【第5位】 1987年 ポルシェ 959コンフォート
ポルシェは356や911をベースとして、レースに向けた数々の派生型を送り出してきた。1981年のFIA新車両規定で設けられたグループBカテゴリーの公認を取得するため、初の専用ホモロゲート・ロードカーとして1985年に登場したのが「959」である。
【画像】2023年1-4月のオークションで高額落札されたポルシェ トップ5 全46枚
1980年代のスーパースポーツとして世界中から注目を集め、オーダーが集中したことから最終的にグループB義務生産台数の200台を大きく上回る292台が生産された。
アールキュリアル・レトロモビル・オークションに出品されたポルシェ 959はコンフォート仕様で、パールホワイトの外装にカルティエ・レッドのレザーで仕上げられた内装という特別オーダーの1台だった。
ドイツのオーナーに新車でデリバリーされて以来20年間日常的に使われ、1996年10月の時点で8.5万kmを走行している。
2007年にイタリアのブレッシアに住むオーナーの許に移り、その後初代オーナーをよく知るモナコ在住の愛好家が購入する。
2015年にはブレッシアのポルシェ・ディーラーで総額1万7839ユーロ(約242万円)の重整備を実施。以来ほとんど運転されることなく、現在オドメーターは9万4682kmを示す。
ここ1年のオークションの結果を見ると、低走行でコンディションの良いポルシェ 959は、160-180万ドル、邦貨にして2億円以上で落札されている。
5位に入った959は、走行距離が延びていたことから103万704ユーロ(約1億4726万円)と、最近の相場から見ると2/3程度となる額で落札された。
走行距離こそ延びているが、魅力的なカラー・コンビネーションで、きちんと整備が施されているだけに、走りを楽しむコレクターにはお買い得といえる959となった。
【第4位】 1991年 トラスト ポルシェ 962C(962-166)
959に続いて4位に入ったのは、全日本スポーツカー選手権(JSPC)にトラスト・チームから参戦していたグループCカーの「ポルシェ 962C」だった。
現在のWECに相当するWSPCやアメリカのIMSA GTPなどのスポーツカー耐久レース向けに、956の進化型として1985年に送り出されたのがポルシェ 962だった。
ポルシェ 962は高い戦闘力と優れた耐久性を備え、ロスマンズ・カラーで彩られたポルシェ・ワークスカーはグループCレースを席巻。カスタマー仕様も販売され、レーシング・マシンながら合計93台が製作されている。
アールキュリアル・レトロモビル・オークションに出品されたポルシェ 962Cは、1991年の全日本スポーツプロトタイプ選手権(JSPC)に参戦するために、トラスト・レーシング・チームが新車で購入したシャシーナンバー962-166そのもの。
スティーブン・アンドスカーとジョージ・フーシェにステアリングが託され、JSPCではプライベーターながら健闘し、日産、トヨタのワークス勢に続くシリーズ5位の座を獲得した。
また日本で行われた世界スポーツカー選手権にも挑んでいる。開幕戦の鈴鹿はプジョーやザウバー・メルセデスなどの強豪を相手にアンドスカーとジョージ・フーシェのドライブで総合5位、最終戦のオートポリスでは総合8位入賞を果たしている。
962-166は、日本でのレース活動終了後にドイツに戻りオーバーホールが施されている。その後ベルギーの愛好家が入手し、ヒストリックカー・レースで第2の人生を歩む。
ラグナセカでのロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオンには複数回挑み、欧州で行われているグループCレーシング・シリーズにも積極的に参戦してきた。
欧州で開催されるグループCレーシング・シリーズは近年人気を集めており、隔年で開かれるルマン・クラシックにも参加できることからグループCカーは値を上げている。
今回出品されたポルシェ 962Cは、現役時にクラッシュしておらず、レーシング・マシンとしては珍しくオリジナル度が極めて高いことが特徴だ。またすぐ参戦できる状態に保たれていることも美点だ。
事前に主催者が発表した予想落札額は90-130万ユーロだった。最終的に107万280ユーロ(約1億5234万円)とグループCカーの人気を裏付ける額で落札された。
【第3位】 2005年 ポルシェ・カレラGT
高額落札車の3位に滑り込んだのは、959に続く限定版のスーパー・ポルシェとしてコレクターから評価されている「カレラGT」だった。
ポルシェ・カレラGTは、極秘のF1パワートレイン計画、ル・マン・プロトタイプのシャシーが原点にある。2000年のパリ・ショーにコンセプトカーとして姿を現し、2003年のジュネーブ・ショーで正式に発表された。
レーシング・マシン直系だけに、CFRP製のモノコックタブの前後にサブフレームで構成。サスペンションはプッシュロッド式のダブルウイッシュボーンを備える。
ミッドに搭載されるのは挟角68度の水冷V型10気筒DOHC自然吸気ユニットで、5733ccの排気量から612psを発揮。ここに6速MTという組み合わせだった。
このように性能を追求したカレラGTは、最後のアナログスーパーカーといえた。6MTのみの設定で、最小限のドライバーズエイドしか持たぬ硬派な仕立てが特徴だった。
当初1500台が作られる予定だったが、最高の性能を備えるものの当時の販売価格で約5000万円と高価だったため、最終的に生産されたのは1270台に留まる。
