現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 4ドア+4シーターの本物 フェラーリ・プロサングエへ試乗 例えるならGTC4クロスカントリー 後編

ここから本文です

4ドア+4シーターの本物 フェラーリ・プロサングエへ試乗 例えるならGTC4クロスカントリー 後編

掲載
4ドア+4シーターの本物 フェラーリ・プロサングエへ試乗 例えるならGTC4クロスカントリー 後編

プロサングエの中央に座っているような感覚

フェラーリ・プロサングエのダッシュボード中央には、大きなタッチモニターが備わらず、カーナビを利用するにはスマートフォンが必要になる。ミラーリング機能で、メーター用モニターの右側へ表示できる。

【画像】4ドア+4シーターの本物 フェラーリ・プロサングエ 競合モデル GTC4ルッソも 全130枚

ステアリングホイール・ボスの右下には、お約束のマネッティーノ・ドライブモード・ダイヤルがある。アイスとウェット、コンフォート、スポーツ、スタビリティオフの5モードから選択が可能。個別にダンパーの硬さを調整することもできる。

全体的に、運転には集中しやすい車内環境といえる。フェラーリらしい。

路上へプロサングエを進めると、喜びに溢れていた。これは、4ドア+4シーターのクーペだ。車高は持ち上げられているが、高すぎない。フロントには6.5L V12エンジンが載っている。

穏やかなドライブモード時は静かにアイドリングを始めるものの、サウンドは間違いなく特別。甘く厚みがある。

ステアリングレシオは、GTC4ルッソと同じ14:1だという。クイックな部類だが、最近のフェラーリほど過敏ではない。

ダイレクトでシャープ。極めて正確で、ロックトゥロックは2回転。切り初めの反応が予想しやすい。アクティブ後輪操舵システムを標準搭載するが、とても自然だ。

フロントアクスルの後方にエンジンを搭載しつつ、ドライバーの位置は比較的前方。ちょうどプロサングエの中央に座っているような感覚がある。低速域での乗り心地は優しい。

他を圧倒するほど衝撃吸収力が高いサス

注目の技術といえるのが、サスペンションに組まれたマルチマティック社のスプールバルブ・ダンパー。路面からの入力とドライバーの操作へ反応し、減衰力を調整する複雑なシステムで、アンチロールバーを不要としている。

説明すると長くなるが、とにかく仕事ぶりは素晴らしい。加減速時のピッチや、旋回時のロールを抑え込み、ドライバーへ安心感を与える。設定はソフトとミディアム、ハードという3段階から選べる。

23インチ・アルミホイールに扁平率30のタイヤを履くモデルとしては、他を圧倒するほど衝撃の吸収力が高いと感じた。筆者が記憶しているどのフェラーリよりソリッドで、熟成された質感を実現している。

カーブでの姿勢制御はタイト。電圧48Vで稼働するフェラーリ・アクティブ・サスペンションが、鋭いコーナリングを叶えているのだろう。ボディロールも、背の高いプロポーションから想像する以上に小さい。

大きなエンジンをフロントに積み、車重が2033kgもあり、最低地上高にも余裕があるモデルとして考えれば、身のこなしは引き締まり機敏。操縦性のバランスにも長けている。

そしてかなり速い。0-100km/h加速3.3秒、最高速度310km/hの動力性能を備えているから、圧雪路にスタッドレスタイヤという組み合わせでは、かなりの余剰がある。

その気になれば、気持ち良くテールを滑らせつつ、ラリーカーのような巧みさで落ち着きを取り戻す。いわゆるSUVとは一線を画す。

本物のフェラーリだと感じさせる

プロサングエは、穏やかな気持ちで運転でき、歩道の傾斜を気にせずに済む、V12エンジンのビッグクーペ・フェラーリだ。グランドツアラーとして不足ない仕上がりだと予想するが、それは後日、高速道路を長時間走って決めることにしよう。

味わいを噛み砕くと、最も接近する競合モデルとして思い浮かんだのは、アストン マーティンDBX707だった。それでも、直接的に対峙するとはいえない。4ドアのラピードの車高を上げてクロスオーバー風にしたら、近かったかもしれない。

どちらも、アルミ製シャシーでV12エンジンだし、トランスアクスル・レイアウトに4シーター、4ドア+ハッチバックだ。ラピード・オールロードが存在したなら、素晴らしい相手になっただろう。GTC4クロスカントリーだと考えてもいい。

雪のない道でも、心から楽しめるはず。ポルシェ・カイエン・ターボGTが、オンロードで伍する事ができる唯一のモデルになりそうだ。

GTC4ルッソほど、独善的なカッコ良さはないかもしれないが、プロサングエは確実に今後のフェラーリにとって必要だと思う。愛すべきスポーツカーを作り続けるための、大切な資金源になる。実際、多くのスポーツカー・メーカーがSUVに取り組んでいる。

しかし、ライバルがなし得なかった成果にプロサングエは達している。本物のフェラーリだと感じさせるのだから。

フェラーリ・プロサングエ(欧州仕様)のスペック

英国価格:31万3120ポンド(約5041万円)
全長:4972mm
全幅:2028mm
全高:1586mm
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:5.8km/L
CO2排出量:393g/km
車両重量:1610kg
パワートレイン:V型12気筒6496cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:725ps/7750rpm
最大トルク:72.8kg-m/6250rpm
ギアボックス:2速オートマティック(フロント)/8速デュアルクラッチ・オートマティック(リア)

