パーツを入れ替えたがための面倒な作業
グンゼ(現GSIクレオス)製ハイテックモデルのジャガーEタイプを作っていこうじゃないかというこの連載、前回はボディを前後に切り分け、後側の形状を修正するという作業をしたが、今回は前側の作業に移る。
サンダーバード+コルベット=エンジン再現!?アニュアル3年目に訪れた変化【アメリカンカープラモ・クロニクル】第8回
【画像22枚】地道…と言うよりは思慮足らずの堂々巡りな工作の様子を見る!
と言っても、前側の形状を修正する訳ではない。いや、前回も言ったように後半とドアの面をつなげるという形状修正をしなければいけないが、それはまだ先の話だ。前側の作業として必要だと考えたのは、まずバルクヘッドとフレームおよびシャシーのすり合わせ、そしてバルクヘッドのディテールの作り込みである。
バルクヘッドは、メタル製フロントフレームとの合いなど元々考えられていない廉価版のプラ製パーツを使用しているので、そのすり合わせが必要となるわけだ。すでに、最前面となる部分にプラ板を貼ってボリュームを増しているのだが、これだけでは不十分である。実車のフロントフレームはバルクヘッドにはもちろんボルト留めされているので、模型でもフレームの後端とバルクヘッドがぴったりくっつかないといけない。ところが現状では隙間が空いてしまっているのである。これは上部のフレームレールではなく、下側の、斜めに張り出す形となっているフレームレールのことだ。
また、当該フレームレールは、シャシーにモールドされたバルクヘッドパーツのストッパー(位置決めガイド)の上に乗っかるように、このキットでは設計されている。ところがもちろん、実車にはこんなストッパーは存在しない。そこで作例では、このストッパーは削り落としてしまいたいのだが、そうすると、バルクヘッドの位置決めを他の手段で行っておかなくてはいけない。これをどういう風に行うか、というのが、さほど難しいことではないものの、少々悩みの種でもあった。
一方、バルクヘッドのディテールを作り込みしなくてはいけない、というのは……以下、ちょっと話が長くなるが注意深く読んでいただきたい。まず、キットのボディは上下に分かれているので、ドアの前と後ろにシャシー(と言うより下側ボディ)との継ぎ目が出てしまう。ところがやはり、実車にはこのような継ぎ目はない。いや、実際にはあるのだが、ハンダか何かで埋められているのであろう(特に前側は、個体によってはうっすら継ぎ目が見える場合がある)。私はこの問題を解決したいのである。
解決するにはどうするかというと、これが前回書いた「開閉が目的ではないがドアを一旦切り離す」ということにつながる。つまり、ドアを一旦別パーツにしておいて、その前後のボディパーツをシャシーに先に接着して継ぎ目を消し、最終組み立ての段階でドアを取り付ける、という方法を構想している訳である。ドアを一旦切り離しておく、というのは省略して、継ぎ目だけ先に消しておく、という方法でもよいかもしれないが、そうすると室内の組み立てがちょっと難しくなるだろう。
これが実は、「Eタイプは本当はクーペの方がカッコイイんだけどな」と思いながらも、このキットをロードスターのまま作っている理由である。クーペでは屋根がある分、この作り方は相当難しくなるはずだからだ。もっとも、エレールのEタイプ・クーペもいずれ同じような方法で作ってみたい(レベルはボディの形がおかしいのでパス)とは思っているのだが……。
メタルパーツのまま細部を作り込むよりいくらか楽、とは思うものの
で、ドア前側のスカットル部から側面にかけて(実車のパーツでは「バルクヘッドトップパネル」および「バルクヘッドサイドパネル」、ということになるらしい)をシャシーに先に接着するとなると、バルクヘッドのパーツをどうするか、というのが問題になってくる。ここはあくまで別パーツのままにしておいて後から取り付けるか、それとも先にここもボディ/シャシーと一体化するか……。色々考えると、これはやはり先に一体化しておくのが良いだろうと思われる。
とすると、バルクヘッドには諸々のディテールが不足しているので、ボディとの一体化の前に、それを先に作っておく必要が出てくる。「諸々のディテール」とは何かというと、前方に張り出した部分の×型のプレスや、ウォッシャーボトルおよびブレーキサーボが付く部分などの段落ち状プレス、スロットルリンケージが通る部分の四角い切り欠き、そして配線類が通る無数の孔などだ。特に、×型のプレスは位置が下なので、先に作っておかなくてはいけない。
……といった具合いに考えていた訳なのだが、このバルクヘッドをどうやって位置決めしようかと悩んでいたところ、「先にボディと接着してしまえばいいじゃん」とやっと閃いたので、今回ここを接合してしまった。そして、これによって各種のすり合わせがし易くなったので、それをササッと済ませて、今述べたようなディテールの作り込みを行おうと考えたのである。
考えたのであるが、意外とすり合わせ作業が難航してしまい、ディテールの作り込みまで今回は辿り着けなかった。それで今回は、今までとあまり変わり映えしない画像が並んでしまう、という仕儀となったのである。これ全て、私の作業があまりに適当であったためなのだが、どう適当だったのかは、画像とキャプションをご参照いただきたい。
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みんなのコメント
このキットを床面に置き、全体重を掛けて上から思いっきり踏みつけるのだ!
これで、今後一切悩むことは無くなるよ