ランキング3位に入ったカレラGTは、RMサザビーズ・アリゾナ・オークションに出品されたもので、シリアルナンバー825のアメリカ仕様車。
シールグレーのボディカラーにテラコッタレザーの内装という組み合わせを持つ。ポルシェオンラインプロCDラジオ、ラゲージバック一式などのオプションを備える。
新車でアメリカにデリバリー後アメリカを離れることはなく、出品時の走行距離は1万2921マイル(約2万674km)だった。
MTのみの設定でスタイリングも色気に乏しいカレラGTは、フェラーリのように高騰することはなかった。近年の最高値は2022年に走行182マイル(約291km)の新車同様車が220万ドル(約2億6180万円)だった。
事前に主催者から発表された予想落札額は120-140万ドルで、ここ1年の相場といえる額だった。最終的に順当といえる124万2500ドル(約1億6215万円)で落札された。
【第2位】 1987年 ポルシェ 959コンフォート
コレクターズカー・オークションにおいて邦貨換算で1億円以上の高額で落札されるモダーン・ポルシェのロードカーといえば、959とカレラGTがほとんどとなる。
911系は量産モデルだけに、よほどの条件が揃わないと1億円を超えることはないが、近年では73カレラ・ライトウェイトなどの何台かが1億円の壁を越えてきた。
911ファミリーの中でもレーシング・マシンの935は別格で、2015年ごろから1億円オーバーの存在となり、最高で485万ドル(約4億8985万円)で落札されている。
2位となった「959コンフォート」はRMサザビーズ・アリゾナ・オークション出品車で、グランプリ・ホワイトの外装にダークブルーのレザー・インテリアという組み合わせ。
この959にはファクトリー・オプションのヒーター付き電動式フロントシートと、アラームシステムが装着されていた。
1987年12月にドイツで納車後、英国に渡り1989年6月に最初の登録がされた。その2ヶ月後にポルシェ・センター・レディングで速度計をマイル表示に交換。記録では2811kmの時点で換えられている。
1992年10月に959は新オーナーへ売却され、その後もポルシェ・センター・レディングで点検を受け、記録簿にはその後21年間の整備記録と走行距離が記録されている。
2021年秋に現オーナーであるカナダ人のコレクションに加わる。2022年10月にオイルと燃料フィルター、エアコン・コンプレッサーを交換されている。
誕生から36年を経ているだけに、経年の痛みからペイントワークは行われているが、インテリアはオリジナルのままであると思われる。
出品時は1万5071マイルで、メーター交換前の距離を加えた実走行距離は1万6818マイル(約2万6909km)で、36年経過したスーパーカーとしては望外の低さだ。
出品者が発表した予想落札額は160-200万ドルだった。オークションを終えてみれば低走行とコンディションが評価され168万2500ドル(約2億1957万円)と順当な額で落札された。
【第1位】 1964年 ポルシェ 904 GTS(904-036)
ランキングのトップを一時的(詳細は後ほど)に獲得したのは、1963年に登場したレーシングGTの傑作といえる「ポルシェ 904カレラGTS」(以下904と称す)だった。
904は1964年のタルガ・フローリオでの1-2フィニッシュを皮切りに勝利を重ね、世界スポーツカー選手権GTIIクラス制覇を1964年から2年連続でポルシェにもたらした。
RMサザビーズ・パリ・オークションに姿を現した904のシャシーナンバーは904-036で、最初のオーナーは後年ポルシェ・チーム入りするウド・シュッツだった。
シュッツ時代の904-036のベスト・リザルトは、1965年のニュルブルクリンク1000kmで、排気量の大きなフェラーリを相手に総合11位、クラス優勝を勝ち取っている。
シュッツは1965年シーズン後にオーストリア人に904を売却する。新オーナーは904-036でヒルクライムやレースに挑み、1966年のオーストリア・マウンテン・ヒルクライムのチャンピオンに輝いた。
1967年に904-036はアメリカに渡り、USRRCロードアメリカ500で総合9位を獲得したのちレースから引退する。その後4人のアメリカ人オーナーの許を移ってゆく。
2001年に伝説のレーサー、ボビー・レイホールが購入。彼のもとでフルレストアが行われ、ツアー・オートとルマン・クラシック参戦に向けた実戦的な改装が施された。
その後、ヒストリックレーサーとして知られる前オーナーが購入し、2018年のルマン・クラシックに出場。このイベントを経て、2019年に現在のオーナーが入手する。
最近の904の落札額を見るとミント状態が200万ユーロ前後で推移している。昨年30年間も寝ていた要レストアの904が出品され、61万4200ユーロ(約7924万円)と安価で落札され話題となった。
この904-036はヒストリックカー・レースやラリーに参戦するため、レヴカウンターを最新型に変えられているが、オリジナルのレヴカウンターも付属する。レースやラリーにそのまま参戦できる状態にあるだけに、走りを楽しむファンには絶好の1台といえる。
パリ・オークションでの予想落札額は200-225万ユーロだったが、最終的に210万ユーロ(約2億7300万円)で落札された。
しかし後日キャンセルされてしまったが、ひとつの記録としてあえて紹介した次第。オークションでは後日にキャンセルされるのは珍しくないことをお伝えしておこう。
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ポルシェ959だよ