Aston Martin Vanquish 25 by CALLUM
アストンマーティン ヴァンキッシュ 25 by CALLUM
イアン・カラムが手掛けた25台だけのヴァンキッシュが英国コンクールで初公開
イアン・カラムが再解釈したヴァンキッシュ
アストンマーティン ヴァンキッシュの特別な1台「アストンマーティン ヴァンキッシュ 25 by CALLUM」が、コンクールズ・オブ・エレガンスで一般公開される。CALLUMとはイアン・カラム、つまり2019年6月にジャガーを勇退したばかりの稀代の自動車デザイナーによる作品だ。
スコットランド出身のイアン・カラムは、フォード・デザインスタジオから自身のキャリアをスタート、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)、アストンマーティンを経て、1999年にジャガーへ入社。アストンマーティンではヴァンキッシュやヴァンテージ、DB9、ジャガーではFタイプ、Fペイス、Iペイスなどを手掛け、古式ゆかしきジャガー車へは20年にわたり新しい風を吹き込んできた。
後任をジュリアン・トムソンに譲ったイアン・カラムは、現在独立して“CALLUM”というデザイン・エンジニアリングのコンサルタント会社を立ち上げている。英国ウォリックに2万平方フィート(約1858平方メートル)の施設をもち、デザインの提案やプロトタイプ製作、内装材の提供などを行っている。
同社がデザインを手掛け、25台の限定で販売されるのが「ヴァンキッシュ 25 by CALLUM」だ。
初代ヴァンキッシュと同じ英国製レザーを使用
「ヴァンキッシュ 25 by CALLUM」は、アストンマーティンとモータースポーツパートナーのAF Racingが立ち上げた新ブランド「R-Reforged(リフォージド)」のプロダクトとして発売される。
開発期間は1年半におよび、カラム率いるデザインチームがデザインを全面的に評価し練り直しを行なった。象徴的なシルエットはそのままに、100を超えるトライを繰り返して彼らが“究極のヴァンキッシュ”と信じる1台が完成した。
内装のトリム材に可能な限り自然な素材を使いたいと考えたカラムは、英国で1905年に発足した老舗レザー会社、ブリッジオブウィアー社の高級皮革を選択。同社のレザーは高級家具やホテルのインテリアはもとより、航空機のファーストクラスなどにも採用されている。
ブリッジオブウィアー社とカラムのチームは12ヵ月にわたり、綿密な作業を協働で実施。上質なスコットランドレザーはクロムを使わずセミアニリン仕上げされ、カラム独特の配色で内装の随所にあしらわれた。パターンには英国伝統のタータンチェックを再解釈したデザインを使用。カラムによる独特のタータン柄は、今後のCALLUM社プロダクトへ展開されるモチーフという。
1世紀におよぶクラフトマンシップが築き上げてきた専門知識と、最新の生産メソッドを組み合わせるだけでなく、持続可能性もブリッジオブウィアー社の掲げるコアのひとつ。製造工程で生まれた余熱を回収・再利用するとともに、化石燃料の使用を可能な限り削減、高性能な濾過装置を介して排水をリサイクルし再利用している。
今後のCALLUM製品に繋がる「タータン柄」
CALLUMのデザイン・ディレクター、イアン・カラムは語る。
「ブリッジオブウィアー社は、長年にわたり私の作品の多くに洗練されたレザーを提供し続けています。オリジナルのヴァンキッシュもそうでした。ですから、ヴァンキッシュ 25 by CALLUMのタータン柄レザーという形で、同社の素晴らしいレザー及び職人仕事とコラボレートできたことは、私にとって大変特別なことなのです」
ブリッジオブウィアー社でマネージングディレクターを務めるデイヴィッド・アーチボルドも説明する。
「イアン・カラムと彼のチームと一緒に仕事ができることは、我々にとって非常に光栄です。弊社と彼らの間には、スコットランド由来の深いつながりがあります。元々、オリジナルのヴァンキッシュへ弊社の製品を提供させていただいていたこともあり、今回の新プロジェクトへも我々のレザーを使っていただけると伺い大変嬉しく思いました。カラム考案のタータン柄だけでなく、今回の車両のために色そのものから完全に専用で仕立てたレザーを使用しています」
ブリッジオブウィアー社は自動車レザーサプライヤーとして英国最大であり、世界でも10指に入る企業。20世紀初頭にはフォード モデルTにレザー供給をしている。
英国で年に一度開催されるコンクールズ・オブ・エレガンスは、ウインザー城やセント・ジェームズ宮殿、ホリールードハウス宮殿など、王室にゆかりのあるロケーションを舞台にする格式の高いクラシックカーイベント。
2019年は、歴代君主の居城でもあり、壮大な庭園を持つことで知られるハンプトンコート宮殿を会場に、9月の第2週の週末に実施する。
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