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鈴鹿10時間:KCMGのGT-Rが海外勢と互角バトルで6位に。「悔しさとやり切った感じが半々」と次生

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鈴鹿10時間:KCMGのGT-Rが海外勢と互角バトルで6位に。「悔しさとやり切った感じが半々」と次生

 2019第48回サマーエンデュランス『BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』は8月25日、10時間の長い戦いを終えた。日本車/日本人ドライバーとして最上位、アジア賞優勝となる6位フィニッシュを果たしたのは、KCMGの千代勝正/ジョシュ・バードン/松田次生組ニッサンGT-RニスモGT3だった。レース後、松田と千代にレースを振り返ってもらった。

 今季、インターコンチネンタルGTチャレンジに参戦しているKCMGとニッサンGT-RニスモGT3。35号車は千代とバードンが全戦に参戦し、バサースト12時間とスパ24時間では松田が合流。7月のスパ24時間では、72台ものGT3カーがひしめくなか、上位を争う速さを見せつつも、不運に見舞われていた。

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 KCMGが走らせるニッサンGT-RニスモGT3は、スーパーGTでもその速さを示すとおり、非常にポテンシャルが高い。「何事もなければいい位置にはいけるはず」と言われていたが、予選13番手からスタートした今季の鈴鹿10時間では、まさにトップグループと互角の戦いを演じていった。

 チームメイトの018号車にはトラブルが出たものの、トラブルフリーで走り続けた35号車は、千代、松田、そしてバードンともに上位の海外チームとバトルを展開していく。途中、一度目のフルコースイエローでは「残りのスティントをマキシマムで走らないといけなくなってしまうので、賭けになる(千代)」とピットインを行わなかったが、2回目のフルコースイエローでは「ドンピシャのタイミング」で入り、ふたたびトップ争いに復帰した。

 ただ、終盤彼らは「表彰台を狙える」位置にはつけていたが、千代のスティントの終わりにトラフィックに引っかかってしまい、メルセデスAMG・チーム・クラフト・バンブーの77号車や、BMWチーム・シュニッツァーの42号車などにアンダーカットされてしまう。このレースはピットイン~アウトの時間が定められており、かつタイヤもワンメイク。いかにコツコツとタイムを削っていくかが勝負の分かれ道となるのだ。

 千代からステアリングを受け継いだバードン、そしてさらに交代した松田がチェッカーを目指すべくふたたびコースインしたときには、今度はベントレー・チームMスポーツの107号車ベントレーが前に立ちふさがった。チームからは「ベントレーを抜いてくれ」と松田に指示が飛ぶ。

「そこから猛プッシュして、目いっぱい攻めました」という松田のGT-Rのプッシュを感じ取った場内実況のピエール北川アナウンサーの名調子もあり、グランドスタンドに陣取ったファンはサイリウムの色をKCMGのブルーに変え、松田の走りを後押しする。

 その甲斐あって松田はベントレーをオーバーテイク。ただ、今度はピットストップで順位を落としていたアウディスポーツ・チーム・アブソリュート・レーシングの125号車が迫ってくる。アウディは今回25号車が優勝したとおり、別格の速さをもっていた。

 しかし地元三重のレースで負けられない松田は、最後まで125号車を防ぎ切り、6位という順位を守った。レース後、表彰式を待つ松田のところには親友の小暮卓史が訪れ「カッコ良かったよ!」と賞賛した。

 ちなみに、松田はグランドスタンドを染めるブルーのサイリウムは「全然見えていなかったです(苦笑)」という。

「それどころじゃなくて。ベントレーを抜くのに精一杯だし、夜で見えないし、エアコンも効かないので足も攣りそうになりましたし。でも、最後は全力を出し切ろうと思いました。40歳で4スティント乗りましたよ(笑)。この年齢で戦えるんだと見せられたと思います」

 こうして、ようやく目に見える結果を残したKCMGと2018年モデルのニッサンGT-RニスモGT3。アジア賞優勝でもあり、賞金300万円を獲得した。ただ、「正直悔しいですね。少しずつ表彰台圏内から離れていったことには理由があると思いますので。本当は999号車(2位)と912号車(3位)とレースをするはずだったんですけどね。反省点はあるとは思いますが」と悔しがるのは千代だ。たしかに、総合3位表彰台には届くポテンシャルはあったと言える。

 松田も「悔しいのと、やり切ったのと両方ありますね。途中、999号車とやり合っていて、彼らとペースは変わらなかったので、表彰台争いをできるとは思っていたんですが」と語った。

「アウディだけは今回速かったですが、メルセデスやポルシェ、BMWなどライバルと悪くない戦いができる感触がありました。だからこそ、なぜ最後にうしろになってしまったのかを分析しなければいけないですね。その点では悔しいです」

「もちろんこの6位はチーム、ニスモの頑張りもあってのことですが、やはり世界で勝つためにはドライバーももっと頑張らなければいけないですし、チーム、そしてクルマの面でも、ニッサン/ニスモも貪欲にクルマを作っていかないといけないのかな、というのは感じましたね」

 ニッサンGT-RニスモGT3は2015年モデルが華々しい成績を残したが、2018年モデルはまだ世界の舞台でそこまで大きな成績を残せていない。しかし今回、それに手が届くポテンシャルを示すことはできたのではないだろうか。

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