2月15日(木)から18日(日)にかけて、北欧スウェーデンの都市ウメオを中心に、WRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』が開催される。
シーズン唯一のフルスノーラリーであり、ハイスピードかつジャンプポイントも多くある第2戦を前に、TOYOTA GAZOO Racing WRT、ヒョンデ・シェル・モービスWRT、Mスポーツ・フォードWRTの3陣営より今大会に出場するドライバーたちのコメントが届いている。
前哨戦でウォームアップのトヨタ。“現王者”ロバンペラを擁し、表彰台を逃したWRCスウェーデンにリベンジへ
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)
「スウェーデンでの挑戦は、僕にとって非常に興味深いものになるだろう。初めてWRCでスノーラリーを走ってから2年が経った。雪上でラリーをするのは年に1回だけで、ドライビングスタイルやクルマのセッティングが大きく異なるんだ」
「けれど、雪の上でクルマをドライブするのは本当に好きだよ。このスピードで感じられるフィーリングはとても素晴らしいし、かなりユニークだ。だから週末をとても楽しみにしている。目標は、雪上でのフィーリングを取り戻し、経験豊富なライバルと自分たちのペースを比較して、モンテカルロから続いて良い結果を出せるかどうかを見極めることだ」
「今週は丸1日分のテストを行った。本番はコンディションが大きく異なる可能性があるので、ラリーがどうなるかをテストで知るのは難しいが、フィーリングはかなり良かったよ」
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)
「スウェーデンでの大きな課題は、この特殊な路面を走るクルマのことを知ることだ。昨年、フォード・フィエスタ・ラリー3で雪上を走る機会があったが、今回はコーナーに入るのにはるかにスピードを上げることになる。そのため、さまざまな速度によってペースを合わせなければならない。あとは、スノーバンクでスタックしないように努めるよ。あっという間に時間を失ってしまうからね」
「イベント前のテストは順調だったし、いろいろなことを試した。でも僕たちはシンプルにラリーを進めたいと思う。何kmも走ってクルマのフィーリングを掴み、この路面でもっと改善できるようにしたい。ラリーを完走し、イベント全体を通して進歩を遂げたいと願っている」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)
「スウェーデンでは雪が多く、気温が非常に低くなると予想している。昨年は何とか対処できたけれど、それ以前はもう少し難しかった。コーナーから次のコーナーにかけてギヤを細かく変える必要があり、クルマの精度と反応性を非常に高くしなければならないんだ」
「スノーバンクは、とくに気温が通常よりも高い場合には大きなリスクになる。凍えるような状況なら、より良いポジションでより速く走れるようにしてくれる頼りになるものだ。クリーンなドライビング、タイヤマネジメント、そして出走順とそのすべてがとても難しい要因だが、昨年の経験からすると初日はまったく同条件だったようにも感じている。ラリー・スウェーデンは以前から楽しんでいるので、好結果を狙うつもりだ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)
「スウェーデンは、純粋にパフォーマンスを重視した本当に素晴らしいラリーだ。道路は走りやすく平坦なところも多いので、クルマにストレスがかからず、ペースを最大化しやすい。ウメオでのラリーは素晴らしかった記憶があるので、大きなスノーバンクや凍った道路をもう一度走るのだ楽しみだ」
「スウェーデンでのスノーバンクは、リスクというよりはむしろ助けになることもある。ほとんどの場合、うまく利用して限界を押し上げることができるんだ。だからスノーバンクをうまく使えれば、限界をはるかに超えるだろう」
「ただ、夜のステージはいつも少々難しいものだ。あまり見えないし、見える箇所がライトが照らす部分のみの場合もある。雪道での運転と相まって、思いがけず姿勢を乱すこともある。逆に、雪はかなり良いリフレクターなので、泥だらけのウェールズのような場所でドライブするよりは簡単かもしれない。目標はうまくやることだ。昨年は優勝したし、またトップで戦えるようベストを尽くすつもりだ」
●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)
「スウェーデンは間違いなく楽しめるイベントで、シーズンを始めるには最高の場所だ(パートタイム参戦のラッピは今大会が2024年初戦)。コンディションが想定どおりであれば、後ろからのスタートは大きなアドバンテージになると思う。新雪を最初のクルマが運び去り、グリップも上がるからだ。ただし、マイナス20度前後で非常に寒い場合は、大量の粉雪が空中に舞っている可能性があり、出走順の後半にいるドライバーの視界は悪くなることもあるけどね」
「スウェーデンのもうひとつ重要な特徴は、ステージの1回目と2回目の走行の違いだ。1回目は、道路は通常スムーズで普通にアプローチできるが、2回目は大きなわだちができて、ドライビングスタイルをかなり調整する必要がある。目標は週末中に変わるかもしれないし、状況にもよるけれど、表彰台を目指して戦えるよう期待している」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ラリー・スウェーデンのようなイベントでシーズンをスタートできることに興奮している。雪道でのドライブはいつだって楽しいし、ラリーカーを運転していて最高の気分を味わえるシーンのひとつだ」
「先週は、アークティック・ラップランド・ラリーと、プレイベントテストで再びクルマを走らせることができた。スウェーデンはこれまで僕たちと相性の良いイベントだったが、昨年はあまり強さを発揮できなかった。今年こそは優勝争いに加わりたいと思っているよ」
「スウェーデンは唯一のスノーラリーなので、数日間のテストだけで完璧なセットアップを見つけることは簡単ではない。それでも、すでに前日のテストでいくつか良いセットアップが見つかったので、正しい方向に進んでいると感じているよ。ラリー本番が楽しみだ」
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「雪と氷の上を走るのは特別なことだし、だからこそラリー・スウェーデンは唯一無二のイベントなんだ。このラリーでは過去に何度か良い成績を残しており、昨年の大会からクルマのフィーリングを改善しようと努力してきた。ラリー・スウェーデンを前にアークティック・ラップランド・ラリーで走れたのは、雪道を走る時間を確保できたというという点で有効だった。いくつかのことを試すチャンスになったし、いいステップを踏むこともできたと思う」
「スノーラリーでは、同じステージを2回目に走る時、雪の下からグラベルが出てくるなどコンディションが大きく変化することがあり、それにうまく対応できるかどうかが非常に重要になってくる。また、速いドライバーたちよりも早い出走順でステージを走るのは簡単ではないが、いつものようにベストを尽くして戦い、最大限の結果を残せるように頑張りたいと思う」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ラリー・スウェーデンはつねにエキサイティングですし、WRCのカレンダーのなかでも好きなイベントの一つです。TGR WRCチャレンジプログラムでヨーロッパのラリーを走り始めて以来、雪や氷の上を走ることを心から楽しんできました」
「昨年のスウェーデンでは速さを発揮することができたので、今回もいい走りをした上で、いい結果も出したいと思っています。このイベントはいつでも大きなチャレンジですし、今回はカッレ(ロバンペラ)を含む速いドライバーたちが自分よりも後方からスタートするので、上位争いをするのは簡単ではないでしょう。それでもハードにプッシュして、自分にできる最大限のことをしたいと思います」
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