こんな記事も読まれています

【屋根開き版が追加】メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ カブリオレ 一年中快適に楽しめる装備も充実
【屋根開き版が追加】メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ カブリオレ 一年中快適に楽しめる装備も充実
AUTOCAR JAPAN
オイルクーラー用Oリングやブラックメッシュホースなど、HKSからオイルクーラー補修パーツ各種が発売
オイルクーラー用Oリングやブラックメッシュホースなど、HKSからオイルクーラー補修パーツ各種が発売
レスポンス
レクサス「新型“7人乗り”SUV」発表に反響多数! 「イカつカッコイイ」「欲しい」 全長5.1mで3.5リッター「V6」搭載! 後席めちゃ広い「スポーティ3列車」 米で登場
レクサス「新型“7人乗り”SUV」発表に反響多数! 「イカつカッコイイ」「欲しい」 全長5.1mで3.5リッター「V6」搭載! 後席めちゃ広い「スポーティ3列車」 米で登場
くるまのニュース
ローソン予選15番手「とにかくグリップがなくて苦労したが、それは言い訳にはならない」:RB/F1第22戦
ローソン予選15番手「とにかくグリップがなくて苦労したが、それは言い訳にはならない」:RB/F1第22戦
AUTOSPORT web
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(1)
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(1)
AUTOSPORT web
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(2)
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(2)
AUTOSPORT web
クルマのヘッドライト「何時に点灯」させればいい? 「オートライト義務化」されるも過信はNG! 「秋冬の早め点灯」大事な理由とは
クルマのヘッドライト「何時に点灯」させればいい? 「オートライト義務化」されるも過信はNG! 「秋冬の早め点灯」大事な理由とは
くるまのニュース
角田裕毅と好バトルの末8位フィニッシュのヒュルケンベルグ「ピットストップのタイミングを少しずらしたのがうまく機能した」
角田裕毅と好バトルの末8位フィニッシュのヒュルケンベルグ「ピットストップのタイミングを少しずらしたのがうまく機能した」
motorsport.com 日本版
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
ベストカーWeb
BMW初代「M3」に24年! マフラーはE46 325i用をベースに自分で溶接して製作…トヨタ「スターレット」から乗り換えて何が違った?
BMW初代「M3」に24年! マフラーはE46 325i用をベースに自分で溶接して製作…トヨタ「スターレット」から乗り換えて何が違った?
Auto Messe Web
ドラマ連発!エバンス/マーティン組が日本戦でニ連覇、TOYOTAも大逆転でのシリーズ四連覇獲得に「トヨタ(豊田)」が湧いた!!【WRC最終戦ラリージャパン】
ドラマ連発!エバンス/マーティン組が日本戦でニ連覇、TOYOTAも大逆転でのシリーズ四連覇獲得に「トヨタ(豊田)」が湧いた!!【WRC最終戦ラリージャパン】
Webモーターマガジン
BMWが新型「3シリーズ セダン/ツーリング」を発売! PHEVモデルは航続距離がさらに向上。【新車ニュース】
BMWが新型「3シリーズ セダン/ツーリング」を発売! PHEVモデルは航続距離がさらに向上。【新車ニュース】
くるくら
エメ・レオン・ドレの特注「ポルシェ993ターボ」は、ニューヨークにオマージュを捧げた一台
エメ・レオン・ドレの特注「ポルシェ993ターボ」は、ニューヨークにオマージュを捧げた一台
LE VOLANT CARSMEET WEB
新生ポルシェ、スポーツカーとスキー製造のノウハウを備えた「ヘッド106シリーズ」
新生ポルシェ、スポーツカーとスキー製造のノウハウを備えた「ヘッド106シリーズ」
LE VOLANT CARSMEET WEB
防風 + 輻射熱で防寒効果アップ!「ウインドスクリーン2サイズ」が11/30に VASTLAND から発売
防風 + 輻射熱で防寒効果アップ!「ウインドスクリーン2サイズ」が11/30に VASTLAND から発売
バイクブロス
【ヤマハ】クリエイティブチーム12名が Netflix オリジナルアニメ「Tokyo Override」の制作に協力
【ヤマハ】クリエイティブチーム12名が Netflix オリジナルアニメ「Tokyo Override」の制作に協力
バイクブロス
日産「カクカク“ワゴン”」実車公開! 旧車デザイン×コンパクトボディが超カッコイイ!ウッド内装もオシャレすぎる“斬新キューブ”「SETO」大阪で展示!
日産「カクカク“ワゴン”」実車公開! 旧車デザイン×コンパクトボディが超カッコイイ!ウッド内装もオシャレすぎる“斬新キューブ”「SETO」大阪で展示!
くるまのニュース
[15秒でわかる]世界初のリアウイングライト…テールランプとリアウィングが一体化!
[15秒でわかる]世界初のリアウイングライト…テールランプとリアウィングが一体化!
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

4760.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
プロサングエの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

4760.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村