メルセデスF1チームの代表を務めるトト・ウルフは、2020-2021年シーズンのフォーミュラE王者に輝いたニック・デ・フリーズが2022年のF1シートを掴んだとしても、メルセデスファミリーの一員であって欲しいと考えているようだ。
ニック・デ・フリーズは2019年にFIA F2でチャンピオンに輝くも翌年のF1シートを見つけることができず、翌2020年からフォーミュラEへ参戦することになった。フォーミュラEは2020-2021年シーズンからFIAの世界選手権シリーズに昇格したため、デ・フリーズが初の“フォーミュラE世界チャンピオン”の称号を手にした。
■アレクサンダー・アルボン、来季F1復帰か? アルファロメオ&ウイリアムズが関心アリとレッドブル代表認める
2018年末にマクラーレンの若手ドライバー育成枠から外され、F2タイトルを獲得してもF1へ届かなかったデ・フリーズに今、F1パドックから熱い視線が注がれている。アルファロメオのキミ・ライコネンが今季限りで引退を表明し、ウイリアムズのジョージ・ラッセルにはメルセデスF1への昇格が噂されている。そこでこのアルファロメオとウイリアムズのどちらかに、デ・フリーズが加わるのではないかと注目を集めているのだ。
また、レッドブル・ホンダでリザーブ兼テストドライバーを務めるアレクサンダー・アルボンにも、来季のF1復帰の可能性が浮上。やはりアルファロメオとウイリアムズの2チームが彼に関心を寄せていることが明らかになった。
ウルフ代表はデ・フリーズについて、2021-2022シーズン限りでフォーミュラEからの撤退を決めたメルセデスにとって、2連覇で有終の美を飾るための「極めて重要なメンバー」であるとオランダGPの開催地ザントフールトで金曜日に語った。
またウルフ代表は、デ・フリーズのF1シート獲得を邪魔するつもりはないとしつつも、もし来季F1に参戦が叶ったとしてもメルセデスファミリーの一員であってほしいという意向を明らかにした。
「その昔、F2でタイトルを獲得した後に『僕はワークスチームに加入したいんだ。F1で夢を追いかけるよりもね』と語った彼の決断に感銘を受けたことを覚えている」とウルフは言う。
「そして今、彼の才能や能力がみんなに再認識される時がやってきた。だからこそ、(F1シート獲得に向けた)話し合いの場が設けられているのだ」
「しかし我々にとっては、彼がファミリーの中に留まることが一番重要だ。フォーミュラEでの2連覇が目指せるこの段階で彼を失うことを望んでいないが、彼のF1(のシート獲得)を邪魔するつもりはない」
フォーミュラEでのチームメイトであるストフェル・バンドーンと同様に、デ・フリーズは現在メルセデスF1チームのリザーブドライバーを務めており、地元オランダGPにも姿を見せている。
ウイリアムズはメルセデスと長期のパワーユニット供給契約を結んでおり、新オーナーが就任した昨年以来、2チーム間の技術提携関係は強固なものとなっている。
ラッセルやウイリアムズ残留が見込まれるニコラス・ラティフィも、デ・フリースの才能を認めており、ラッセルのメルセデス移籍が実現した場合の最有力候補という見方が強い。
ウルフはデ・フリースのF1シート争いが「アルボンを中心に動いている」と付け加え、そのアルボンを“イス取りゲームの主人公”と表現していた。
「ニックのフォーミュラEチームでのシートは保証されている」とウルフは言う。
「以前にも述べた通り、彼にはF1に来てほしいと思っている。ただ我々のフォーミュラEでの活動を考えると、彼を失いたくはないのだ」
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