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燃費が良いだけじゃない!──新型フォルクスワーゲン・ゴルフ TDI R-Line試乗記

掲載 更新 3
燃費が良いだけじゃない!──新型フォルクスワーゲン・ゴルフ TDI R-Line試乗記

ビッグマイナーチェンジを受けた新しいフォルクスワーゲン「ゴルフ」の、ディーゼルモデルに小川フミオが乗った。マイルドハイブリッドのeTSIとは異なるTDIならでは魅力とは。

期待以上に活発、そしてクリーン

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フォルクスワーゲン・ジャパンが、マイナーチェンジを受けた新しいゴルフ・シリーズを、2025年1月10日から発売開始した。エンジンは、ガソリンと、“超”がつきそうなクリーン・ディーゼル。後者のうち。試乗したゴルフTDI R-Lineは、走りがよく、燃費はリッター20km越えと、注目すべき性能をもつモデルだ。

今回発売されたゴルフは、ハッチバックとヴァリアント(ステーションワゴン)というふたつの車型。今回テストドライブしたのは、1974年の初代から今回の8代目まで、連綿と作り続けられているハッチバックボディだ。

基本的な車型は踏襲しているけれど、フォルクスワーゲンが今も「ゴルフは看板車種」というだけあって、着実に進化を遂げている。

注目は、車内のデジタライゼーションだ。オペレーティングシステムが刷新され、たとえば自然体で喋ってコマンドが入れられる音声認識アプリ「IDA(アイダ)」が使えるようになった。

もうひとつは、第8世代でディーゼルエンジンに採用された、排ガスのクリーン化技術「ツインドージング」を、継続採用している点。主に燃費でディーゼルエンジンを選びたい人の、背中を押してくれる技術だ。

走りはどうか? というと、期待以上に活発だ。TDI R-Lineは、110kWの最高出力と360Nmの最大トルクを発揮する1968cc4気筒ディーゼルによる前輪駆動。軽めのアクセルペダルをちょんと踏むと、パッと前に飛び出すように加速する。

最大トルクが1600rpmから2750rpmの間で発生するディーゼルユニット。加速性はかなり良い。よく回るし、それにつれて太いトルクが湧き出てくるような感覚は、痛快といいたくなる。

日本へは初代ゴルフから、ディーゼルモデルが導入されてきた歴史を有する。かつては、“ガラガラ”と大きな音を立てており、加えて信号の多い日本の路上だとストップしてからの発進がかったるかった。最新のTDIに乗ると、技術の進歩にいたく感心させられる。

前出のツインドージングシステムは、SCR(選択式還元触媒)コンバーターを直列に並べたもの。排ガス中の窒素酸化物を化学反応させて無害化する高品位尿素水(アンモニア)であるアドブルーを2段階で噴射させることで、排ガスの更なるクリーン化を目指したシステムだ。ドイツ車では常識化しつつあるとはいえ、¥3,000,000台から始まるゴルフTDIにもちゃんと装備されるのが、フォルクスワーゲン好きの心をくすぐるのは間違いない。

TDI R-Lineは足まわりの設定がやや硬めだ。私の記憶からすると、ステーションワゴンのヴァリアントの方がより硬めだったようで、あちらは明らかに硬いなぁ、と、思ったものだが、ハッチバックのほうはすぐに慣れてしまう。その程度の硬さだ。

エンジンは広い回転域で、アクセルペダルへのレスポンスよく、トルクをもりもりと出す。ステアリングホイール操作に対する車体の反応速度もクイックではないにしても、ドライブしている私の期待通りに車体が動く。太い低回転域のトルクを使って、キビキビと走るのが得意なモデルだ。

R-Lineには、ヘッドレストレイント(ヘッドレスト)一体型のスポーティな形状がそなわり、ホールド性に優れているため、運転中に身体が動いて疲れるなんてこともない。デザイン性も良く、スポーティな雰囲気が好きな人なら食指が動くはず。

やや気になるのは、エンジンのガラガラ音が聞こえる点と、タイヤノイズだ。今のディーゼルエンジン車(ゴルフよりセグメントが上のモデル)の静粛性が向上しているので、余計にそう感じるのだろう。ちょっと分が悪い。

燃費はリッターあたり20.8km(WLTC)。実際、東京近郊を80kmほど走ったけれど、燃料がほとんど減らないのには驚いた。

市街地を含めると、ハイブリッドには及ばないかもしれないが、長距離を走る人には、ドライブフィールのよさを含めて、特に選ぶ価値がある。

新型ゴルフTDI R-Lineの価格は¥4,753,000。その下に「TDIスタイル」(¥4,638,000)、「TDIアクティブアドバンス」(¥4,508,000)、そして「TDIアクティブベーシック」(¥3,960,000)という具合。

円安ユーロ高の時世下にもかかわらず、フォルクスワーゲン・ジャパンは頑張っていると思う。

文・小川フミオ 写真・小塚大樹 編集・稲垣邦康(GQ)

文:GQ JAPAN 小川フミオ
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みんなのコメント

3件
  • kmq********
    昔、乗っていたゴルフDは
    気に入っていたけど、アイドリング時の振動がすごかった
  • machinableTable
    最近は、ほとんどの用事をTDIで済ませています。乗り始めの十キロでは暖機にしかなりません、デジファントEGNの時の様に二十万キロは乗るつもりなので少し回り道でも幹線道路を通る様にしています。きちんと回すことでEGNもACもDSGも気血水は廻り車も健康となります。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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