■快適に眠るためには「事前準備」が重要!
「車中泊」とは、文字通り「クルマの中で寝泊まりをして過ごすこと」を指します。最近のアウトドアブームも相まって、チャレンジしてみたい方も多いのではないでしょうか。
車中泊を95日「連泊」しながら日本一周した経験のある筆者(黒木美珠)が、快適な車中泊を実現するためのノウハウについて紹介します。
【画像】「えっ…!」これが“軽バン”で「車中泊してる」様子です!(30枚以上)
車中泊をするにあたり、いくつか準備しておいた方が良いことがあります。
最初に、愛車のシートアレンジを知ることです。
カタログなどの写真ではシートをフルフラットにすることが「できる」とわかっていても、実際やってみると案外手間取ることもあります。
前後のシートを倒してつなぐより、テールゲート側から後席シートを前に倒して、荷室のフラットな床面を生み出したほうが「寝やすい」クルマもあるので、事前にいろいろ試してみましょう。
そしてまず必要な最低限のアイテムは「寝具」と「目隠し」です。
快適に過ごすためには装備が多いに越したことはありませんが、手軽に始めたい方はこちらの2点を準備すれば良いでしょう。
寝具には「寝袋」や「マット」「布団」など様々な種類がありますが、筆者が車中泊をしていた時は、6つ折りのマットレスを使用していました。
6つ折りであれば、日中は畳んでラゲッジルームに置いておけるため、コンパクトに収まるのでおすすめです。
前述したシートアレンジの際、どうしても段差が生じてしまうようなら、少し厚手のマットを敷くことで解消する場合もあります。
あわせて使用する寝袋は、キャンプ用品の専門店以外でもさまざまなところで手に入るので、こちらも好みに合ったものを用意しておくと良いでしょう。
■プライバシーを確保する「目隠し」の「つくり方」
続いては目隠しです。
目隠しとは「アイマスク」ではなく、車内のプライバシーを保つための必須のアイテムを指します。
カーテンタイプや吸盤で貼り付けるタイプなどがあり、車種によってはクルマにジャストフィットする専用品が「プライバシーシェード」などの名称で販売されています。
これはなにも、外から中の様子を見えなくさせるだけのものではありません。
ドライブ中に駐車場などで仮眠した際に、街灯の光が気になった経験のある方も多いでしょう。
クルマは四方を窓で囲まれているので、どこかしらから必ず光が入ってきます。月明りに加え、夏場などは日の出も早く、けっきょく寝不足のまま朝を迎えてしまうことも。
整備されたキャンプ場でも案外街灯が眩しく感じることがあるので、寝る環境を整える意味でも目隠しは必要です。
筆者は長期間の車中泊をしていたため、簡易的なカーテンではなく、住宅の断熱材として使用される「スタイロフォーム」(ポリスチレンフォーム)をホームセンターで購入し、フロントガラス以外の窓ガラスを型取りして目隠しを作りました(フロントガラスは一般的なサンシェードを使用)。
スタイロフォームで目隠しを作るメリットとしては、断熱性に優れていることと、防音効果も得られることです。
夜間の冷え込みが強い時期でも、スタイロフォームの目隠しなら車内の温度変化が少なく、快適に過ごすことができます。
快適に車中泊をするためには、季節選びも重要です。
筆者が車中泊で日本一周したのは、4月から6月を中心とした95日間です。
この期間は全国的に見ても暑すぎず寒すぎず、冷暖房がなくても快適に車中泊ができる貴重な季節で、台風などの悪天候のリスクも少ないです。
旅の工夫としては、東北・北海道へ立ち寄る時期を5月下旬から6月に設定した点で、そのため雪はすでに溶けており、サマータイヤで走り切ることができました。
ただし無理は絶対にやめましょう。
車中泊可能なスポットの多くはアイドリング禁止のためエアコンの使用は不可で、特に真夏や真冬は命の危険を伴うことにもなりかねません。
■「車中泊専用のスポット」があるって知ってた!?
さて、ドライブの途中に立ち寄る車中泊場所として、どこが良いのでしょうか。
安全に快適に車中泊をするには、やはり専用の施設が一番です。
車中泊専用の施設の代表例としては、「RVパーク」と呼ばれる車中泊場所を提供してくれる施設があります。
アウトドアブームに伴い、RVパークも全国に増えてきています。
RVパークでの車中泊のメリットは、やはり安心感です。
施設によっては夜間もスタッフが常駐していたり、他のクルマもみな車中泊が目的ですので、安心して眠ることができます。
トイレやシャワールームも清潔で、女性やお子さんと一緒の車中泊でも清潔に快適に過ごせるでしょう。
また車中泊旅を続けていると、ゴミ問題に困ることがありますが、有料でゴミを回収してくれたり、ポータブル電源の貸し出しサービスなども受けられます。
さらに100V電源の供給も可能なので、屋外での使用に対応した防水・防雨タイプの延長コード(コードリールなど)の用意があるとなお便利です。
RVパークは、道の駅や日帰り入浴施設、キャンプ場などに隣接するケースも多く、そういうところはどこも人気があります。
施設によって設備やサービスは異なるので、サービスの良い施設をリサーチして、事前に予約することをおすすめします。
■万が一の備えのためにも…… 一度は愛車で「車中泊」を経験しておくべき!
車中泊の穴場スポットとして、全国的にはまだ多くはありませんが、日帰り入浴施設の駐車場で車中泊が可能な有料スポットがあります。
入浴券と駐車券がセットになっていることが多く、温泉で旅の疲れを癒しつつ車中泊も楽しむことができるという、実にありがたい場所です。
この手の施設には食堂が併設されていることが多く、夕食も一緒に済ませることができるのも嬉しいポイントです。
また夜間も掃除の行き届いた清潔なトイレを利用できるほか、車中泊用に開放された駐車場には防犯カメラや街灯も多く設置されており、女性一人での車中泊利用もしやすいでしょう。
全国を巡ると、上記のような車中泊を受け入れてくれる施設がない地域もありますが、その場合は事前に車中泊可能かどうかを調べた上で、道の駅などの大型駐車場で車中泊しました。
こういった施設に泊まる際、筆者は防犯面を考慮して大型トラック駐車場の近くに停めるようにしています(ただし大型車専用区画へうっかり停めたりしないよう、くれぐれも注意しましょう)。
大型トラックは昼夜問わず出入りしていて、人の動きがあります。アイドリング音が気にならないようであれば、常に人の目がある大型駐車場付近はおすすめです。
※ ※ ※
車中泊はしっかりと準備をすれば、節約した宿泊費を使って美味しい食事を楽しむなど、手頃な予算でも充実した旅を満喫することができます。
また万が一の災害に遭遇した場合、不意に車中泊でひと晩をしのぐというケースも想定されます。
もしもの時にあわてたりしないよう、まず愛車で車中泊を体験してみるというのも良い防災準備だと思います。
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みんなのコメント
充電はあいているEV普通充電器利用で3時間-5時間でOK
旧車の場合、経年劣化でマフラーに穴が開くなどで、室内に排ガスが入り込む可能性が無いとは言えないからね、エンジンを掛けっぱなしで就寝したが最後、そのまま永遠の眠りについちゃったらシャレになんないよ。