今年1月に話題を呼んだソニーの電気自動車が日本に上陸
今年1月、ラスベガスで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、ソニーがオリジナルで製作した電気自動車「ビジョンS プロトタイプ」を発表したのを覚えているでしょうか。ついにソニーが自動車製造に進出!? とおおいに注目を集めた、あのコンセプトカーが日本に上陸しました。
CESの終了後、オーストリア・グラーツの開発拠点へ輸送された「ビジョンS プロトタイプ」は、2020年度中の公道走行実験を目指して、車両開発のパートナーであるグナシュタイヤー社らとブラッシュアップしてきましたが、今後は東京で開発されることになり、日本に運ばれてきたわけです。
日本で開発を続けるようになったのはなぜか?
マグナシュタイヤー社は、トヨタ・スープラの生産委託を受けるなど、少量生産では知られた会社です。生産だけでなく、開発能力ももつ、非常に珍しい独立系の自動車会社という見方もできます。
その意味では、ソニーから生産委託を受けて量産することも不可能ではない…かもしれませんが、現時点では「ビジョンS プロトタイプ」はあくまでもソニーが自動車業界に対してサプライヤーとしての実力を売り込むショーケースといえ、今回の東京で進められる開発も、公式発表によれば「センシングやオーディオ技術」といったソニーが得意としている自動車用部品が開発のターゲットとなっています。
センシングの主役は、ソニーが得意としているCMOSセンサー(画像素子)。フロントカメラ、サラウンドビューカメラ、リアカメラ、電子ドアミラー用カメラ、そしてドライビングレコーダーなどなど13個のカメラがボディ各部に置かれています。そのほか、超音波ソナーが12個、ミリ波レーダーが5個、さらに最新の自動運転には欠かせないライダー(LiDAR)が3個搭載されています。
もうひとつのターゲットであるエンターテインメント関連では、臨場感あふれる「360リアリティオーディオ」、インパネの左右いっぱいに配置された「パノラミックスクリーン」がアピールポイントで、こうした部分をさらに磨き上げることが東京に運んできた理由というわけです。
マグナが手掛けたEVは流行りの大容量&高出力バッテリー搭載タイプ
ちなみに、ソニー初の自動車といえる「ビジョンS プロトタイプ」は走行可能で、日本上陸後に駐車場内をスルスルと走る様子が動画で公開されています。この仕上がりぶりは、さすがマグナシュタイヤーと感じるところですが、年内には日本での公道走行実験をスタートすることを目指して開発を進めているそうです。
なお、「VISION-Sプロトタイプ」の主要スペックを見ると、ボディサイズが全長4895×全幅1900×全高1450mm、ホイールベース3000mmとかなりの巨体。大容量のバッテリーを積んでいるようで車重は2350kgとヘビー級。
パワートレインは、定格200kWのモーターを前後に配置したAWDで、最高速は240km/hとアナウンスされています。サスペンション形式は前後ダブルウィッシュボーン。公開されている画像からはエアサスを採用していること、ブレンボブレーキを備えていることも見て取れます。タイヤサイズは、フロント245/40R21、リア275/35R21となっています。
日本で公道実験するからといって市販につながるわけではない
いまから世界中に販売チャネルや車両や部品のロジスティクスを整備することを考えると、ソニーがオリジナルの自動車を販売するというのは現実味がありませんし、そもそもサプライヤーとしてのアピールのために製造されたコンセプトカーという意味合いが強いことを考えると、公道走行実験をするからといって、すぐに市販につながるとはいえません。
初めてのプロトタイプで走行可能なポテンシャルを見せつけられると「ソニーのクルマ」を期待したくなるのが人情というのはいったん置いておくとして、それが叶わなくてもソニーのセンサーやエンターテインメントシステムを搭載した自動運転車を楽しめる未来は、間違いなくやって来るはずです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
走る曲がる止まるというクルマの基本には100年のノウハウが詰まっている。
全く新しいシステムだからこそ過去のノウハウが生きてくる。
そういう風に思った人がいるのは仕方が無いが、自動車ジャーナリストの中で安易にそう思った輩が居るとすれば、それは大きな問題である。
経済系の評論家が自動車産業の知識を全く持たないで、「EVが主流になり難しいエンジン技術が不要になったら参入障壁が下がり、家電と同じ様にコモディティ化する」という誤報を垂れ流して社会の塵と化しているが、それと同レベルという事になる。