2009年の撤退以来、再度の日本上陸を今年2月8日に果たしたヒョンデ。日本市場に投入されるのはEVのアイオニック5、FCVのNEXO(ネッソ)というゼロエミッションビークルの2車種。オンライン販売(ヒョンデ自社サイト及びアプリ)のみで、今年5月にオーダーの受付を開始し、7月からデリバリーが始まる。
価格はアイオニック5が479万~589万円、ネッソが776万8300円となっている。果たしてその実力はどの程度のものなのか、事前試乗会でアイオニック5のステアリングを握った国沢光宏氏が評価する。
えっ、ジムニーが500万円!? 日本にない2シーターに惚れる!! ドイツのジムニーはまさにニッポンの誉だった
文/国沢光宏、写真/奥隅圭之、ヒョンデ
■あのトヨタをも欧州では凌いでいるヒョンデ
写真手前がEVのアイオニック5で、奥がFCVのNEXO。ヒョンデから日本市場へはこの2車種が投入されることがアナウンスされている
日本では現代自動車(韓国車)に対する評価が極めて低いものの、世界規模で考えたら危機感を持たなければならない状況と言ってよい。今やアメリカでホンダの販売台数を超え、欧州も日本勢ダントツのトヨタを相手にしない。
ヒョンデの667万台という世界販売台数はトヨタの1049万台にこそ届かないが、414万台のホンダや407万台の日産を大きく凌ぐ。日本人はもう少し現実を知るべきかと。
なぜ日本で韓国のクルマが評価されないのかと言えば、日本に入ってきていないからです。いや、いいクルマだったとしても売れないだろう。理由は簡単。韓国、この10年ずっと日本にケンカを売ってきてますから。世界じゃスタンダードになっているTVや携帯端末だって「韓国ブランドは買わない」という人が多い。
以下、EVのアイオニック5の紹介をするけれど、売れないとは思います。
一方、クルマ好きとしちゃ大いに興味ある。スポーツや趣味に人種や国境などない。ということで、以下クルマ好きの視線から現代自動車の最新作、アイオニック5をチェックしてみたいと思う。
■かつての「ヒュンダイ」改め「ヒョンデ」に
そうそう。最初に紹介しなくちゃならないのが会社名。今までカタカナ表記だと「ヒュンダイ」だった。実際、アルファベット表記で『HYUNDAI』。けれど日本再参入にあたって今回から「ヒョンデ」としている。
この点、日本語を流暢に使う韓国人女性の広報担当に聞いてみたら「フランスのエルメスはHを発音しないのと同じで韓国語だとHYUNDAIと書いてヒョンデになると思ってください~」。
韓国で「ヒョンデ」、アメリカだと「ホンディ」。ややっこしい! とは言え「ヒョンデと呼んでください~」なので、以下ヒョンデと表記します。皆さんはお好きなように。
■欧州車と言っても過言ではない、その出来栄えに驚愕!
長い前置きになった。アイオニック5である。ある程度予想していたけれど、実車を見てハンドル握って走り出したら「こりゃマズいぞ!」。ヒョンデ、衝撃を受けるくらい進化していた! 考えてみたらアイオニック5の開発主体は欧州にある開発部門。デザインも欧州。そこで仕事してるのは、BMWやアウディやメルセデス出身の人たちだという。中身は完全に欧州車です。
そもそも見ただけで「スンゴクお金を掛けてますね!」。ヘッドライト回りひとつ取ってみても、応接室の飾りモノにしてもおかしくないレベルで精密加工されたLEDの多灯式。
アイオニック5のフロントマスク。パラメトリックピクセルLEDヘッドランプは一体型のフルLEDを採用し、コンピューター画像の最小単位であるピクセルからインスピレーションを受けて誕生したデザインだ
アウディと同じく灯体の内側に模様を入れ、しかもライトを点けるとバンパー上面が発光するというメチャクチャ凝った作り! インテリアは新世代のBMWと比べたってまったく遜色のない質感を持つ。
明るくて開放感のあるドライバーズシートに座り、スタータープッシュボタンで起動。Dレンジをセレクトし、走り出す。電気自動車で一番難しい「走り出し時の自然な感じ&滑らかさ」を高いレベルで実現しており、電気自動車に少し詳しい自動車評論家はこの時点で感心してしまっている。興味深いのは後輪駆動のRRベースという点。理由を聞いたら「走る楽しさを追求したかった」そうな。
■WRC参戦での知見が活かされたアイオニック5の走り
試乗したアイオニック5は最上級グレードで4WD車の「Lounge AWD」(589万円)。後輪のモーターが優先される制御となっている
試乗車は前輪にもモーターが付く4WD仕様だったけれど、コーナーでアクセル踏むと、後輪から駆動力を立ち上げている。この手の制御、4WDのノウハウを持つ三菱自動車は新型アウトランダーPHEVに採用し、日産も新型ノートから後輪優先制御を入れた。どちらも絶賛されてます。
考えてみたらヒョンデ(韓国での発音とのこと)もWRCに参戦しており、ノウハウを持っている。
クルマの基本構造からして重い電池をホイールベースの間の低い位置に積むため、前後の重量配分が極めていい。その上で後輪から駆動力を立ち上げているものだから、アクセル踏むと気持ちよ~く曲がっていく。
何と! ヒョンデにも「WRCのノウハウ」が入り始めちゃった。試乗車は前後モーター合わせて305psとなり、0~100km/h加速5.2秒という性能の持ち主。
■ヒョンデの最新&高コスト先進技術に驚かされまくり!!
アイオニック5の乗り心地のよさを実感していた国沢光宏氏。アイオニック5はクルマの乗り心地に関して一家言持つ国沢氏に舌を巻かせた
乗り心地は私ですら「このままでいいか」と思えるレベル! 欧州のノウハウを使っている現代モービスのダンパーが滑らかに動く。「ステアリングフィールいいね!」と思ったら、アウトランダーPHEVやレヴォーグのように日本車ですら珍しいダブルピニオン式のステアリング(モーターがラックに直接付いている)という。もうすべての点で「凄いね!」の連続だったりする。
また、タイヤは内側に吸音材が入っているミシュランのパイロットスポーツEVときた(このタイヤ、高いです)。
さらに、「ここまでやってるのね!」はアウディやBMWに採用されているコースティング(電車のような空走)の自動制御。先行車がいなければコースティング、先行車がいたら回生させて車間距離をキープする。この制御で電気自動車は電費も伸びるし、運転が楽です。
ブレーキシステムもトヨタと同じ100%ブレーキバイワイヤ(日産やホンダも機械制御と併用)を採用しているそうな。
■クルマの出来は文句なし! だが……
文頭に書いたとおり、日本人だと韓国車だというだけでショッピングリストに載せないだろうけれど、アメリカに住んでいるアメリカ人や、欧州に住んでいるヨーロッパ人なら、この価格帯の電気自動車を買おうと考えた場合、最有力候補になるほど魅力的だと思う。
参考までに書いておくと、価格的な競合車は日本勢だとトヨタのbZ4X、スバルのソルテラ、日産のARIYA。海外勢ならテスラモデル3やVWのID.4といった主力車種になる。同じ価格帯のなかじゃ群を抜いた性能や質感だと思う。
遠からずカーシェアの『エニカ』で誰でも乗れるようになるというから、クルマ好きならぜひとも乗って驚いて欲しい。きっと、「日本頑張れ! 油断するな!」と思うだろう。
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みんなのコメント
もはや、国産車はライバルではありませんが、ドイツ車と競合するには、ブランド力がありません。
ちょうど、レクサスと同じようなポジションであり、中途半端であると言えます。