2023年9月7日、スバルはレヴォーグ派生クロスオーバーSUV、「レヴォーグレイバック」の先行受注を全国のスバルディーラーで開始した。これまでもベストカーWebでお伝えしてきた注目モデルの詳細をお伝えしよう。
文/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、写真/中里慎一郎、スバル
レヴォーグレイバックついに登場!! 伝統のアウトバック並みの人気爆発なるか? 全国受注が本日スタート!
■レヴォーグからただ車高を上げただけではないレイバック!
ついに誕生したレヴォーグレイバック。クロスオーバーSUVらしくブラックの樹脂パーツがいたるところに装着されている
まずはレイバックのボディディメンションをみていこう。レイバックは全長4770×全幅1820×全高1570mm、ホイールベース2670mmとベースとなったレヴォーグから全長で15mm、全幅25mm、全高で70mmサイズアップ。また、SUVモデルのキモとなる最低地上高はレヴォーグから55mmアップの200mmとなり、悪路走破性を大幅に向上させている。
パワートレーンはCB18型直噴1.8L水平対向DOHCターボを採用する
パワートレーンは直噴1.8L水平対向4気筒DOHCターボのCB18型ターボ(最高出力177ps/最大トルク30.6kgm)のみで、グレードは「Limited EX」のワングレード展開となる。
エクステリアでのレヴォーグとの違いはまず車高アップなのだが、フロントマスクの造形もレイバック専用となっている。レヴォーグよりもフロントグリルが大型化され、サテンメッキを採用して上質感を向上。バンパーのフォグランプベゼル回りの処理もレヴォーグとは異なった専用タイプとなる。
レヴォーグレイバックのリアスタイル。ベースとなったレヴォーグから最低地上高55mmアップの200mmとなっている
また、何といってもレイバックでSUVらしさを際立たせているのはフロントとリアのフェンダーに装着されている黒の樹脂パーツであるクラッディングだ。ほかにもサイドスカートやリアバンパーもレイバック専用タイプのものとなる。加えて、18インチアルミホイールはレイバック専用デザインを採用し、ドアミラーについても新形状のものが採用されている。
レヴォーグレイバックのインパネ。レヴォーグとは違ったカッパー色の差し色がシートなど各所に配置されているのが特徴だ
インテリアでは、カッパー色(銅)のステッチをアクセントに配色し、フロントシートもレイバック独自の改良が施されており、座面の土手の高さが最適化され、クッションパッド部にはインサートワイヤが追加され、サポート性とホールド性を向上させている。
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■サブネームのレイバックは「くつろぎ」と「ゆったり」の意
「LAYBACK」はlaid back(くつろぐ、ゆったり)の意味を語源としたネーミング
そもそもサブネームの「LAYBACK」(レイバック)とは、「くつろぐ」「ゆったり」「リラックスできる」といった意味の「laid back」を語源とした名だ。ゆとりのある豊かな時間、空間を大切にする気持ちが、そのネーミングには込められているという。
このレイバックはそのままデザインコンセプトにも採用されており、外装ではベースとなったレヴォーグの引き締まった佇まいに優雅さをプラスした「凛と包」をテーマとし、内装ではカッパー色でコントラストやアクセントを際立たせた彩のある豊かな空間をテーマとしている。
レヴォーグレイバックの開発を担当した小林正明PGMによれば、4つの価値をレイバックには込めているのだという
そのうえでレイバックの開発主査であるPGM(プロジェクトジェネラルマネージャー)のスバル商品企画本部の小林正明氏はこのレイバックについて、次のように語っている。
「レヴォーグの持つ“ワゴン価値”を“自在性”へ昇華し、『上質さ』を加えた4つの価値を持つ新型SUVとして開発しました。具体的には、スバルにも他社にも存在しなかった『ちょうどいいクルマ』を目指していたのです」
これはどういうことかといえば、従来のステーションワゴンモデルであるレヴォーグの持つ「先進安全」「スポーティ」に加え、新たに「先進性」と「上質さ」を狙ったレイバックならでの提供価値にある。
■レヴォーグの持つ「ワゴン価値」に「上質さ」と「先進性」をプラス!
