F1ラスベガスGPの決勝レースが行なわれ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が優勝。RBの角田裕毅は9位だった。また、5位でフィニッシュしたマックス・フェルスタッペンが、2024年のドライバーズタイトル獲得を決めた。
開催2年目を迎えたF1ラスベガスGP。気温も路面温度も18度というコンディションで、スタートを迎えた。
【ランキング】フェルスタッペンがタイトル確定:2024年F1ドライバーズランキング
グリッド前方のマシンは、ミディアムタイヤをスタートに選択。一方後方では、ハードタイヤを履いたマシンもいた。また、予選がうまくいかなかったアストンマーティンのフェルナンド・アロンソだけがソフトタイヤを選択した。
ポールポジションのジョージ・ラッセルが無難なスタートを切った一方で、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)とピエール・ガスリー(アルピーヌ)がポジションを争ってターン1を少しワイドに膨らんだ一瞬の隙を突き、フェラーリのシャルル・ルクレールが2番手に上がった。
そのルクレールのペースは良く、ラッセルに徐々にプレッシャーをかけていく。5周目にはルクレールがラッセルに一瞬並びかけたが、ここでは順位は変わらず。その後ラッセルは再びルクレールとの差を広げた。ルクレールはラッセルに攻撃を仕掛けたことで、タイヤを痛めてしまったかもしれない。
その後もルクレールのペースは優れず、8周目の時点でサインツJr.が先行することになった。その後フェルスタッペンにも抜かれ、ルクレールは4番手に落ちた。
そのルクレールは9周を走り切ったタイミングでたまらずピットイン。ハードタイヤに履き替えた。マクラーレンのランド・ノリスも同じタイミングでピットインした。予想よりもかなり早いタイミングでのピットストップだった。
タイヤに厳しいのはサインツJr.も同じで、10周目にフェルスタッペンに抜かれ、そのままピットに入った。またこの周には、予選で上位グリッドを獲得したピエール・ガスリー(アルピーヌ)と角田裕毅(RB)もピットイン。ガスリーはピット作業に手間取り、角田の先行を許した。
先頭のラッセルは12周目を終えたところでピットイン、続く13周終了時点でハミルトンもタイヤを交換した。
15周目、ガスリーのペースが突如落ちる。ガスリーは無線で「パワーがない!」と訴えるも、チーム側は「特に問題はない」と返した。しかしその直後、ガスリーはマシンの後方から白煙を上げてスローダウン。そのままピットに戻り、リタイアとなった。せっかくの4番グリッドを、決勝結果に繋げることはできなかった。
各車が1回目のピットストップを終えたタイミングで、首位は依然としてラッセル。2番手のフェルスタッペンに対して10秒のリードを築いていた。フェラーリ勢はペースが振るわず、フェルスタッペンから徐々に離されていく傾向にあった。またフェラーリ勢の後ろからは、メルセデスのハミルトンが猛追。角田はマクラーレン勢2台の間7番手をキープした。角田のペースは、マクラーレンと比べても遜色ない、素晴らしいものだった。
その角田を追っていたピアストリは、25周を終えた段階でピットイン。アンダーカット作戦を仕掛けてきた格好だ。しかしRB陣営はこれに反応しないことを決断し、周回を続けた。
前方ではペースの上がらないサインツJr.に、ルクレールを先行させるように指示。すぐ後ろにはハミルトンが迫っていた。
そして27周を終えた段階でハミルトンがピットイン。フェラーリ勢2台をまとめてアンダーカットすることを目論んだ。またさらに前方を走っていたフェルスタッペンも、このタイミングでピットインした。
ハミルトンがピットインした際、実はサインツJr.もピットに入りたかった。しかしピットではまだ準備が完了しておらず、ピットに入らないように指示。この結果ピットストップがさらに1周遅れ、コースに戻った時にはハミルトンがサインツJr.の4秒前方に出ることになった。さらにピットストップを遅らせたルクレールはその後ろ。32周終了時点ではラッセルが2度目のピットストップを済ませると、首位でコースに復帰。この結果、ラッセル-ハミルトンの順でメルセデスが1-2体制を築き、フェルスタッペンが3番手となった。
角田は29周を終えたところで2度目のピットストップを実施。先にピットに入っていたピアストリに4秒先行されることになった。その後徐々に前を行くマシンを抜いていき、35周目には8番手まで浮上。この間に、ピアストリは7秒先に行っていた。
ただ角田はピアストリを狙うというよりも、後方から迫るヒュルケンベルグやアロンソの攻撃を凌げるかという状況。しかし45周目、ついにヒュルケンベルグにオーバーテイクを許してしまい、9番手にポジションを落とした。
先頭のラッセルは盤石のリード。しかしチームメイトのハミルトンがこれを猛追する。自己ベストペースを連発し、一時は10秒以上あった差を縮めていった。また、3位は固いと思われていたフェルスタッペンの後方には、フェラーリの2台が急接近。41周目にサインツJr.がオーバーテイクして3番手を奪い返した。また46周目には、ルクレールもフェルスタッペンを攻略してみせた。
結局ラッセルはチームメイトの接近を許さずにトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。2位にはハミルトンが入り、メルセデスが1-2フィニッシュを達成した。
3位にはサインツJr.、4位にはルクレールが入り、コンストラクターズタイトルを狙うフェラーリにとっては素晴らしい結果となった。
5位にはフェルスタッペン。フェルスタッペンはこの結果により、今季のドライバーズタイトル獲得を決めた。
ノリスは6位。タイトル獲得を逃したものの、最終ラップにはファステストラップを記録して、チームに貴重な1ポイントを追加でもたらした。ピアストリが7位だった。
角田裕毅はヒュルケンベルグに抜かれた後は、レッドブルのセルジオ・ペレスの猛攻にさらされた。しかし角田はなんとかこれを抑えきり、9位でフィニッシュ。ポイントを持ち帰ることができた。
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