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レッドブルvs跳ね馬ルクレールの“ヒリつく”極上バトル……フェルスタッペンが逆転で18勝目。角田裕毅は序盤のジャンプアップ活かせず|F1ラスベガスGP決勝レポート

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レッドブルvs跳ね馬ルクレールの“ヒリつく”極上バトル……フェルスタッペンが逆転で18勝目。角田裕毅は序盤のジャンプアップ活かせず|F1ラスベガスGP決勝レポート

 2023年F1第22戦ラスベガスGPの決勝レース(50周)が、現地時間11月18日(土)にラスベガス・ストリップ・サーキットを舞台に行なわれた。優勝したのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)で、今季18勝目だった。

 F1とそのオーナー企業であるリバティメディアが主催者となり、巨額の投資を行なって開催にこぎつけたラスベガスGP。同地では1980年代に高級ホテル”シーザーズパレス”の駐車場を使った臨時のサーキットでグランプリが開催されたことがあるが、今回はそのシーザーズパレスなどが立ち並ぶカジノ街を使った新規のストリートコースでレースが行なわれた。

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 グランプリは初日から異例の事態が起こった。FP1でコース上にある送水バルブの蓋が外れてしまい、その直撃を受けたカルロス・サインツJr.(フェラーリ)とエステバン・オコン(アルピーヌ)のマシンがシャシー交換が必要なほどのダメージを受けたのだ。その結果FP2は2時間半遅れの深夜2時半からの実施となり、その前に観客が全員追い出されてしまったことも物議を醸した。

 そんな事件はあったものの、予選、決勝は無事開催された。予選で速さを見せたのはフェラーリ勢で、シャルル・ルクレールが今季5度目のポールポジションを獲得。サインツJr.も2番手につけたが、彼は前述のFP1で負ったダメージによりエナジーストアを交換したため、10グリッド降格で12番手スタートとなった。そのためフロントロウ2番グリッドには、フェルスタッペンが並んだ。なお角田裕毅(アルファタウリ)はQ1でトラフィックの影響もありアタックをまとめられず、最後尾から追い上げを目指すこととなった。

 決勝のスタートタイヤは上位陣をはじめ、大半がミディアムを選択。角田は少数派のソフトタイヤスタートとなった。なおピレリの推奨では2ストップだけでなく、1ストップも可能とされていた。

 スタートではフェルスタッペンがルクレールに並びかけ、ターン1ではルクレールをコース外に押し出すような格好で前に出た。フェルスタッペンは先頭に立ったとはいえ、この動きについては後に5秒のタイムペナルティという裁定が下った。

 中団では複数の接触があり、スピンしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に引っかかる形でバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、セルジオ・ペレス(レッドブル)が玉突き的にぶつかった。サインツJr.もスピンした。その間をかいくぐり、角田は12番手までジャンプアップした。なおパーツ回収のためバーチャルセーフティカー(VSC)が出された。

 3周目にランド・ノリス(マクラーレン)がターン12でクラッシュしたことにより、セーフティカー(SC)が出動。このタイミングで、数少ないソフトタイヤスタートだったランス・ストロール(アストンマーチン)がピットインしてタイヤ交換の義務を消化した一方、同じくソフトスタートでポイント圏内まで上がっていた角田はステイアウトした。

 フェルスタッペン、ルクレール、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)というオーダーで7周目にレース再開。10番手だった角田は全くペースが上がらず、後続に次々とオーバーテイクを許して10周終了時にピットインし、ミディアムタイヤに交換した。

 トップ争いでは、ペナルティを受けることが決まっているフェルスタッペンがルクレールとのギャップを広げていくかと思われたが、一度開いた差がみるみる縮まっていく。16周目にはルクレールがフェルスタッペンをオーバーテイクし、抜かれたフェルスタッペンはそのままピットに向かった。

 この辺りから、上位陣を筆頭に多くのマシンが1回目のタイヤ交換を行なった。ルクレールは21周目にピットインしたことで、序盤のVSCやSCの間にタイヤを交換していたペレス、ストロールに次ぐ3番手となった。

 その後方ではラッセルにペナルティを消化し順位を落としていたフェルスタッペンが迫った。しかし25周目のターン12で、フェルスタッペンがラッセルにオーバーテイクを仕掛けた際に2台は接触。パーツがコース上に散らばった。この接触はラッセルに非があるとして、5秒ペナルティが出された。

 これにより2度目のセーフティカーが出動。タイヤのマイレージがかさんでいたペレスやストロール、そして接触のあったフェルスタッペンらが続々とピットレーンに飛び込んでいった。これで上位はルクレール、ペレス、ガスリー、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、フェルスタッペンという順となり、29周目にレース再開を迎えた。

 ルクレールはペレスを従えてトップをキープ。再開直後のターン5では、ピアストリがガスリーのインに飛び込みオーバーテイクした。予選では19番手(18番グリッドスタート)に沈んだものの、決勝では上位陣と同等のレースペースを見せていたピアストリが、表彰台圏内の3番手まで上がってきた形だ。

 その後は、ラスベガスのメインストリートを駆け抜けるロングストレート、“ストリップ”のストレートエンドを舞台にレース展開が動くこととなる。まず32周目にペレスがルクレールを交わしてレースリーダーに立つと、35周目にはルクレールが抜き返して再びトップに。しかし5番手だったフェルスタッペンが猛然と追い上げ、36周目にペレス、37周目にルクレールを追い抜いてトップの座を奪った。

 フェルスタッペンはトップの座を守り、チェッカーを受けて今季18勝目。レッドブルにとっても21戦中20勝目となった。また通算勝利数でも53勝目となり、セバスチャン・ベッテルの記録に並んだ。これでルイス・ハミルトン(103勝)、ミハエル・シューマッハー(91勝)に次ぐ歴代3位タイとなった。

 2位争いは、ルクレールが残り8周のターン12でミスを犯したことでペレスに軍配が上がったかと思われたが、最終ラップのストリップエンドでルクレールが抜き返し、2位を奪取。0.171秒という僅差でペレスを振り切り、レッドブルのワンツーを阻止した。

 4位はオコン、5位はペレス同様SCの恩恵を受けたストロールが入り、サインツJr.は6位だった。以下ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ラッセル、アロンソ、ピアストリまでがポイントを獲得した。ピアストリはハード→ハードと繋いでいたためタイヤの使用義務を消化しておらず、レース終盤に2度目のピットストップを行ない、ミディアムタイヤに交換。これで一時は入賞圏外までポジションを落としたが、ファステストラップも更新する走りで順位を上げ、10位1ポイントとファステストラップのボーナスポイント1点を手にした。

 角田は最初のピットでポジションを落として以降、終始最後尾付近でのレースを強いられた。終盤はペースが持ち直した場面があったものの、残り数周でトラブルが発生し、コース外にマシンを停めてレースを終えた。

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