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新型レンジローバーに試乗──まさに世界一ぜいたくなSUVといえる出来映え|Land Rover

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新型レンジローバーに試乗──まさに世界一ぜいたくなSUVといえる出来映え|Land Rover

9年ぶりにフルモデルチェンジを受け、日本にも2022年1月に導入されたランドローバー「レンジローバー」。北米カリフォルニア州ナパバレーでの国際試乗会に参加したモータージャーナリスト小川フミオ氏が、その出来映えを確かめた。

LAND ROVER RANGE ROVER|ランドローバー レンジローバー

レンジローバーが9年ぶりのフルモデルチェンジ|Land Rover

フルモデルチェンジを受けた新型レンジローバーに試乗

9年ぶりにフルモデルチェンジを受け、日本にも2022年1月に導入されたランドローバー「レンジローバー」。北米カリフォルニア州ナパバレーでの国際試乗会に参加したモータージャーナリスト小川フミオ氏が、その出来映えを確かめた。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by Jaguar Land Rover Japan

レンジローバー史上初となる3列シート

高級SUVのパイオニアである英「レンジローバー」がフルモデルチェンジした。日本でも2022年1月に発表済みで、以来、興味を強く惹かれてきた。その新型に、4月後半に試乗できた。選ばれた場所は、北米カリフォルニア州ナパバレー周辺だ。

5代目になるレンジローバーの特徴は、標準ホイールベース版とロングホイールベース版が用意され、同モデルとしては歴代初の3列シートが設けられたことがひとつ。

走りのための装備が充実したのは、もうひとつの特徴だ。

プラグインハイブリッド、V8、直列6気筒、ディーゼルなど、パワートレインの選択肢は豊富。加えて、車体のロールや乗り心地を電子制御エアサスペンションを使っての統合制御、狭い場所での取り回しをよくする後輪ステアリングなど、技術的特徴も多い。

さらにもうひとつ。「洗練性とラグジュアリー」を求める多くの購買層の要望に応えるために、室内は広く、静粛性は高く、シートアレンジは多様で、そして色使いや素材など仕上げの趣味性が他に類のない美しさを生んでいる、と私には感じられた。

「削ぎ落とすことがデザインテーマでした」。デザインを統括するチーフクリエイティブオフィサーのジェリー・マガバン氏の言葉通り、なめらかなボディ表面の仕上げが素晴らしいのだ。突起物などほとんどなく、いってみれば徹底的にシンプル。ところが個性がちゃんとある。

新型レンジローバーに試乗──まさに世界一ぜいたくなSUVといえる出来映え|Land Roverレンジローバー D300 MHEVvia Web Magazine OPENERS

さすが、と思わされたのは、プロポーションへのこだわりだ。全長5,052mmのボディを2,997mmのホイールベースの車台に乗せた「スタンダードホイールベース」も、5,252mmと3,197mmの組合せとなる「ロングホイールベース」も、ともにきれいに均衡がとれている。

「ロングホイールベースには3列シートの7人乗りも設定されていて、ルーフの前後長(を長めにする)などの要件もあります。でも、技術部門とデザイン部門とが徹底的に論議と検証を重ねて、スタンダードもロングもどちらかがバランスが崩れているなんてことのない、完璧なパッケージングとスタイルを実現しました」

マーケティング・ディレクターのデイビッド・スティール氏は、試乗会場で、誇らしげに、そう教えてくれた。

加えて印象的なのはインテリア。運転席まわりは、やはりリダクション(削ぎ落とし)を意識したという、マクガバン氏の言葉通りの仕上がりだ。要素が整理されていて、運転に必要な機能と、乗員のためのインフォテイメントシステムが、デザイン的にきちんと切り分けられていて、運転席にいる人も、助手席にいる人も、使いやすい。

インフォテイメントシステムのための13.1インチのモニタースクリーンは目線の移動を考えて、下の方に据え付けられている。ドライバーにとっては、確かに運転中の視線の移動が楽だった。

思わず興奮してしまうほど素晴らしいインテリア

思わず興奮してしまうほど素晴らしいインテリア

新型レンジローバーの真骨頂は、リアシート、ともいえる。新型はとにかく凝っている。いくつもバリエーションがあり、使い勝手に応じて選べるのもメリット。先に触れた通り、サイズの異なるボディが用意されたのはその一例。

新型レンジローバーに試乗──まさに世界一ぜいたくなSUVといえる出来映え|Land Roverレンジローバー SV P530(SWB)via Web Magazine OPENERS

さらに「オートバイオグラフィ」や「SV」といった上級車種は、インテリアが素晴らしい。後席は2人乗りと割り切り、贅を尽くしている。「リアエグゼクティブクラスコンフォートプラスシート」が装備され、センターアームレスト内蔵のコントローラーで、ヒーター、クーラー、マッサージなどが操作できる。

「リアエグゼクティブクラスコンフォートプラスシート」のリクライング機能では最大40度まで背もたれが倒れるうえに、前席に組み込まれている足のせオットマンも使える。後席で長距離移動が多いという人も(世界的に)多いようで、ありがたい機能だろう。

新型レンジローバーに試乗──まさに世界一ぜいたくなSUVといえる出来映え|Land Roverレンジローバー SV P530(SWB)via Web Magazine OPENERS

私は普段、試乗会ではもっぱらステアリングホイールを握る仕事になるので、後席の乗り心地を体験する機会にはそうそう恵まれていない。トヨタ センチュリーも操縦した印象については言えても、後席の居心地になると難しい。という具合。

