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【限定765台】マクラーレン765LTスパイダー 日本価格/スペック/内装を解説

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【限定765台】マクラーレン765LTスパイダー 日本価格/スペック/内装を解説

はじめに 新型ロングテール発表

text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】765LTスパイダー、クーペ(完売)【比べる】 全111枚

2021年7月27日。マクラーレン・オートモーティブは、ニューモデルの「765LTスパイダー」を発表した。

その名が示すとおり、このニューモデルは2020年に発表されて、すべて完売した「765LTクーペ」のスパイダー・バージョンだ。

765LTクーペは、マクラーレン伝統の「LT=ロングテール」という称号を授けられたモデルで、ほかのマクラーレン車とは例外なく一線を画す個性があった。

その765LTクーペでは、720Sより全長が57mm長いボディが与えられ、空力性能を徹底追求。LTモデルは伝統的に軽量化も図られ、カーボンファイバー、チタン、ポリカーボネートなどを採用して乾燥重量はわずか1229kgにおさえていた。

パワーユニットは720Sと同じ4.0L V8ツインターボながら最高出力は車名と同じ765ps(720Sより45psアップ)、最大トルクは81.6kg-m(約3kg-mアップ)を発生。最高速度は330km/h、0-100km/h加速は2.8秒というハイパフォーマンスぶりを示した。

そんな765LTクーペから、765LTスパイダーはどのように進化したのか。その概略を紹介していこう。

765LTスパイダー 外観/空力

765LTスパイダーのボディサイズは、全長4600×全幅1930(ミラーを含まず)×全高1193mm、ホイールベースは2670mm。

そのノーズは720Sより48mm長く、アクティブ・リアウイングは9mm延長されて、全長がやはり57mm伸びている。

フロントのライドハイトが720Sより5mm低いため、フロントスプリッターは地面に近づいており、フロントバンパーとともに前方に移動。リアのライドハイトは変わらないため、車体の前傾姿勢が強まり、ダウンフォースが増加している。

765LTは720Sより全長は伸びたが、ボディワーク全体の物理的ボリュームは減っており、これによってエンジンベイからの熱の排出が向上し、ホイールアーチ内の気圧が下がった。

リアでは、バンパーがエンジニアリング上のハードポイントの近くまで押し込まれ、リアタイヤが露出。その上にはアクティブ・リアウイングがかぶさり、中央に向かって緩やかに盛り上がっている。

アクティブ・リアウイングは、見た目だけでなく効果も圧倒的だ。720Sより前後に長く、60mm高く、表面積は20%増加。位置が上がったことで、展開していない低速走行中でさえ発生するダウンフォースが増えた。しかし、ドラッグには最小限の影響しかないため、765LTのダウンフォース・ドラッグ比(空力効率)も、720Sから20%向上している。

765LTスパイダー ハードトップ

765LTスパイダーは、スパイダーという名称だがフルオープン・モデルではない。

ほかのマクラーレン車のスパイダー同様、リトラクタブル・ハードトップ(RHT)を採用し、オープン時でもリアウインドウまわりが残るタルガトップ風のスタイルとなる。

電動開閉式のリトラクタブル・ハードトップは1本のカーボンファイバー製フレームで構成され、開閉に要する時間はわずか11秒。走行中でも車速が50km/h以下なら開閉は可能だ。

静粛性も高められており、LTシリーズのスーパーカー初となるコンバーチブルだった675LTスパイダーの2倍にまで向上。

ルーフパネルは675LTスパイダーより大幅に長くなり、Aピラーの頂点が80mm前方に移動したため、ドアの開口部が広がり、乗降もしやすい。これを可能としたのが、驚異的な強度、剛性、安定性を誇るモノケージII-Sシャシーだ。これについては後述する。

また、下部構造だけでなく、上部もカーボンファイバーで構成されているため、構造材が完全なセーフティケージの役割を果たし、ウインドスクリーンまわりの補強が不要となった。これに加えて、タブに筋交いを増やす必要がなかったことも、クーペとスパイダーの重量差を最小限の49kgに抑える上で役立っている。

765LTスパイダー エンジン&シャシー

パワートレインには、765LTクーペと同じM840T型エンジンを搭載。

4.0LのV8ツインターボは、最高出力765ps/7500rpm、最大トルク81.6kg-m/5500rpmと、パワースペックは発生回転数も含めて765LTクーペと変わらない。

クーペ仕様より乾燥重量で49kg重い765LTスパイダーだが、専用のキャリブレーションによるエンジン・マネジメントシステムによって、最高速度は330km/h、0-100km/h加速は2.8秒、0-200km/h加速は7.2秒と、765クーペと同じ数値をマーク。

コクピットのアクティブ・ダイナミクス・パネルで。ドライブモードはコンフォート/スポーツ/トラックが選択できる。これにより、トランスミッションとサスペンションの特性を調整することができる。

765LTスパイダー用のカーボンファイバー製モノケージIIは、前述したように「モノケージII-S」と名付けられた。クーペ用モノコックと平行して開発され、ウインドスクリーンまわりを含め、ほとんどの構造部が共通している。

なお、リアにはカーボンファイバー製の支持構造がシャシーに接着接合され、これが横転時の保護機能を果たす。

ブレーキは最新世代のカーボンセラミック・ディスクと、F1からヒントを得た冷却機能付きキャリパーを採用。10本スポークのウルトラライトウェイトの鍛造ホイールに、ピレリと専用開発した専用タイヤを装着するなど、足まわりにも専用アイテムがおごられている。

765LTスパイダー 内装・装備

インテリアもLTモデルらしく軽量化が図られている。

標準装備のカーボンファイバー製シェルのレースシートは、720Sのスポーツシートより18kgも軽い。表皮はアルカンターラで、これはステアリングホイール、ダッシュボード、ドア内張りなどにも使われている。

コクピットのセンタートンネルは、厚さわずか0.8mmのカーボンファイバー製で、ドアポケットはネットに交換。カーボンファイバーはインテリアの小さなパーツにまで用いられ、フロアカーペット、空調システム、オーディオシステムも省かれて軽量化された。ただし、空調とオーディオは追加費用なしで搭載が可能だ。

また、スピードバンプの乗り越えや駐車場の傾斜路など、必要が生じたときにノーズを持ち上げられるヴィークルリフト・システム(ドライバー操作式)や、高解像度のリアビューカメラもしくはバードアイビューの360°4カメラ式駐車アシストシステムも、追加費用なしで装備できる。

軽量化のために必要最低限の装備におさえられている765LTスパイダーだが、パーソナライゼーションのためのオプションも、ユニークなエクステリアカラーから、さまざまなインテリア素材まで、豊富に取りそろえた。

さらに高いレベルの個性を求めるオーナーには、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)による、ほぼ無限の選択が可能なパーソナライゼーションも用意されている。

765LTスパイダー 価格

マクラーレン史上最もパワフルなコンバーチブルにして、ロングテールの系譜に加わる魅力的な最新モデル、765LTスパイダー。

日本仕様の価格(消費税込み)は、4950万円と765LTクーペの500万円高の設定だ。

カスタマーオーダーで世界限定765台のみの生産となるが、2021年の生産分はすべて売約済みだという。

765LTスパイダー スペック

車両価格:4950万円
全長×全幅×全高:4600×1930(ミラーを含まず)×1193mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1388kg(DIN:フルード類+90%の燃料)
エンジン形式:3994cc V8ツインターボ
最高出力:765ps/7500rpm
最大トルク:81.6kg-m/5500rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:リア縦置きミッドシップRWD
タイヤサイズ:前245/35R19、後305/30R20

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