3種のパワートレインを試す …短時間だけ
5世代目となる次期ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)は、10月に欧州で販売が始まる。AUTOCARは、プリ・プロダクションの開発試作車に乗る機会を得たのでレポートしたい。
フランスのテストコースを舞台に、新型クリオのエンジニアとともに走ることができたのだ。内外装がカモフラージュされた開発初期のプロトタイプであったうえ、極めて短時間の走行だったが、お伝えできることがいくつか存在する。
すでに新型の内外装は公開されているのだから、「今さらカモフラージュ車両なんて」と思うヒトもいるかもしれない。たしかにエクステリアは、今回もローレンス・ヴァン・デン・アッカーが筆をとったのだから「現行型の進化形」というスタリングになっている。しかし、中身がまったく異なるのだ。
インテリアの素材の選び方が変わったのは、なによりのニュースである。ドライバーが手の届く範囲については、ソフトタッチなマテリアルを採用。シートヒーターのスイッチなどは、標準装備となるインフォテインメント・システムでは扱わずハードキーで操作する。いい判断だ。
新型クリオの全長は、現行型よりも短い。とはいっても4048mmというサイズは、現在のモデルに比べて14mm差に過ぎない。つまりこのクラスでは標準的な大きさだ。車体構造は、ルノーとして初となるCMF-Bプラットフォーム。これにより22kgのウェイトダウンを実現しただけでなく、2020年にはマイルド・ハイブリッドを導入することができるようになった。
今回ステアリングを握ったのは、発売時のラインナップに含まれる見込みの下記3モデルだ。
・1.0ℓ3気筒ターボ(100ps)
・1.3ℓ4気筒ターボ(130ps)
・1.5ℓディーゼル(115ps)
それぞれのクルマでコースに出てみよう。
クリオ・プロトタイプの印象は?
1.0ℓガソリン3気筒モデルは、スムーズな走りで5速マニュアルを扱うのが楽しい。回転をあげていくとノイズがやや気になった。
1.3ℓガソリン4気筒は、マニュアル仕様と、7速デュアルクラッチ・ギアボックス仕様が用意される可能性がある。わたし達が試したのは後者だ。エンジンはより静かで、デュアルクラッチは自分が好きなように変速できる類のものだ。
ディーゼルは6速マニュアルだった。こちらは重さを感じる乗り味で、クリオの機敏な印象が薄まるように思えた。
試乗は限られた時間だったので、これ以上のことを伝えるのは難しい。しかし、フォルクスワーゲン・ポロのビジネスライクな走りと、フォード・フィエスタの軽快さの中間をつくような作り込みを感じられた。
詳細なドライビングテストは6月にお届けすることにしよう。その時には生産型を試せるはずだ。今回の試乗ではインテリアのクオリティに新たな発見もあった。新型クリオは有望だとわたしは感じている。
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