レンジローバーでは、サンフランシスコ空港から市内までなど、限られた区間であるものの、リアシートの体験ができた。一言でいうと、数多くの面で快適。ドアを開けてのぞき込んだだけで、これな何なんだ、とその仕上げに興奮してしまった。

音が静か(音楽の再生音はいい)、足元のカーペットがふかふかで振動は足裏からもシートからも伝わってこない、シートをおもいきりリクラインさせると、わざわざこの仕様を選ぶエグゼクティブの気持ちが、私にも分かる気がした。

3列目のシートは、標準サイズと謳われるだけあって、ガマンを強いられる窮屈さはない。2列目のシートを電動で動かして大きなスペースがつくれるので、アクセスも楽だ。

とりわけ北米では、子どもたちを乗せてサッカーに出かけるサッカーマミーをはじめ、3列シート車の需要が高いという。レンジローバーでサッカーの練習場に乗りつけるなんて、なんともぜいたく。うらやましいではないか。

内装の仕様は多岐にわたるので、カラーや素材のコンビネーションを含めて設定していくのは、そうとう楽しいだろう。ウルトラファブリックやデンマークのクバドラ社のウール素材など、レザーフリーのインテリアも充実していて、昨今の欧米の富裕層が興味を示す、いわゆるビーガン化(脱レザー化)にも対応している。

当面は4.4リッターV8と3リッターディーゼルのみの導入

当面は4.4リッターV8と3リッターディーゼルのみの導入

ナパバレー周辺で操縦できたのは、4.4リッターV型8気筒エンジン搭載「P530」と、3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンの「MHEV D300」だ。後者はスタート時などにモーターを使ってCO2の発生量を抑制するマイルドハイブリッドである。

面白いのは、エンジンによって、けっこうキャラクターが異なるところ。

4.4リッターV8エンジンは、390kW(530ps)の最高出力と750Nmもの最大トルクを持つ。ごく低回転域から力がたっぷりと感じられ、アクセルペダルを強く踏む必要なく、どんなときもパワフルな加速が味わえる。メーカーによると静止から100km/hまで加速するのに4.8秒しかかからないという。まるでスポーツカーなみだ。

レンジローバーを操縦したときに印象深いのは、揺れるボディだ。足まわりの設定があえてソフトめに振ってあるせいだ。ドイツの高性能SUVに慣れた人だと、最初とまどいがあるかもしれない。でも、ふわりふわりとした乗り心地にはすぐ慣れるし、いったん慣れると、とてもいい感じだ。

ナパバレー周辺のゆるやかなカーブが続く丘陵地帯を流すには、まことに合っている。日本でレンジローバーに興味をもつ人は、多くがこのV8モデルを選ぶとか。誤った選択にはならないだろう。

一方、3リッター6気筒ディーゼルは、日本でのもうひとつの柱だ。221kW(300ps)の最高出力に、650Nmの最大トルクを持つこのエンジンも、かなりよく出来ている。

マイルドハイブリッドシステムのおかげで、発進が実にスムーズ。そのあとはスムーズな回転マナーのおかげで、ディーゼルとは思えないほど気持ちよく加速していける。騒音はまったく気にならない。

もうひとつ、ディーゼル搭載の「D300 MHEV」のよさは、ハンドリング。ノーズが軽めのぶん、動きも軽やかだ。カーブを走るときにすいすいと軽快に右へ左へ、ドライブする私の意思通りに走らせられるし、足まわりの設定とのマッチングもよい。

海外で試乗していると、コウフンしてしまって、何でもよく思えてしまうこともある。でも、新型レンジローバーは、実際に、乗れば乗るのほど愛着が増していくクルマだったので、日本でもきっといろいろな意味で満足度が高いだろう。

新型レンジローバーに試乗──まさに世界一ぜいたくなSUVといえる出来映え|Land Roverレンジローバー D300 MHEVvia Web Magazine OPENERS

ここまで書いてきたように、動力性能と快適装備の充実ぶりで、世界一ぜいたくなSUVともいえる新型レンジローバー。日本では、世界的な部品供給不足などのあおりで、当面、下記のモデル(のみ)が導入されるそうだ。直列6気筒ガソリンエンジン車は販売されない。

・SEディーゼル MHEV D300(3.0リッター 直列6気筒300ps)1687万円

・HSE ディーゼル MHEV  D300(3.0リッター 直列6気筒 300ps)1806万円

・AUTOBIOGRAPHY ディーゼル MHEV D300(3.0リッター 直列6気筒 300ps)2031万円

・SV ガソリン V8  P530(4.4リッター V型8気筒 530ps)2568万円

・SV ロングホイールベース V8  P530(4.4リッター V型8気筒 530ps)2858万円

RangeRover SV P530(LWB)|レンジローバー SV P530(LWB)


ボディサイズ|全長5,258×全幅2,209×全高1,870mm
ホイールベース|3,197mm
エンジン|4395ccV型8気筒ガソリン
最高出力|390kW(530ps)@5500~6000rpm
最大トルク|750Nm@1800~4600rpm
駆動方式|全輪駆動
価格|2858万円



RangeRover D300 MHEV|レンジローバー D300 MHEV


ボディサイズ|全長5,058×全幅2,209×全高1,870mm
ホイールベース|2,997mm
エンジン|2997cc 直列6気筒ディーゼル
最高出力|221kW(300ps)@4000rpm
最大トルク|650Nm@1500~2500rpm
駆動方式|全輪駆動
価格|1687万円



ランドローバーコール

Tel.0120-18-5568(9:00-18:00、土日祝日を除く)

https://www.landrover.co.jp/

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