この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第110回目は、スポーツFRセダンの魅力を振りまいた、トヨタ セリカ・カムリ2000GTの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
コンサバティブなエクステリアにスポーツセダンの中身
セリカ・カムリは昭和55(1980)年1月に登場した。開発コンセプトは「走行性能に優れた高級スポーティセダン」。トヨタの新販売チャンネルであるビスタ店で販売するクルマで、ベース車はカリーナだった。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
登場時のエンジンは1.8Lの直4OHV(13T-U型)と1.6Lの直4OHV(12T-U型)の二本立てで、グレードはそれぞれXTとLTを設定したが、地味な感じは否めなかった。デザイン的にもフロントビューにA40型セリカXXの面影を残しつつ、コンベンショナルなセダンにしたという程度で、特に目立つところもなかった。
しかし、同年8月に2Lの直4DOHCを搭載した2000GTが投入され、本格的なスポーツセダンとして注目された。搭載エンジンは18R-GEU型。言わずと知れたトヨタのスポーティカーを支えたユニットだ。
EFIによって燃料供給されるようになり、排出ガス規制前のハイオク仕様のソレックス ツインキャブで145psだった頃の中回転域からの厚いトルクを感じさせるフィーリングは得られない。それは残念な面であった一方、扱いやすくフラットトルクも味わえた。
XTとLTのリアサスペンションはリジッドだったが、 GTおよび同時に登場した2ℓの直4SOHCを搭載した2000SE、1.8ℓの直4OHVを搭載した1800SXは4輪独立式となった。特にGTには強化サスとスタビライザーが装着された。
ブレーキは前後ともディスクを装着。サーボの効きが極めて良く、軽いタッチで大きな減速力が得られるGTの走りに相応しいものとなった。バリアブルレシオのステアリングギアボックスが採用されたことによって、初期応答性はシャープに、大舵角になると鷹揚になる方向のフィーリングも違和感がないものだ。
実質一代限りとなったセリカ・カムリは、古き良きFRセダンの最後を飾る一台といえよう。
トヨタ セリカ・カムリ2000GT(RA55型)諸元
●全長×全幅×全高:4445×1645×1395mm
●ホイールベース:2500mm
●車両重量:1125kg
●エンジン型式・種類:18R-GEU・直4DOHC
●排気量:1968cc
●最高出力:135ps/5800rpm
●最大トルク:17.5kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70HR14
●新車価格:151万6000円
[ アルバム : トヨタ セリカ・カムリ2000GT(RA55型) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
Cピラーにある「CELICA」のプレートを指して「俺はセリカに乗っているんだぞ」
と自慢していたが、その後も結婚は出来なかったようだったw
もう一度、走ることに決めた。