メルセデスが2020年用マシンW11に搭載してきた革新的なステアリングシステムDAS(二重軸ステアリング)。その存在が明らかになった際、多くの人々は、メルセデスの直近のライバルであるフェラーリが、FIAに対してその違法性を訴え、システム使用の禁止を提言するのではないかと予想した。
しかしレッドブルは抗議する姿勢を見せたものの、フェラーリはこの件について楽観視。実際、過去にはフェラーリもDASのアイデアを検討し、実現を断念していたことも示唆していた。
■フェラーリ、過去にDASを思いつくも開発せず「合法性を確信できなかった」
一部の人々はそのフェラーリのコメントは、自己防衛策なのではないかと疑った。そして取材の結果、フェラーリがなぜメルセデスのシステムを警戒していないのか、その理由が明らかになった。フェラーリも昨年半ばから、DASと同様のメリットを生み出すことができるシステムを使っていたのだ。
このシステムは、内部関係者にはPAS(パワーアシスト・ステアリング)と呼ばれているものだ。このPASは、既にハースの2020年型マシンVF-20にも採用されるほど安定したモノであるようだ。
PASはDASほど高度なシステムではないが、メルセデスも2019年にはこのタイプのモノの開発に着手し、今年登場したDASの先駆けとなった。
メルセデスの2019年用マシンW10には、ふたつのラック&ピニオンが搭載され、可変アッカーマンアングル(ステアリングを切った際の左右のホイールの切れ角の差)調整システムを生み出し、ステアリングによる入力に応じて、それぞれのホイールを個別に操舵できるようにした。
振り返ってみれば、W10はそれまでのメルセデスと比較して、スローコーナーでの俊敏な反応が向上していた感がある。これは、この新しいステアリングシステムの効果が大きく出たものだったと考えることもできるだろう。
またこのシステムを導入したことにより、俊敏性が向上しただけでなく、タイヤを適切な作動範囲に維持することができるようになり、摩耗が減り、全体的なパフォーマンスを向上させることになった。
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みんなのコメント
アリソンが移籍してメルセデスベンツで更に進化させて装置として車に搭載されてるわけだし。