2021年シーズンも世界各地で20戦を越えるグランプリレースを開催するF1世界選手権。ここでは各サーキットのポールポジション記録、優勝記録を紐解きサーキット別“現役”マイスターは誰かを紐解いていきたいと思う。
今回は2021年第12戦ベルギーGPの舞台であり、1950年から2020年までに通算66回開催されたベルギーGPのうち、54大会の舞台となったスパ・フランコルシャン。1999年から2020年までの過去20大会の記録を中心に、“現役スパ・マイスター”は誰なのかを解き明かしてみよう。
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グランプリレースがF1と呼ばれる以前、1925年からベルギーGPの舞台であるスパ・フランコルシャン。ベルギーGPは首都ブリュッセル南方にかつて存在したニヴェル・ボレール、北東部のゾルダー、そして南東部のスパの3カ所で通算66回が開催されたが、スパでの開催は54回と最も多く、F1開催地の中でも人気の高いサーキットのひとつだ。時代の変化に合わせ、幾度となくコースレイアウトの変更を経たものの、現在も西ヨーロッパを代表するモータースポーツの歴史と伝統を紡いできたチャレンジングコースとして広く知られている。
それではまず、予選の記録を見てみよう。スパでは過去20大会で12人のポールシッターが誕生している。現役ドライバーではキミ・ライコネン(アルファロメオ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)の4名だ。なお、コンストラクターではメルセデスが7回と最多であり、スパでもその強さを発揮し続けていることがうかがえる。
決勝ウイナーは過去20大会で8人だ。そのうち、現役のドライバーはライコネン、ハミルトン、ベッテル、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、ルクレールの5名となる。現役ドライバー最多勝は2004年、2005年、2007年、2009年を制したライコネンと、2010年、2015年、2017年、2020年を制したハミルトンという、ワールドチャンピオン経験者がそれぞれ4勝を記録しており“現役スパ・マイスター”の座に就いている。
なお、1950年のF1初年度から見てみると、スパ・フランコルシャン最多勝はミハエル・シューマッハーの6勝。その記録に5勝を記録して続くのはアイルトン・セナだ。2021年大会はハミルトンとライコネンが、アイルトン・セナの記録に並ぶことができるかという点も注目したいところだ。
そして、下記の表を見てもわかる通り、過去15大会に絞ってみると、スパで連勝を記録したドライバーがいないということに気づかされる。2004年、2005年(2006年は開催なし)、2007年大会を3連続で制したライコネン以降、連勝を記録したドライバーはおらず、これは近年のスパのジンクスのひとつとなっているようだ。
この“ジンクス”が今年も当てはまるとすれば、2020年のウイナーであるハミルトンの勝利は厳しいということになるが、“ジンクス”に対しハミルトンがいかに挑み、いかに跳ね除けるかという点にも注目したいところだ。
過去20大会のうち、ポール・トゥ・ウインは10回、割合にして50%と高くはないが、過去5大会に絞れば80%という突出した高い数字となっている。それは決勝のコンディションにも左右されている所以だろうか。“スパ・ウエザー”と呼ばれるドライからウエットへと急激にコンディションが変化するスパ独特の気候がレースに大きな変化を与えることもスパの名物でもあったが、過去20大会の決勝で雨が降ったのは2005年、2008年、そして2010年3大会だけだ。2014年、2018年に予選でウエットコンディションとなることはあったが、決勝は好天に恵まれ続けている。
WEC世界耐久選手権やスパ24時間レースでは昨今も“スパウエザー”がレースをより厳しいものにし、多くのドラマを生み出してきた。しかし、F1に限って言えば、天候に恵まれた大会が続いているのだ。2021年大会も好天に恵まれて欲しいところではあるが、もし、ウエットでのレースとなれば“スパウエザー”が生み出す、誰にも予想できない厳しい状況下での戦いとなり、ハミルトンとマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が繰り広げるタイトル争いにも大きな影響を与えることになるだろう。観戦にあたり、レースウイーク中は天候の変化にも注視しておく必要がありそうだ。
2021年第12戦ベルギーGPは8月27~29日に開催される。夏から秋へと季節も徐々に変化を迎える中、F1では引き続き“暑く”、そしてコンディションに関わらず“熱い”レースが繰り広げられることになりそうだ。
■F1ベルギーGP 歴代PP&優勝記録(1999~2020年/編集部集計)
開催年PPドライバーPPコンストラクター優勝ドライバーコンストラクター1999ミカ・ハッキネンマクラーレン・メルセデスデビッド・クルサードマクラーレン・メルセデス2000ミカ・ハッキネンマクラーレン・メルセデスミカ・ハッキネンマクラーレン・メルセデス2001ファン・パブロ・モントーヤウイリアムズ・BMWミハエル・シューマッハーフェラーリ2002ミハエル・シューマッハーフェラーリミハエル・シューマッハーフェラーリ2003開催なし開催なし開催なし開催なし2004ヤルノ・トゥルーリルノーキミ・ライコネンマクラーレン・メルセデス2005ファン・パブロ・モントーヤマクラーレン・メルセデスキミ・ライコネンマクラーレン・メルセデス2006開催なし開催なし開催なし開催なし2007キミ・ライコネンフェラーリキミ・ライコネンフェラーリ2008ルイス・ハミルトンマクラーレン・メルセデスフェリペ・マッサフェラーリ2009ジャンカルロ・フィジケラフォースインディア・メルセデスキミ・ライコネンフェラーリ2010マーク・ウェバーレッドブル・ルノールイス・ハミルトンマクラーレン・メルセデス2011セバスチャン・ベッテルレッドブル・ルノーセバスチャン・ベッテルレッドブル・ルノー2012ジェンソン・バトンマクラーレン・メルセデスジェンソン・バトンマクラーレン・メルセデス2013ルイス・ハミルトンメルセデスセバスチャン・ベッテルレッドブル・ルノー2014ニコ・ロズベルグメルセデスダニエル・リカルドレッドブル・ルノー2015ルイス・ハミルトンメルセデスルイス・ハミルトンメルセデス2016ニコ・ロズベルグメルセデスニコ・ロズベルグメルセデス2017ルイス・ハミルトンメルセデスルイス・ハミルトンメルセデス2018ルイス・ハミルトンメルセデスセバスチャン・ベッテルフェラーリ2019シャルル・ルクレールフェラーリシャルル・ルクレールフェラーリ2020ルイス・ハミルトンメルセデスルイス・ハミルトンメルセデス
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