富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT第2戦は、100周で競われる長丁場の450kmレースながら、セーフティカーやフルコースイエローが一度も出ないクリーンなレースとなった。とはいえ、いくつかの車両が不運なトラブルやアクシデントに見舞われてレースを落としたが、24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zもその1台だった。
5番グリッドから決勝レースをスタートした24号車は、スタートドライバーの佐々木大樹が序盤で3番手に浮上。1回目のピットストップで給油、タイヤ交換、ドライバー交代のフルサービスを行なうと、そこからは平手晃平が合計60周強のダブルスティントを戦うという戦略を採った。
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平手はその後も力強いレースペースを見せ、36号車au TOM'S GR Supra、100号車STANLEY NSX-GTに次ぐ3番手を走行していた。昨年のオートポリス戦以来となる表彰台が目前まで迫った残り5周、24号車は大きく白煙をあげながらピットに戻ってきた。平手はそのままガレージインし、レースを終えた。
ピットに戻ってきた24号車は左フロントの破損が確認できたが、ダンロップコーナーでGT300クラスの244号車HACHI-ICHI GR Supra GT、5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号を含めた3台が絡む接触があったようだ。レース後には、接触に絡んだ5号車の松井孝允が平手のもとに出向いて謝罪する一幕もあった。
平手は接触の状況を次のように説明する。
「自分の目の前にマッハと244号車がいて、彼らはBコーナー(ダンロップコーナー)にサイドバイサイドで入っていきました。僕はそこで何かが起きるかもしれないと思いながら、ブレーキもちょっと手前からかけつつ、彼ら2台が何かやるのを待っていた感じでした」
「立ち上がりで1台抜ければいいやと思っていたので、Bコーナーを小さく曲がって、いつもGT300を抜いているのと同じように立ち上がり重視で切り返した時のことでした」
「244号車に前に出られてしまった(5号車の)孝允が、引けばよかったところ、引かずにドーンと押しちゃったんですよ。それで(244号車が)横向いちゃったので、2台がすごい勢いで止まって……僕は切り返していたところだったので左前を当ててしまい、それでラジエターを壊してしまいました」
不運な接触でレースを落とすこととなった24号車。ただ「他と比べてもペースも遜色なく、最後も(100号車STANLEYを)追い詰められていたので、強さは見せられました」と語るように、平手はレース内容には満足しているようだ。
また、24号車はGT500では2台のみのヨコハマタイヤユーザー。ヨコハマは2016年を最後に丸6シーズンGT500での勝利がないが、24号車は昨年の第4戦富士と第7戦オートポリスで3位表彰台を獲得しており、平手も開発の成果を「去年とは比べものにならない」だと実感している。
「タイヤも去年に引き続き開発が進んでいっています」
「昨年のレースではスタート直後にタイヤが温まらずに苦しむということがあったのですが、今回そういうことは全くありませんでした。むしろレースペースがびっくりするくらい上がってましたし、アウトラップも他に負けないくらい速かった。去年とは比べものにならないくらい、1段上からスタートできているので、次の鈴鹿からしっかりと取りこぼさないようにしたいです」
「今回は予想していたのにそれを避けきれなかった……どうしようもなかったです。悔しくてしょうがないけど、悔いても戻ってくる結果じゃないので前を向いて、鈴鹿でも予選から前に行って表彰台を取って、夏の富士は勝ちに行きます!」
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