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三菱スタリオン・マツダRX-7がWRCに出ていた1980年代のラリーシーン

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三菱スタリオン・マツダRX-7がWRCに出ていた1980年代のラリーシーン

グループ4からグループBへとWRCの主役が移行

1981年、当時世界のモータースポーツを統括していたFISA(国際自動車スポーツ連盟。FIA=国際自動車連盟の下部組織で93年にはFIAに吸収され、以後は世界モータースポーツ評議会、通称“モータースポーツ・コンシル”が引き継いでいる)は競技車両規則を変更した。

海外に影響され強くなった国産車ラリーカー(フェアレディZ/トヨタ・セリカ)

それまでグループ1から8までに分けられていた車両カテゴリーを改変しグループAやグループB、グループCなどアルファベットで分類することになった。世界ラリー選手権(WRC)に関して言うならそれまで主役だったグループ4がグループBとなり、グループ2はグループAに移行している。

新規定は82年を移行期間として、83年からは旧規定の車両は締め出されることになった。だからその時代のWRCには、グループ2からグループ4に進化したのちグループBに移行したマシンと、グループAからグループBに発展したマシンなどが混在することになった。そしてその数だけドラマがあった。

1984 Mitsubishi Starion 4WD Rally 4WDとターボを備えたグループBの夢、果たせず

1980年にアウディ(とスバル)が持ち込んだ4WD(4輪駆動)とターボ・エンジンは、ラリー車両においては、のちのち必須アイテムとなっていく。いち早くそれを感じ取った三菱は、ランサーEX 2000ターボで実現していたターボに加えて、4WDを組み込んだ次期主力マシンとしてスタリオン 4WD ラリーの開発を進めることになった。もちろん車両カテゴリーはWRCの主役、総合優勝を狙えるグループBだった。

82年に登場したスタリオンは、2リッター/2.6リッターの直4ターボを搭載した、言うならば三菱のフラッグシップ・スポーツ。ベースモデルはコンサバな後輪駆動だったが、グループBを目指して開発されたラリーカーにはフルタイム4WDのシステムが組み込まれていた。

※三菱スタリオン量産モデル

当初は84年のデビューを目指して開発がすすめられていたが計画が遅延。プロトタイプとしてデビューはしたものの同年にはグループBのホモロゲーションを受けることはできなかった。そしてグループBが廃止されることになり、スタリオン 4WD ラリーは正式デビューを果たせないまま、グループAのスタリオン・ターボに交代することになった。

走行シーンはプロトタイプとしてデビューした84年のミレピスト・ラリー(三菱自動車広報部提供)。黄色のベースモデル(市販仕様)は岡崎にある三菱オートギャラリーで撮影。

1984-85_Mazda Savanna RX-7 Type SA22C Gr.4 Spec.  ハイパワーの後輪駆動でグループ2からグループBに移行

NSUの基本特許を得たマツダが世界で唯一実現したロータリー・エンジン(RE)は、コンパクトさとスムースさ、そして何よりもハイパワーを生み出すことで“夢のエンジン”として注目を集めることになった。そして初代コスモで商品化し、ファミリアに追加されたロータリークーペで実用化したあとは、上級モデルのサバンナやカペラでレースに参戦し、スカイラインGT-Rと死闘を繰り広げたのはよく知られたところ。

そのサバンナの後継モデルとして1978年に登場したピュアスポーツがサバンナRX-7。軽量コンパクトな2+2ボディとREの組み合わせはモータースポーツのベースに最適で、レースでは多くのプライベーターが活躍しているが、ラリーでもグループ2の有力マシンとして参戦が続けられた。

そして84年にはグループB仕様が登場。グループ4からの移行とかグループAから発展したモデルは多いが、グループ2からグループBに進化した数少ないケースだった。84年のアクロポリスでデビューして9位入賞を果たしたが、その後もスポット参戦を続けて翌85年のアクロポリスではイングバー・カールソンが3位入賞。

これが3シーズンのベストリザルトとなった。写真は2カットともに、ステッカーなどからアクロポリス・ラリーでの走行シーンと思われるが詳細は不明(マツダ広報部提供)。

(文:原田 了)

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