2022年の本格導入が予定されるBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の共通ハイブリッド機構開発に向け、すでにシステム開発を進めているコスワース・エレクトロニクス社と、そのテストベッド初号機を引き受けたスピードワークス・モータースポーツ(SWM)の『トヨタ・カローラBTCC(現『トヨタ・カローラGRスポーツ』)』に続き、FRモデルの『BMW125i Mスポーツ』が2号機としてプログラムに参画。今後はFF車両のカローラともども、2台でデータ収集の重要な役割を担当することとなった。
チームBMWとしてファクトリー契約活動を続ける名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)の機材を引き継ぎ、2021年から『BMW330i Mスポーツ』にスイッチしてシリーズを戦うシシリー・モータースポーツは、BTCCオーガナイザーのTOCAが主体となって進めている共通ハイブリッド機構の開発作業に協力することとなった。
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コスワース・エレクトロニクス社に加え、2022年から“TOCA共通エンジン”の供給を担うMスポーツとともに、システムのインストール作業を進めたシシリーは、2020年にカール・ボードレーがドライブした旧型モデルをその開発車両に割り当てた。
昨季よりTOYOTA GAZOO Racing UKとして参戦するSWMのカローラは、すでに昨夏にもシェイクダウンを終えると、その後も公式タイヤテストなどで精力的にマイレージを稼いできた。
そのカローラに先行搭載されてきたこの“P2 off-axis”と呼ばれるハイブリッドシステムは、定格60Vで20kgの重量となるバッテリーパックを搭載し、7.5kgの電気モーターとコントローラー、ポンプ、冷却パイプ、配線ケーブル類などを含んでいる。
それでもシステム総重量は64kgに抑えられ、TOCAによれば「NGTC規定ツーリングカーの運動性能にはほぼ影響を及ぼさない」範囲に納められたという。
そのハイブリッド・カローラは、この9月18~19日に開催される2021年シーズン第8戦のシルバーストンで、ここまで開発ドライバーを務めて来た元王者アンドリュー・ジョーダンのドライブにより実戦デビューを果たすことが決まっている。
SWMのオペレーションでシルバーストンの週末すべてのセッションで走行予定の『トヨタ・カローラBTCCハイブリッド』は、レース結果に対して賞典外となりチャンピオンシップポイントを獲得する資格は有さず、選手権争いへの干渉を避けるため3ヒートすべてでピットレーンスタートが予定されている。
また、同週末には新型ハイブリッド機構だけでなく、こちらも2022年から予定する共通エンジン供給サプライヤーに選出されたMスポーツ製の新TOCA共通エンジンが組み込まれる。
一方、今回新たに加わった『BMW125i Mスポーツ・ハイブリッド』は、イギリス・スタッフォードにあるテスト施設で2日間のシェイクダウンを行い、週明けにはスネッタートンでの本格的なテスト走行を予定している。
その開発作業には、BTCCに参戦したFR車両のスバル・レヴォーグGTなどをドライブしたジェームス・コールが加入し、ジョーダンとともにドライブの業務を分担する計画で、今後はFF車両とFR車両双方でのシステム最適化が進むことになる。
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