■F1マシンに一番近い公道走行車両
アストンマーティンが2021年の「モントレー カーウィーク」でアンベールするとアナウンスしていた車両は、「ヴァルキリー」のオープントップモデル「ヴァルキリー・スパイダー」であった。
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ヴァルキリー・スパイダーは、全世界で85台限定で生産され(左ハンドルおよび右ハンドル仕様を設定)、予約受付けと割当ては、まもなく開始される予定だ。最初のデリバリーは2022年下半期になる見込みだ。
アストンマーティン最高経営責任者(CEO)のトビアス・ムアースは、ヴァルキリー・スパイダーについて次のように述べた。
「アストンマーティン・ヴァルキリーは、極めて高度なイノベーションとテクノロジーを組み合わせたモデルですが、何よりもエモーショナルなドライブ体験を追及することに焦点を当てています。ヴァルキリー・スパイダーは、その情熱と感性をさらなる高みへと引き上げ、真にセンセーショナルな走りを実現しています。
このモデルには、レブリミットが1万1000rpm以上に達する6.5リッターV12ユニットが搭載されています。ルーフを取り外した状態で、このエンジンが奏でるサウンドを聴ける日を、今から楽しみにしています」
また、レッドブル・レーシングのチーフ・テクニカル・オフィサー、エイドリアン・ニューウェイは、次のようにコメントした。
「私たちは、アストンマーティン・ヴァルキリープロジェクトを立ち上げた当初から、従来のロードカーをはるかに超える厳格な目標を設定してきました。そして、オープントップ・ハイパーカー・カテゴリーに属するヴァルキリー・スパイダーにも、同じ設計思想を適用しました。
このモデルは、一見するとヴァルキリーからルーフを取り外しただけに見えるかもしれませんが、ヴァルキリーと同じコンセプトを採用するためには大きな困難が伴いました。もっとも重視した点は、ルーフを外した状態でも空力性能を維持することでした。同様に、運転の楽しみを最大限に引き出しながらも、オープントップ・モデルにとって避けられない重量増加も最小限に留めています」
■ルーフの外し方も独特な「ヴァルキリー・スパイダー」
ヴァルキリー・スパイダーの取り外し可能な専用の軽量ルーフは、カーボンファイバー製センターパネルとポリカーボネート製ルーフウインドウから構成されている。
●どうやってルーフを外す?
センターパネルは、ルーフ後端のタブとウインドスクリーン・サラウンドに固定される一方で、ルーフウインドウはそれぞれの側で支えられている。ルーフを取り外す際は、ドアを開け、ルーフを持ち上げて収納するだけだ。
取り外し可能なルーフパネルとラグジュアリーなオープントップ・レイアウトを実現し、新しくなったドアをサポートするために、カーボンファイバー構造に変更が加えられている。これにより、ヴァルキリー・スパイダーのドアは、車両前方に向けて上部へ跳ね上がるフロントヒンジ・タイプになった。
●オープン状態で時速330キロ!
搭載される1155psのハイブリッドV12パワートレインに変更はないものの、ヴァルキリー・スパイダーでは、カーボンファイバー構造に改良が加えられ、アクティブ・エアロダイナクス・システムとアクティブ・シャシ・システムのキャリブレーションが全面的に見直されることになった。
これらの対策は、ルーフを取り外した状態で走行したときでも、本来のパフォーマンスを発揮できるようにすることを目標としている。
この結果、ルーフを取り外した状態での最高速度は330km/h以上に達し(ルーフを装着した場合は350km/h以上)、アストンマーティン史上最速かつもっとも過激なオープントップ・モデルとなった。
世界耐久選手権を戦うLMP1マシンと同等のパフォーマンスを発揮するヴァルキリー・スパイダーは、公道走行可能なモデルとしては、通常では達成できないレベルのラップタイムを計測できるようにシミュレートされているという。ぜひともニュルブルクリンクでタイムアタックしてほしいものだ。
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