現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 走り継ぐべき絶版オフロードマシン:’89 スズキTS200R〈Past Time Review〉

ここから本文です

走り継ぐべき絶版オフロードマシン:’89 スズキTS200R〈Past Time Review〉

掲載 11
走り継ぐべき絶版オフロードマシン:’89 スズキTS200R〈Past Time Review〉



オフロードマシン ゴー・ライド8月号発売【青き森を走る~みちのく林道ツーリング】

現行ラインナップとして今はなくても、あの頃の憧れや、もう一度乗ってみたいという思いを叶えてくれる絶版車。数ある絶版車オフロードマシンの中から、スズキの公道向けトレールモデル「TS200R」を紹介する。

●文:ゴーライド編集部(青木タカオ) ●写真:栗田晃 ●外部リンク:レッドバロン

最先端をいく倒立フォークをライバルより先に採用した!!

トヨタと同じように織機メーカーから始まったスズキの歴史。鈴木式織機製作所の設立は1909年(明治42年)と早く、’52年(昭和27年)に排気量36ccの空冷2サイクル単気筒エンジンを補助動力とする原動機付自転車「パワーフリー号」を発売すると、翌’53年に排気量を60ccに拡大した「ダイヤモンドフリー号」では月産6000台に達するほどの人気を博した。第1回富士登山レースに社員が参加し、バイクモーター部門で優勝を飾ったほか、札幌から鹿児島まで約3000kmの「日本縦断テスト」を走破し、実力が広く認められたからだった。

古くからチャレンジスピリットあふれるスズキは、ライバルに先駆けて先進技術を採用してきた。’83年のRG250ガンマで市販車世界初のアルミ角パイプ製ダブルクレードルフレームや、レーサーさながらのハーフカウルにワークスカラーを用いたのは、バイクファンの間ではあまりにも有名。

オフロード界でも、モトクロス世界選手権で活躍するマシンをベースに一般道も走れるようにしたハスラー250を’69年に発売し、レース参戦者向けにシリンダー/キャブレター/マフラー/スプロケットなどの高性能キットパーツを用意。’71年には世界グランプリ優勝マシンRH70の技術を反映した市販モトクロッサー・TM400をリリースするなど、先駆的な動きをしてきた。

―― 【’89 SUZUKI TS200R】■全長2170 全幅880 全高1260(各mm) 車重127kg ■水冷2ストローククランクケースリードバルブ単気筒 195cc 35ps/8500rpm 2.9kg-m/8000rpm 始動:キック式 ■タイヤサイズF=3.00-21 4PR R=4.60-18 4PR ●発売当時価格:38万8000円

―― 滑らかな曲線で構成されたフラッシュサーフェスデザインはRMシリーズから踏襲したもので、いまなおアグレッシブかつ戦闘的。スレンダーで無駄のない車体が美しい。

今回紹介する「TS200R」も、エポックメイキングなモデルのひとつ。公道向けトレールとして、国内初の倒立式フロントフォークを採用し、オフロードファンを驚愕させた。当時、メンテナンス性や過度な剛性などが懸念され、ナンバー付きトレールモデルのフロントサスペンションには正立式フォークが好ましいという考えがあった中、より走破性にすぐれる倒立式フォークを惜しみなく投入。スーパークロスや全日本選手権で活躍するモトクロッサーRMシリーズの流れをくむ新設計の2サイクル水冷単気筒エンジンには、独自の排気デバイスAETCを装備するなど、スズキらしい“攻め”の姿勢が見て取れるニューモデルであった。

倒立フォークの採用などコスト高になるにも関わらず、車体価格は40万円を切る38万8000円で、これは4カ月前に登場した強敵・カワサキKDX200SRより1000円ほど低価格。スズキの意地を感じずにはいられない。

エンデューロレースに沸いた時代。最高出力35馬力と、十分なパワーを発揮するエンジンは排気量195ccで、ブン回せることを強みにしている。ヤマハDT200RやカワサキKDX200SRがそうだったように、パワーを持て余す250勢を相手に“200派”として高い戦闘力を発揮した。

その無駄のない攻撃的なスタイルや細身のシルエットは、いま見てもメカメカしくあり機能美に満ち溢れている。

―― デジタルCDI(Capacitor Discharge Ignition)点火方式を採用した、水冷2サイクル・クランクケースリードバルブ単気筒エンジン。排気系に独自のAETCを装備したことで、トップエンドの伸びだけでなく、扱いやすさも兼ね備えた。このパワーユニットは、’92年にRG200ガンマの心臓部にも採用された。 [写真タップで拡大]

―― [左]同時期のライバル勢が正立フォークだった中、倒立式のフロントフォークをいち早く採用。オフロードではインナーチューブやオイルシールへのダメージが懸念された時代で、競技車だけが装備していた。[右]快適な乗り心地と操縦安定性を両立するフルフローターサスペンション。バネ下重量を軽減する角形アルミ製スイングアームとの組み合わせだ。

