ここ数年、プレミアム化とSUVブームのネガティブ・インパクトを、目いっぱい被ったセグメント、それがBセグメント・ハッチバックである。街で持て余さないサイズと、5人が乗ってかつ荷物も積める実用性、スポ―ティなスタイルとキビキビした走りが、元々はこのクラスの売りだった。
しかし近年は、製造コストや環境意識の厳格化もあって、最初からレンタカー需要狙いのしょっぱい仕立てか、意識高い系の効能ばかりうたう八方美人か、ラリーの匂いと過激なパワーだけが取柄の少し痛いスポーツモデル、とそんな冴えないモデルばかりのカテゴリーに、Bセグメント・ハッチバックは陥っていた。
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「Bセグメント顧客が今の状況にウンザリしているのは、データとして出ていました。20~30年前のBセグメント・ハッチバックといえば生き生きとしたクルマの代表格で、“生活感はあるけど生きる喜びそのもの”、というイメージでしたから」と、話すのは新型208の開発プロジェクト・リーダーを務めたギョーム・クレルク氏。
続けて、クレルク氏は「プジョー200シリーズの歴代モデルはすべてヒット作ゆえ、今回の新型モデルも責任、やりがいが大きいプロジェクトです。そうしたなかで開発要件を3つ、設定しました。卓越したデザイン性、テクノロジー面の革新性がオーナーにメリットとして目に見えること、さらに新開発プラットフォームを利しての、EV版の導入です」と、述べた。
実車を前にすると、カモフラージュ仕様を写真で見ていたときより数段いい。カタマリ感のある造形ながら、躍動感豊かなプロポーションは、PSAがコンパクト用に開発した最新プラットフォーム「CMP(コンパクト・モジュラー・プラットフォーム)」によって可能になった。
従来のプラットフォーム1より重心を下げたことにくわえ、ガソリン/ディーゼルいずれの内燃機関エンジンを積むだけでなく、バッテリー&モーターによる前輪駆動のピュアEVモジュールをも搭載可能な、“マルチパワートレーン・プラットフォーム”として設計されている点だ。
また、フェンダーのホイールアーチを黒いプラスチックで縁取るのはSUVによくある手法であるが、新型208のそれは、かつての「205GTi」を想起させつつ、艶アリにして非レトロな雰囲気に仕上げている。リアのクオーターウィンドウとCピラー形状、さらに車名が入るところも、205をなぞった演出といえるだろう。
リアに目を移せば、横一文字のガーニッシュは3008以降、5008や508といったプジョーの上位車種に共通するディティールであるが、308を飛び越えて208が採用したナマイキさがこれまた小気味いい。全長4055mm×全幅1765mm×全高1430mmと、サイズこそ拡張されたものの、そもそも現行208が4mアンダーと今どきのBセグメント・コンパクトにしては小さいから、常識的なサイズになったといえる。なお、ホイールベースは2540mmと同一だ。
内装のデザインもエクステリアとおなじくいい意味で型破りで、ぶっ飛んでいる。横長ワイドなタッチパネルはダッシュボードのうえに、ドライバー側へチルトして据えつけられ、その下には3008などでおなじみのトグルスイッチが並ぶ。
小径ステアリングの上からメーターパネルを視認するプジョー独自の「i-コクピット」も備わる。メーターパネル自体もハイグレードではすべて液晶化される。しかもその表示は、3D効果によって走行速度など最優先情報を手前に、2次的な情報を後方へと、奥行きをもって効率的に表示することも出来る。表示情報のプライオリティとトリアージが効いているのだ。
直接にして最大のライバル、ルノー「クリオ(日本名ルーテシア)」が2020年からハイブリッドモデルの追加を予定しているのとは対照的に、プジョー208は2020年より100%のEVバージョンをラインナップにくわえる。2019年後半に予定される欧州ローンチの当面は、直列3気筒1.2リッターターボエンジン「ピュアテック」の75ps、100ps、130ps仕様。さらにマニュアル仕様のみとなる1.5リッターディーゼルターボエンジン「BlueHDi100」が揃う。
またEV版は「e-208 GT」の名がつく通り、136ps/260Nmのシリーズ最強スペックをラインナップする。バッテリー容量は50kWhかつ、WLPTサイクルの満充電走行距離は340kmとアナウンスされている。バッテリーは、リアシート下にもっとも比重を割きつつ、フロントシート下とセンタートンネルと合わせてH型に搭載する。
PSAの電化プロジェクトを担当するシルヴァン・シュロー氏は次のように述べる。
「208GTという、もっともスポ―ティなグレードをEVとするのは、早い段階で決まっていました。ですが、私たちは208ファミリーの高級版として、EVを位置づけたいのではなく、EVの走行コストが内燃機関に比べ安いこと、さらにスポーツ性でもまったく引けをとらないことを広く知ってもらいたいと思っています。208GTは内燃機関版よりバッテリーがある分、車重はプラス310kgほどありますが、車両重量自体は1400kg台半ばにとどまっていますし、前後重量配分の最適化とサスペンション・ワークによって、プジョーらしく機敏で自在なハンドリングは当然、妥協なく追求しています。0~100km/h加速で8.1秒を実現したように、スポーツ性の指標となったのは、かつての205GTiの(0-100km/h加速8.2秒)です」
驚くべきは、電化の担当者が30年前のホットハッチを指標に掲げている点、さらに引き算から推察される208の軽量さだろう。内燃機関版なら1100kg台前半が予想されるのだ。
新しい208は、長らく忘れ去られていた、Bセグメントのコンパクト・ハッチバック本来の魅力を、高い熱量で訴えかけてくる1台といえそうだ。
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