中嶋悟が、京都鉄道博物館で行なわれているイベント「レーシング&レールウェイ ヒストリー」に登場。2日間にわたってトークショーを行なった。
この日は大勢のファンが、中嶋の姿をひと目見ようと、博物館を訪れた。お召しになっているブルゾン、キャップを見ると、往年のファンの方が多かったような印象だ。しかしその人数たるや、現役ドライバーの野尻智紀&岩佐歩夢のトークショーの時を凌ぐ、そんな人気ぶりであった。
■ようこそ、F1と新幹線のディープな世界へ2:京都鉄道博物館のF1イベント。企画の発端となったのは実は500系「F1と似た部分がたくさんある!?」
中嶋はF1に参戦していた頃には様々な場所でトークショーを行なったという。しかし今回は久々に、サーキットや自動車イベントではない場所……京都の鉄道博物館でのトークショーだった。
「やっぱり博物館というだけあって、SLから、年代を重ねた鉄道車両までがズラッとあるというのは、必要なことですね。レーシングカーでも、そういうのが必要なんだなと、改めて思いましたよ」
そう語った中嶋は、レースに関係ない場所での今回のようなイベントの重要性について語った。
「我々がレースをやるサーキットは、どちらかというと都会ではなく、郊外であることが多いです。来てくださいと言うものの、距離の面でも大変なところがあります。ですから我々の方から、こういう場所に出向いて、その魅力をお知らせするということはあってもいいことだろうなと思いましたね」
「自分が現役の頃は、よくやりましたよ。色々なところで。許可が出ていないと、警察に怒られたようなこともありました。すごく昔のことですけどね」
「今回のようにご理解がある方がいらっしゃるということもあるから、どんな業界とでもコラボレーションできれば、我々の可能性も広がる。お互いに良いことなんではないかと思いますね」
■99Tと500系新幹線の近似値
ちなみに今回のイベントは、京都鉄道博物館の北野高宏氏が「500系新幹線電車とロータス・ホンダ99Tを並べて展示したい!」と思い、岩佐がプロデュースするイベントに赴いて直談判したことが、実現の発端だった。このふたつの車両は、いずれもアクティブサスペンションを搭載しているという共通点があるからだ。
ロータス99Tと言えば、中嶋がF1デビューした時の車両である。
「電車にアクティブサスペンションが使われているなんて、知りませんでしたよ」
そう中嶋は言う。
「そういう部分で言うと、技術はどの分野でも進歩している、進歩させようとしているんだなと思いましたね。進歩したかどうかよりも、進歩させようとしているというのは、本当にすごいことです。だって本当は、従来のままでいいはずなんですよ。でもそれでは飽き足らず、色んな方面で色んなことを考えていらっしゃる。そういう方がいらっしゃるということが重要だと思いますね」
さて中嶋と言えば、黎明期のアクティブサスペンションを体感したひとり。アクティブサスペンションはどんな感触だったのか?
「そんなにびっくりすることはなかったかな」
「その時のタイムにつながったかどうかは別の話ですよ。ですが、何か特別に違いを感じるというほどのものではなかったです。クッションは悪くなかった。レーシングカーって、路面が悪いところにいくと跳ねたりするんだけど、そういうことは少ないなということはたしかにあったね」
「あとストレートではフロントを少し上げて空気抵抗を減らして、逆にコーナーでは少し下げて路面にくっつく(ダウンフォースを出す)ようにしたりということもあった。それは間違いではなかった気がするよね。思うように変化させることができるわけだから。普通のサスペンションでは、それはできないからね」
■怖い思いも……
とは言え中嶋は、アクティブサスペンションのトラブルで怖い思いをしたこともあるという。それが1987年のブラジルGP……彼にとってのデビュー戦でのことだった。今回のイベントで行なわれたトークショーの際に、中嶋はこんなふうに振り返っている。
「F1で最初に出たブラジルGPの練習走行で、油圧が全部抜けてしまったことがありました。それで車高が下がって、タイヤがしっかりと路面に接地しない状況になってしまったんですよ」
「簡単に言うと、ソリみたいなもんですよね。フロアが直接接地してしまって、滑っていくような状態……そうなると、ブレーキをかけようにも、効かないのよ。あれは怖かった。でも、問題が起きた場所が良かったね。芝生の上を滑って、どんとぶつかった感じだった。ストレートの終わりとかだったら、どうなっていたか……」
「その後はまた問題が起きた場合に備えて、バネ(コイルスプリング)を入れるようにしてもらった。最初からやっといてくれればよかったのにね」
■スーパーフォーミュラ最終戦、なんとか一番高いところに
なお今週末はスーパーフォーミュラの最終戦。前戦富士が悪天候に見舞われたせいで、代替レースも含めて土日で3レースをこなす強行軍である。
中嶋が率いるPONOS NAKAJIMA RACINGは今季ここまでまだ未勝利であり、3戦のうちなんとか1回でも勝利を手にしたいと語った。
「今年は表彰台の一番高いところは獲れていません。3回もチャンスがあるから、1回は獲ってほしいと思いますね」
そう中嶋総監督は言う。
「鈴鹿は、意外とウチのクルマに合っている場所なので、少し良いことがあってほしいなと思っています。ただ今のスーパーフォーミュラは、ほんの僅かな差しかない。厳しい戦いです。予選で少しでもしくじると、後ろになってしまいますから……でも3レースもありますから、なんとか歯車を合わせて、一回くらいは一番高いところに乗ってほしいですね」
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みんなのコメント
1992年F1を席巻したウイリアムズのリアクティブサスペンションはそのバネなしで、引退後のパトレーゼが「怖くて思い切り走れなかった。マンセルとの差はそこだったと思う」って言ってたね。
ちなみにベルガーも「89年の初めてのセミオートマは『6速でロックしたらどうするんだ』とこっちは不安だったが、マンセルは何も考えていないのかガンガンアクセル踏んでた」って話を残してるし、速さ=勇気だね。
そのロスで遅くなる分と車体制御で速くなった分でトータルどれくらい得してたんだろうか?昔から興味ある。