こんな記事も読まれています

【2024年版】トヨタ ハリアーVSレクサス NXを徹底比較
【2024年版】トヨタ ハリアーVSレクサス NXを徹底比較
グーネット
“小ワザ”が効いた最新収納アイテムをピックアップ!【特選カーアクセサリー名鑑】
“小ワザ”が効いた最新収納アイテムをピックアップ!【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
【MotoGP】ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、VR46残留決定か。ドゥカティとの直接契約でファクトリーバイクをゲットへ
【MotoGP】ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、VR46残留決定か。ドゥカティとの直接契約でファクトリーバイクをゲットへ
motorsport.com 日本版
「クルマ良い感じ!って初めて言いました(笑)」山下健太、猛暑の中記録した2番手タイムにかつてない自信。SF後半戦台風の目となれるか?
「クルマ良い感じ!って初めて言いました(笑)」山下健太、猛暑の中記録した2番手タイムにかつてない自信。SF後半戦台風の目となれるか?
motorsport.com 日本版
トヨタが新型「ランクル70ナロー」発売!? 2人乗り&フェンダー無し仕様、実車公開! 日本復活でアンダー400万円もあり得る?
トヨタが新型「ランクル70ナロー」発売!? 2人乗り&フェンダー無し仕様、実車公開! 日本復活でアンダー400万円もあり得る?
くるまのニュース
レッドブル育成ハジャーが今季3勝目! トップチェッカーのクロフォードは、アンセーフリリースに泣く……宮田莉朋17位|FIA F2シルバーストン フィーチャーレース
レッドブル育成ハジャーが今季3勝目! トップチェッカーのクロフォードは、アンセーフリリースに泣く……宮田莉朋17位|FIA F2シルバーストン フィーチャーレース
motorsport.com 日本版
Moto3ドイツ決勝|古里太陽、堂々トップ争い演じ2位獲得! アロンソ今季6勝目でリード拡大
Moto3ドイツ決勝|古里太陽、堂々トップ争い演じ2位獲得! アロンソ今季6勝目でリード拡大
motorsport.com 日本版
サーキットでのラップタイム短縮を実現! ブリヂストンからハイグリップスポーツタイヤ「POTENZA RE-10D」が登場
サーキットでのラップタイム短縮を実現! ブリヂストンからハイグリップスポーツタイヤ「POTENZA RE-10D」が登場
VAGUE
トヨタエンジン搭載の「“自家製”フェラーリ」!? 7億円超えスーパーカーを「気合」で再現! もはやホンモノな「DIY ラ・フェラーリ」とは
トヨタエンジン搭載の「“自家製”フェラーリ」!? 7億円超えスーパーカーを「気合」で再現! もはやホンモノな「DIY ラ・フェラーリ」とは
くるまのニュース
60年以上の歴史を持つ「レッドドット・アワード」をロータスが受賞!「エレトレ」と「エメヤ」の卓越したデザインが世界最大のコンペで認められました
60年以上の歴史を持つ「レッドドット・アワード」をロータスが受賞!「エレトレ」と「エメヤ」の卓越したデザインが世界最大のコンペで認められました
Auto Messe Web
1気筒あたり3バルブを採用。グロス200psを達成したシリウスダッシュの搭載で三度注目される!【GTmemories12 A183Aスタリオンダイジェスト(5)】
1気筒あたり3バルブを採用。グロス200psを達成したシリウスダッシュの搭載で三度注目される!【GTmemories12 A183Aスタリオンダイジェスト(5)】
Webモーターマガジン
ルクレール「速さはなかったが、有意義な一日」フェラーリ、スペイン版アップデートのテストを継続/F1第12戦
ルクレール「速さはなかったが、有意義な一日」フェラーリ、スペイン版アップデートのテストを継続/F1第12戦
AUTOSPORT web
ルーキーイヤーとは違うんだ! サージェント、会心の予選ラップに満足感示す。来季F1シート未定も「最後まで戦う。僕はファイターだ」
ルーキーイヤーとは違うんだ! サージェント、会心の予選ラップに満足感示す。来季F1シート未定も「最後まで戦う。僕はファイターだ」
motorsport.com 日本版
ENEOSアンバサダーに大泉洋と川口春奈が就任
ENEOSアンバサダーに大泉洋と川口春奈が就任
レスポンス
ちっともカワイくない……けどこれもミニ!? みんな大好き「MINI」の知られざるファミリーたち
ちっともカワイくない……けどこれもミニ!? みんな大好き「MINI」の知られざるファミリーたち
WEB CARTOP
ぶっちゃけ見た目はそんな変わってないけどどうよ? 旧型オーナーが「新型N-BOX」に「乗り換える価値」はあるのか考えてみた!
ぶっちゃけ見た目はそんな変わってないけどどうよ? 旧型オーナーが「新型N-BOX」に「乗り換える価値」はあるのか考えてみた!
WEB CARTOP
炎天下 サウナ状態のクルマ いち早く冷やすためのポイントは?
炎天下 サウナ状態のクルマ いち早く冷やすためのポイントは?
乗りものニュース
何もしてないのに「バッテリー上がり」した! 真夏の「突然のトラブル」どう防ぐ? いつか起こり得る「エンジンかからない」どう対処するのがOKか
何もしてないのに「バッテリー上がり」した! 真夏の「突然のトラブル」どう防ぐ? いつか起こり得る「エンジンかからない」どう対処するのがOKか
くるまのニュース

みんなのコメント

11件
  • 小さくて軽くて無茶苦茶速かった、これなら250は要らない。TSは125でも十分楽しめる。もう一度欲しいけれど中古車の数が少ないんだよね。
  • 懐かしいね。
    若い頃これに乗ってJAJAUMACLUBのエンデューロレースに出てました。最高に楽しかった思い出です!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村