「わずか9秒で180キロに到達！」オーナーの拘りが詰め込まれた超美麗R34GT-R VスペックIIニュル

RB26改2.8L＋Vカム＋TO4Zタービン仕様で勝負

第二世代GT-R絶対的パワーチューニングの戦闘力

レースに勝つために専用設計されたRB26DETTエンジンに、画期的な電子制御トルクスプリット4WDシステムのアテーサETSを組み合わせた第二世代GT-R。その集大成として2002年にリリースされたのが、1000台限定のR34VスペックIIニュルだ。

専用色のミレニアムジェイドメタリックのボディに収まるのは、パーツを高精度で組み込み、メタルタービンを採用したN1仕様エンジン。そのポテンシャルを裏付けるように、スピードメーターも300km/hフルスケールが純正で与えられていた。

そんなプレミアムもののマシンをベースに、HKSテクニカルファクトリーがファインチューンを施したのがこのマシン。オーナーの好みに合わせて、ハイウェイクルージングでの5→6速のパワーの繋がりにも主軸を置いたストリート仕様だ。

「正真正銘のストリート仕様で、チューニングはもちろんですが、実はオールペンや新品内装による仕上げの美しさがウリですよ（笑）」とはHKSテクニカルファクトリーの菊地さん。

エンジンはHKSのステップ2キットを組み込んだボア87φ×ストローク77.7mmの2.8L仕様で、ヘッドには可変バルタイのVカムシステム（ステップPRO）を装着。RB26DETTの弱点である低速トルクを補いながら、高作用角ハイリフトなカムでさらなる高回転の伸びも獲得している。美しいエンジンルームの作り込みも見事だ。

組み合わせるタービンは、ビッグシングル仕様の定番であるTO4Z。F-CON Vプロによるエアフロレス制御で、最大ブースト圧1.7キロ設定で約568.5ps＆68.2kgmを獲得している。

なお、この数値は夏場のダイナパック計測なので、一般的には650psオーバークラスのパワーと考えて間違いない。

フロントバンパーとアンダーパネル、エアアウトレット付き15mmワイドフロントフェンダーはニスモのZチューン用を装着。ミレニアムジェイドメタリックの外装色も、オーナーの拘りで全て塗り直したものだ。

足回りはオーリンズDFV車高調を軸に構築。ブレーキはフロントにR35GT-Rブレンボ6ポットキャリパー＋355mmローターを、リヤもR35GT-Rブレンボ4ポットキャリパー＋355mmローターを組み合わせて徹底強化している。

王道の5スポークデザインがベストマッチのホイールは、アドバンレーシングGT（FR10J×18＋15）、タイヤには前後265/35R18サイズのアドバンネオバAD08をセットする。

室内はオーナーの要望で内装類を全て新品に交換。純正オーディオももちろん完璧に作動する。スポーツドライビング時のホールド性を考慮して、シートはレカロのフルバケRS-Gに変更されている。

このチューンドを高速周回路で走らせた飯田章選手は「フル加速はかなりパワフルで気持ちが良い。HKSテクニカルファクトリーらしく、丁寧な作りが走りからも伝わってくるよ。アタックでは9000rpmシフトだったけどギヤの繋がりも良いし、シフトアップ後もパワーが追従してくるから乗りやすかった」と評価。

その絶品フィーリングは数値にも現れており、0-180km/h加速は9.61秒と、とんでもない記録をマークしているのだ。速さと快適性を両立したチューンド、第二世代GT-Rに精通したHKSテクニカルファクトリーらしい盤石のメイキングと言える。

●取材協力 HKSテクニカルファクトリー 埼玉県戸田市美女木5-2-8 TEL:048-421-0508

Comments

本気仕様のHKS九州のデモカーですね
全般的にお金をかけてて見事だと思う
バランスも極端にずれてないし、乗りやすそうな1台ですね

美車だね。
うらやましい。