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名門ランチア、EVで再始動へ 「プーラHPE」発表 ラリーの象徴が歩んだ117年に、新たな1ページ

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名門ランチア、EVで再始動へ 「プーラHPE」発表 ラリーの象徴が歩んだ117年に、新たな1ページ

プーラHPEコンセプト 初公開

イタリアの自動車ブランド「ランチア」が、新型スポーツモデルのコンセプトカーを初公開した。

【画像】ランチア・プーラHPEコンセプト デザインと内装【細部まで見る】 全35枚

「ランチア・プーラHPE」と名付けられたこのモデルはEVだ。

その後ろ姿は、明確にストラトスの血統を感じさせるもの。また、フロントに構えるクロームのモチーフはデルタやアウレリアを想起させる。

全長4450×全幅1950×全高1350mmというボディサイズに、4人分のシートを収めた「プーラHPEコンセプト」について、ランチアは今後登場するモデルのデザインやテクノロジーを示すヒントと説明する。

ランチアは来年には、新型イプシロンをハイブリッドカーとEVという品揃えで欧州発表する計画。その後、2026年以降は電動モデルのみを登場させていき、2028年にはハイブリッド版の新型イプシロンを終売する見込みだ。

これにより、ランチアの内燃エンジン車の歴史が幕を閉じることになるのだろう。

近年は、イタリア国内専売に

ヴィンチェンツォ・ランチアが1906年にトリノで興した「ランチア(LANCIA)」。

彼の息子であるジャンニが後を継ぎ、モータースポーツにも参戦するが経営悪化で1955年に倒産。その後、カルロ・ベゼンティが経営権を取得するが、またも経営悪化で1969年にフィアットに売却される。

フィアット傘下では、フィアットの高級車版(トヨタとレクサスの関係に近い)といったモデルを生産し、またラリーやレースなどにも参戦してイメージを高める。

フィアットは2009年にクライスラー・グループを傘下に収めFCAとなり、ヨーロッパではクライスラー車を「ランチア」ブランドで販売する。

その後、2014年にランチアはイタリア国内専売ブランドとなり、国外での販売活動を終了。

そして2019年に、FCAがグループPSAと経営統合して「ステランティス」となり、ランチアは、DSやアルファ・ロメオと同じプレミアムグループとして存続することになる。

紆余曲折の末、2030年までに全車がBEV化されるというランチア。そのエポックメイキングなモデルを何台か振り返っておきたい。

ラリー界を席捲「ストラトス」

「ストラトス」は、ラリーに勝つことだけを目的に作られたクルマだ。

デザインを手がけたのは、当時カロッツェリア・ベルトーネのチーフデザイナーだったマルチェロ・ガンディーニ。センター部分がモノコック、その後方にサブフレームを組んでエンジンを搭載するという、まさにラリー専用のプロトタイプマシンのような基本設計だった。

全長は3.7mあまりなのに全幅は1.7m以上あり、それでもホイールベースは2.2m足らずと短いため、その走りっぷりはコーナリングマシンそのものだった。腕に自信のないドライバーには手に余るほど、ハンドリングはクイックで扱いは難しい。

エンジンはディーノ246GTの2.4L V6を横置きミドシップ。市販モデルのパワースペックは190ps/23.0kg-mだったが、ラリー仕様では280ps/26.0kg-mを発生したという。市販モデルでも車両重量は1トンを切っていたから、十分以上のパフォーマンスを発揮した。

ランチア・ラリーチームの目論みどおり、ストラトスは世界ラリー選手権で大活躍し、1974年から3年連続でチャンピオンを獲得する。だが、市販モデルへのエンジン供給の遅れなどもあり、生産台数は500台未満にとどまっている。

フェラーリの心臓「テーマ8.32」

ランチアが、フィアット(クロマ)/アルファ・ロメオ(164)/サーブ(9000)とともに「ティーポ4プロジェクト」で共同開発したミドル・セダンが「テーマ」だ。

パワートレインにはフィアット製の2L 直4ターボやPRV(プジョー/ルノー/ボルボ)共同開発の2.8L V6などが採用されたが、ホッテスト・グレードとしてフェラーリ308GTB/GTSクワトロバルボーレに搭載されているフェラーリ製3L V8を移植した「8.32」が設定された。そのグレード名は8気筒と32バルブに由来する。

215ps/29.0kg-m(のちに200ps/26.8kg-m)を発生するフェラーリ製V8 DOHCは5速MTを介して前輪を駆動。最高速度は240km/h、0-100km/h加速は6.8秒とアナウンスされている。

ボディこそノーマルのテーマと変わらないものの、格子状のフロントグリルや星型のホイールがフェラーリ由来であることを示していた。そしてトランクリッドには電動収納式のリアウイングが装着されていた。

インテリアも、本革やローズウッドをダッシュボードに多用するなど、フェラーリのエンジンを搭載するスーパーセダンにふさわしいものとされていた。

人気健在「デルタHFインテグラーレ」

「デルタ」は、フォルクスワーゲン・ゴルフに対抗すべく、ランチアが1979年に発表したハッチバック車だった。

だが、WRC車両が1987年にグループBからグループAに変更されたことに伴い、ランチアはデルタに167psを発生する2Lターボを搭載し、フルタイム4WD化した「HF(アッカエッフェ) 4WD」を開発して参戦する。

その進化版が「デルタHFインテグラーレ」だ。

前後のフェンダーを張り出させたブリスター形状とし、エンジンの最高出力は185psにアップさせた。さらに翌1989年にはエンジンを4バルブ化し200psにパワーアップした「HFインテグラーレ16V」が登場。このエンジンを搭載するため、ボンネットは大きく盛り上がっていた。

デルタHFインテグラーレのWRCでの活躍はめざましく、マニュファクチャラーズ・チャンピオンは1987年から1992年まで6年連続、ドライバーズ・チャンピオンは1987~1989年と1991年に獲得している。

1992年にはエボリューションモデルの「エボルツィオーネ」が登場し、日本仕様は3ナンバーとなる。また、限定モデルも何車種か発表され、今もなおコレクターズ・アイテムとして人気が高い。

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みんなのコメント

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  • ストラトスやインテグラーレのEV化の方が期待値が高いと思うが、、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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