レヴォーグレイバックにはあえて従来のスバルSUVには薄い「都会的イメージ」を訴求しているのだとか
続いて、レイバックが市場投入されることになった戦略についても触れておきたい。まず、レイバックのポジショニングとして従来のスバルSUVに根強いイメージの「アウトドア」ではなく、「都会的イメージ」を狙ったモデルであることがひとつ。具体的には、旧型XVユーザーやアウトバック、フォレスターといったモデルに移行できないユーザー、レヴォーグにプラスαの付加価値が欲しいユーザーをターゲットとしている。
液晶ディスプレイはレヴォーグではEXグレードを選択しないと採用されていないがレイバックは標準装備としている
ふたつ目が充実した装備ながら手を出しやすい価格設定とすること。標準で最新版アイサイトXにフル液晶モニター+12.3インチディスプレイを装備し、さらに高品質なオーディオであるハーマンカードンサウンドシステムを標準装備しながら、ベースのレヴォーグからの値上げを最小限にとどめることでコスパを向上している。
レイバックは225/55R18サイズのオールシーズンタイヤを採用し、レヴォーグGT-H EXの225/45R18よりも大径化されている
3つ目がレイバック独自の価値として、レヴォーグ譲りのスポーティさはそのままにSUVとして背反する操安性と乗り心地を兼ね備えていること。つまり、レヴォーグ譲りのクイックな応答とハンドリングの遅れの少なさだけでなく、収まりのよさと振動の少なさを両立させたモデルとしてオンリーワンを目指している。ちなみにタイヤサイズは225/55R18でオールシーズンタイヤを採用し、レヴォーグGT-H EXの225/45R18よりも大径化されている。
レイバックはベースのレヴォーグと同じくレガシィアウトバックと同等の561Lのラゲッジ容量を持っている
そして、最後の4つ目がワゴンならではの収納性に走破性を加えたこと。ベースのレヴォーグから最低地上高を55mmアップさせた200mmとしながら、レヴォーグそのままの収納力(VDA方式でラゲッジ容量はレガシィアウトバックと同等の561Lをキープ)を持ち、なおかつダンパー&コイルはレイバック専用チューニングを施し、1.8Lターボのスポーティさはそのままだ。
■ADASもアイサイトXにクロストレック以降の広角単眼カメラを追加
クロストレックから採用された広角単眼カメラがレイバックにも採用されている
スバル車のアイデンティティともいえる先進安全装備も抜かりはない。クロストレック以降、インプレッサにも採用された広角単眼カメラをアイサイトXに追加採用し、横断自転車への対応可能速度を拡張し、対歩行者巻き込みにも対応したほか、交差点での衝突回避性能が強化されている。
また、今回レイバックがターゲットとしているのは都会派SUVとして絶大な支持を得ているハリアーだ。この購入層を取り込もうと、レイバックは、平日は子どもの送り迎えや買い物など往復10km以内の近場で運転することが多く、休日には往復20~30km、時には往復50km以上の遠出をする30~60代のファミリー層を想定しているのだという。
フロントシートにもレヴォーグとは違うカッパー色のアクセントカラーが入る
レイバックが誕生してきた経緯にはスバルSUV群のラゲッジ容量の微妙な差異があることはこれまでも何度か報じてきたが、まさにユーザーの声から生まれてきたのが今回のレイバックだ。
気になるレイバックの価格だが、現時点ではスバルからは正式なアナウンスはされていない。しかし、ベースとなるレヴォーグGT-H EXの価格が370万7000円であることから、レヴォーグレイバックLimited EXの予想価格は、最新版アイサイトXや液晶カラーディスプレイにハーマンカードンサウンドシステムまで標準装備化されていることから、390万円台だと予想される(※実際、都内ディーラーに調査したところ、その価格は税込み399万3000円であることが判明した)。
いよいよお披露目されたレヴォーグレイバック、その正式発表は10月26日からの「ジャパンモビリティショー」となる可能性が高そうだが、今後もその動向から目が離せそうにない!
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みんなのコメント
田舎臭くてカッコ悪い酷いデザインだからね。