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【F1第19戦無線レビュー(2)】「その努力を誇りに思ってくれ」1年ぶりの実戦で入賞したローソンをチームも称賛

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【F1第19戦無線レビュー(2)】「その努力を誇りに思ってくれ」1年ぶりの実戦で入賞したローソンをチームも称賛

 2024年F1第19戦アメリカGP。トップのシャルル・ルクレールはレース中盤以降も首位の座を守る一方、マックス・フェルスタッペンはハードタイヤに苦戦し終盤はランド・ノリスと激しバトルを繰り広げた。アメリカGP後半を無線とともに振り返る。

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【F1第19戦無線レビュー(1)】メルセデス代表、ペナルティを受けたラッセルを庇うも「完全にジョークだ」と不満

 レース中盤、スタートで4番手から一気に首位に上がったシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に11秒余りの大差をつけていた。

25周目
ブライアン・ボッツィ:このペースで、あと何周行ける?
ルクレール:まだ大丈夫だけど、プランCに集中しよう。

 フェラーリのプランCは、最初のスティントをできるだけ引っ張っての1回ストップ作戦だったのだろう。ルクレールは26周目にピットに向かい、ハードタイヤに履き替えた。

 その1周前にピットインし、結果的にカルロス・サインツ(フェラーリ)にアンダーカットされたフェルスタッペンは、交換したばかりのハードタイヤに不満を漏らした。

フェルスタッペン:左フロントタイヤがすごく悪い。
ジャンピエロ・ランビアーゼ:わかった。

 フェラーリがワン・ツー体制を構築する一方で、4番手のランド・ノリス(マクラーレン)は何とか3番手フェルスタッペンを追い落とそうとしていた。

30周目
ウィル・ジョゼフ(→ノリス):僕らは今、ドイツシチュエーションだ。

 ドイツシチュエーション(German Situation)が具体的に何を意味するのか不明だが、2021年のロシアGPでも彼らは同じ表現を使っている。いずれも直後にピットインしていることから、コース復帰後の順位やライバルとのギャップを指す隠語と思われる。

 36周目、19番グリッドから7番手まで順位を上げていたリアム・ローソン(RB)がミディアムタイヤに履き替え、角田裕毅(RB)の前でコース復帰した。

36周目
エルネスト・デジデリオ:リアムがピットインしてる。ミディアム新品で僕らの前に出るから、そのまま行かせよう。
角田:ちょっと待ってくれ。どういうことなんだ? 何が起きたのか、教えてくれ。

 10番グリッドから8番手まで順位を上げていたのに、19番手スタートのローソンに先行されてしまった。角田にしてみれば、わけがわからなかった。

デジデリオ:もう1台が予想以上にパワフルで、アルボンを押し出したことで5秒ペナルティも科されたんだ。

「もう1台」とは、ローソンのことか。そして角田はアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)をかわした際に押し出したとして5秒ペナルティを言い渡され、入賞の可能性はほぼなくなった。

 一方フェルスタッペンは、ハードタイヤに相変わらず手こずり続けていた。

37周目
フェルスタッペン:このタイヤ、全然ダメだ。まともにブレーキもできないし、アタックもできない。

 ノリスがピットインした31周目に6秒以上あったマージンは、37周目には3秒3、38周目には2秒7と、どんどん詰められていた。DRS圏内に入った44周目以降は、激しいバトルが繰り広げられた。そして52周目のターン12で、ノリスはコースオフしながらフェルスタッペンを抜いていった。

52周目
フェルスタッペン:押し出して、前に出て行った!

ノリス:エイペックスで、僕が前だったと思う。
ジョゼフ:そう。確かにエイペックスで、君が前だった。

フェルスタッペン:順位を譲るべきだ

 映像を見れば、ノリスはエイペックスで先行できていないのは明らかだった。譲らないまま周回を続けたノリスに、5秒ペナルティが下った。

56周目
トム・スタラード:オスカー、ランドが5秒ペナルティを受けた。なので1秒、バックオフしてくれないか。1秒だ。

 もしオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が今のペースで走り続けると、ノリスはピアストリの後ろの5位でレースを終え、フェルスタッペンとの点差はさらに開いてしまう。そこで「ペースを落とせ」と指示が飛んだのだった。

 レースはそのまま、フェラーリ1-2で幕を閉じた。

ボッツィ:また勝ったぞ。
ルクレール:レッツゴー!

クリスチャン・ホーナー代表:よくやった。素晴らしい運転だった。第2スティントは特に戦闘力がなかったのに、あそこまで走り切ってくれた。十分に表彰台に値する走りだったぞ。
フェルスタッペン:厳しいレースだったよ。順位を守ろうと、あらゆることをやってみた。楽しかったよ。

ノリス:5秒ペナルティなの?
ジョゼフ:コースオフしてアドバンテージを得たという判定だ。
ノリス:あそこで順位を譲るべきだったね。だろ?

 このペナルティがなければ、表彰台はノリス。フェルスタッペンとのポイント差も、縮まっていたはずだった。チームの方でしっかり判断して、譲れと指示して欲しかった。そんな無念な思いが、ノリスの口ぶりから窺えた。

スタラード:オスカー、最終ラップ(の減速)、ありがとう。
ピアストリ:大丈夫だよ。なかなか、めんどくさいレースだったね。とにかくペースがなかった。

 そしてローソンは復帰戦を、9位入賞で飾った。

ピエール・アムラン:よくやった、リアム。最高のデビューじゃないか。この数カ月やってきたことは、この日のためだったね。その努力を、誇りに思ってくれ。
ローソン:ありがとう。できることはすべてやったよ。

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