NA 1.5L 4気筒にベルト駆動のモーター
各メーカーのモデルは純EV化が進みつつあり、スケートボード構造と呼ばれるプラットフォームの採用で、メカニズム的な均質化が止まらない。古くからの自動車エンジニアが腕をふるえる場面として、ハイブリッドは貴重な領域なのかもしれない。
【画像】日本ではもう買えないスズキ・エスクード(ビターラ) 欧州で競合するクロスオーバーと比較 全130枚
トヨタのプラネタリーギアや、ホンダのツインモーター・シリーズ式、ルノーの4速トランスミッションに一体化されたものなど、ハイブリッドには多様な構造が存在している。そこへ、スズキはビターラ(エスクード)用として、別の1種類を提案してきた。
スズキは欧州で、トヨタ・カローラツーリングのOEMモデル、スウェイスというステーションワゴンを販売している。このビターラは、同社ではフル・ハイブリッド・モデルの2台目になる。
ただし、今回のハイブリッドは自社製。スズキのモデルの多くには、自社開発のマイルド・ハイブリッドがラインナップされているが、非常に効率的にクルマを走らせる。だが、ビターラの1.5フル・ハイブリッドは、若干詰めが甘いようだ。
採用されたエンジンは、優れた1.4Lターボではなく、1.5Lの4気筒自然吸気。最高出力は115psを発揮する。これに33psを発揮する駆動用モーターが、ベルト駆動で組み合わされる。フル・ハイブリッドを名乗るシステムとしては、かなり非力なモーターといえる。
もたつく6速セミATと小さいバッテリー
ビターラの駆動用モーターは、エンジンが最高出力を発生する高回転域では機能を止める。基本的には低回転域でのアシストが中心で、実際にはマイルド・ハイブリッドに近い。駆動用バッテリーの容量も、0.84kWhしかない。
トランスミッションは、6速セミATの一択。トップグレードのSZ5では、オプションで四輪駆動を選択できる。
セミATは、クラッチとシフトレバーの動作をアクチュエーターで賄うMTで、最近は殆ど見なくなった技術だ。以前はスーパーカーにも採用されていたが、高速時以外の変速が苦手なことから、デュアルクラッチATなどへ置き換わっている。
この技術を復活させる必要はあったのだろうか。確かに低速域では、セミATがクラッチを切り変速をこなしている間、駆動用モーターがパワーをアシストするため、スムーズに走れる。それでも、フルスロットル時の変速は驚くほど遅い。
右折時や車線への合流など、ほぼ停まった状態から短時間に加速を終えたい場合も、もたついていた。一般的なATの方が好ましい。
また駆動用バッテリーが小さく、エンジンを止めた状態で走れる距離も限定的。市街地を流している程度でも、アクセルペダルを僅かに倒すだけで、エンジンが始動してしまう。エコ・モードを選ぶと改善するものの、走行できる距離が伸びるわけではない。
小さなバッテリーのメリットを挙げるとすれば、車内空間が侵食されないことと、車重増を抑えられること。実際、ハンドリングに影響は見られなかった。
選ぶならマイルド・ハイブリッドのMT
燃費はカタログ値で18.8km/Lがうたわれるが、トヨタ・ヤリス・クロスやルノー・キャプチャー E-テックには届いていない。少なくとも、試乗ではそれに近い数字を達成できている。
反面、マイルド・ハイブリッドのビターラでも17.5km/Lは走れる。こちらには、滑らかなトルクコンバーター式のATが載っている。
1.5フル・ハイブリッドのビターラは、従来のマイルド・ハイブリッドのAT車を置き換える位置付けになる。英国価格は2万5499ポンド(約395万円)からで、570ポンド(約9万円)の値上げとなった。
僅かに燃費が改善し、8g/km程度CO2の排出量は減るが、特に運転しやすいわけではない。その価格上昇に納得できる人は、多くはいないように思える。
冴えないセミATや、振るわないパフォーマンスなどを考えると、価格は高くてもヤリス・クロスやキャプチャー E-テックの良さが浮き出てくる。インフォテインメント・システムも、より新しい。
実際のところ、マイルド・ハイブリッドでMTのビターラの方が訴求力は高い。インテリアは少々時代遅れながら、動力性能に不足はなく、車内も広く、価格は多くのライバルよりお手頃。標準装備にも優れ、スズキ車らしく信頼性も長けている。
新しい1.5フル・ハイブリッドが、その魅力を上回るとはいいにくい。スズキ・ビターラは、悪くないSUVだ。選ぶなら、マイルド・ハイブリッドのMT車が良いだろう。
スズキ・ビターラ(エスクード) 1.5フル・ハイブリッド SZ5(欧州仕様)のスペック
英国価格:2万9329ポンド(約454万円)
全長:4175mm
全幅:1775mm
全高:1610mm
最高速度:178km/h
0-100km/h加速:12.7秒
燃費:18.8km/L
CO2排出量:121g/km
車両重量:1193kg
パワートレイン:直列4気筒1462cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:13.9kg-m/4400rpm(システム総合)
ギアボックス:6速セミ・オートマティック
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みんなのコメント
モノコックになってから街でも見かけなくなった。
今回のハイブリッドの性能も弱いし、
もっと尖ったものが無ければ、
他車には敵わないと思う。
他と比べると非力で重いしやっぱこのシステムはダメだよ