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いよいよステーションワゴン登場! BMW i5 ツーリングへ試乗 万能道具感は先代を超えず?

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いよいよステーションワゴン登場! BMW i5 ツーリングへ試乗 万能道具感は先代を超えず?

安楽で豊かなトルク 優雅な乗り心地

ドイツ・ミュンヘン北部に位置する、BMWガルヒング・テストセンター。そこからほど近い公道で、BMW i5 ツーリングのステアリングホイールを握る。バイエルン州の自動車メーカーが描く、ファミリー・ワゴンの理想形のようなモデルだ。

【画像】万能道具感は先代を超えず? BMW i5 ツーリング 徐々に増えるEVのステーションワゴンたち 全108枚

無表情なオフィスビルは見えない。絵葉書になりそうな、美しい集落が森林地帯に点在している。初夏を告げる太陽は眩しい。ドイツ特有の程よい起伏が続く大地へ、滑らかに曲線を描く道が続いている。

i5 ツーリングは、大きな荷室と走りが自慢の、BMWが30年近く熟成を重ねてきたモデルの最新作。バッテリーEVだから、静寂性は過去1番といっていい。

今回のBMWは、なかなかのファインプレーだった。まだ選択肢の少ない、バッテリーEVのステーションワゴンで、ライバルに先陣を切ったからだ。自ずと注目度は高まるし、筆者も心を奪われそうになった。

アウディA6 e-トロンの正式発表は、もう少し先になる見込み。ポルシェ・タイカン・スポーツツーリスモは、実用的なステーションワゴンというより、スタイリッシュなシューティングブレーク側にある。

豊かなトルクが、極めて安楽に展開される。乗り心地は優雅といえるほど上質。走行中の車内には、優しい合成音が奏でられる。

アダプティブ回生ブレーキは、かなり優秀。交通状況や交差点の接近などを予測し、巧みに運動エネルギーを電気エネルギーに変換してくれる。惰性走行できるモードがあれば、もっと望ましい。

先代より荷室は縮小 航続距離は540km前後

今回試乗したi5 ツーリング eドライブ40は、全長が5060mm、全幅は1900mm、全高が1515mmと大きい。それでも、絵に書いたように素晴らしい道で、至って扱いやすい。一流の仕上がりにあることは明らかだ。

ただし、べた褒めできるわけでもない。内燃エンジンで走っていたG31型5シリーズ・ツーリングと比較して、ひと回り成長したにも関わらず、荷室容量は拡大していない。具体的には570Lだ。

車重も指摘したい。サルーンのi5 eドライブ40は、2130kgだった。i5 ツーリングでは、ボディ後方が持ち上げられたことで50kg増え、2180kgある。それを、340psの最高出力が受け止める。

最上級のM60 xドライブを選ぶと、四輪駆動化に必要な2基目のモーターが追加され、後輪操舵システムとアクティブ・アンチロール バーも実装。更に増えることになる。

その最高出力は601psもあり、0-100km/h加速は3.8秒でこなす。だが家族を乗せ、荷物を積めば2.7tを超えるだろう。

駆動用バッテリーの容量は81.2kWh。航続距離は、後輪駆動のeドライブ40で540km前後と悪くない。とはいえ、感心するほどの長距離を走れるわけでもない。

フォルクスワーゲンID.7のステーションワゴンは、1度の充電で600km前後走れるという。荷室の容量も僅かに広い。追ってライバルに加わるA6 e-トロンは、さらに大容量のバッテリーを積むことがわかっている。比較試乗を予定しているが、待ち遠しい。

単体の印象は素晴らしい でも先代を超えない?

少なくとも、i5 ツーリング単体での印象は素晴らしい。見た目も、サルーンより美しいように思う。ルーフラインが伸ばされ、テールゲートが色っぽく倒されたリア周りは、鋭いナイフでスパッと削られたようなフロントノーズとバランスが取れている。

観察力が鋭い読者なら、テールライト両端が上方へ切れ上がっているのに気付くだろう。これが、後ろ姿に特徴を与えている。ただし先代と異なり、リアガラスだけ個別に開くことはできなくなった。

英国へ導入されるi5 ツーリングは、現状では先述の2段階。試乗車だった後輪駆動のeドライブ40は、英国価格が6万9945ポンド(約1399万円)から。M60 xドライブでは、9万9995ポンド(約2000万円)へ上昇する。

ドイツ製の大型ステーションワゴンの魅力といえるのが、どんなシーンにも対応できる、多能性や多面性だろう。特にBMWの5シリーズ・ツーリングは、スポーティでフォーマル。控えめな雰囲気の、有能なグランドツアラーとして機能してきた。

先代の530d ツーリングなら、1度の給油で800km前後は走り続けられた。乗り心地は素晴らしく、最後の1kmまで運転を楽しめた。価格はより安く、荷室も広かった。かくしてi5 ツーリングは、その訴求力を超えたとはいえないだろう。

このクラスのバッテリーEVとして、最新のi5 ツーリングが魅力的なことは間違いない。それでも、先代へ匹敵する万能道具感までは、得られていないように感じた。

BMW i5 ツーリング eドライブ40(欧州仕様)のスペック

英国価格:6万9945ポンド(約1399万円)
全長:5060mm
全幅:1900mm
全高:1515mm
最高速度:193km/h
0-100km/h加速:6.1秒
航続距離:524-550km
電費:5.6-5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2180kg
パワートレイン:同期モーター
駆動用バッテリーバッテリー:81.2kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:340ps
最大トルク:40.7kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

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