レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1アメリカGPでランド・ノリス(マクラーレン)と激しい3位争いを繰り広げた。結局ノリスに先行を許したものの、そのノリスにはコース外走行でアドバンテージを得たとして、5秒のタイム加算ペナルティが科され、フェルスタッペンが3位を死守することに成功することになった。そしてフェルスタッペンは、ペナルティを受け表彰台を逃したマクラーレンに共感の余地はないと考えている。
ノリスはレース後半、3番手を行くフェルスタッペンを執拗に追っていた。そしてバックストレートエンドのターン12でアウト側からフェルスタッペンに並びかけ、オーバーテイクを狙った。
■マクラーレン、ノリスへの5秒ペナルティに不満「美しいバトルに、スチュワードが不適切な介入をした」
エイペックスではわずかにノリスが前に出たようにも見えたが、イン側を守ったフェルスタッペンとノリスは共にコース外を走行。いずれも4輪ともトラックリミットの外に出てしまった。
この間にノリスはフェルスタッペンをオーバーテイク。レッドブルはノリスがコースオフしている間にオーバーテイクすべきではないと主張したのに対し、マクラーレン側はポジションを戻す必要がないと主張……意見が対立することになった。
ノリスはポジションを譲ることなく3番手をキープしたが、最終的にスチュワードから5秒加算のペナルティを科され、ノリスの4.1秒後ろでチェッカーを受けたフェルスタッペンが3位、ノリスは4位降着となった。
ペナルティに不満を隠さないマクラーレン側の言い分に共感の余地はあるかと尋ねられたフェルスタッペンは「いやないよ。最近、彼らはいろいろと文句を言っているよね」とmotorsport.comに答えた。
フェルスタッペンが言及する”最近”には、マクラーレンがレッドブルのフロントビブ(Tトレイ)車高調整デバイスを問題視したことなどが含まれるだろう。
「ルールはとても明確だ。白線の外側でオーバーテイクはできない。2017年だったか、いつだったか、僕はそれをやって表彰台を失ったこともある」
「だから僕はただ冷静に、マシンを最後まで走らせるためにベストを尽くそうとした。あのタイヤと状況では簡単ではなかったけど、全体的に見ればあのバトルは本当に楽しかったよ」
またレースのスタート直後にも、ノリスとフェルスタッペンは火花を散らした。ポールシッターのノリスはフェルスタッペンを牽制するようにイン側にラインを絞っていったが、フェルスタッペンは最内をキープ。ターンインが厳しくなったフェルスタッペンは何とかコース内にマシンをとどめたが、その外側にいたノリスは押し出されるような形となった。
この攻防の間にクリーンにターン1を通過したシャルル・ルクレール(フェラーリ)が首位に浮上。レースをコントロールし、優勝している。
「イン側に隙間があったから、それを狙ったんだ」とフェルスタッペンはスタートを振り返った。
「あのコーナーはとても幅が広いから、ワイドに行くか、タイトに回るか、多くのラインがある」
「僕はその(タイトに回るという)選択肢を選んだんだけど、それでも今回は2番手でコーナーを抜け、前にいたのはシャルルだった。僕にとってはうまくいったと思うけど、とにかくシャルルのほうが速かったから、彼はそのまま引き離していった」
「今日は昨日(スプリント)に比べてベストなレースとは言えなかった。バランスにもグリップにも苦しんだからね。本当にブレーキで止まらなかったし、クルマの回頭性も悪かった。だからすぐに、レースには勝てないと悟ったんだ。そして僕自身のレースをしようとしたんだ」
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