチェーンのメンテナンスはかかせません。そこで、正しいメンテナンス方法を知っておく必要があります。

 チェーンメーカーである大同工業株式会社によると、正しいメンテナンス手順は次の通りとなっています。チェーン洗浄の場合、車輪を動かしながら各リンクにまんべんなくクリーナーを行き渡らせます。

 クリーナーが飛び散らないようにウエスをあてがいますが、大量に吹き付ける場合は下にトレイを敷きます。

 クリーナーを行き渡らせたあとはブラシで汚れを擦り落としていき、最後にウエスでチェーンをくるむようにしながら拭き込んでいきます。続いてグリスアップの手順です。

 リンクの隙間に沁み込ませるようにチェーンループを3~10cmの距離から吹き付けていきます。車輪を丁寧に回転させまんべんなく吹き付けるのがポイントで、他のパーツに飛散しないようにウエスをあてがいながら作業を進めます。

 最後に余分な油をウエスで拭き取れば完了です。走行直前よりも、前日に行うことでチェーン深部に浸透し本来の効果が発揮されるとのことです。

■ドライブシャフト式を多く採用しているBMW Motorrad

 国産のバイクでもドライブシャフト式が採用されているホンダ「VF750」やヤマハ「V-MAX」といったバイクもあります。

 どちらの駆動方式にもそれぞれのメリットが存在していますが、BMWのバイクに関してはシャフトドライブ式が採用された車種が現在でも多く販売されています。ツーリング性の高さが魅力的なBMWは走行時のトラブルやライダーの負担を抑えるためにも、高価なシステムであるシャフトドライブ式をあえて採用しているようです。

 シャフトドライブ式のバイクに出会い乗車できる機会があればシームレスな加速感をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

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