■「アイコニックSP」や「次期ロードスター」にも期待
2023年10月開催の「ジャパンモビリティショー2023」で登場したマツダのコンセプトスポーツモデル「ICONIC SP(アイコニックSP)」は、ロータリーエンジンを搭載したことで大いに注目されました。
このモデルの反響を受け、マツダの毛籠社長はロータリーエンジン開発グループの立ち上げを宣言するなど、スポーツモデルに前向きな姿勢を見せています。では今後、マツダのスポーツモデルはどうなっていくのでしょうか。
【画像】超カッコいい! これが新型「白いロータリースポーツカー」です! 画像で見る(100枚)
アイコニックSPには、発電用の新開発2ローターロータリーエンジンが搭載されており、最高出力は370PSとなっています。
「発電用」と述べたように、ロータリーエンジンそのもので駆動するわけではなく、発電したエネルギーをバッテリーに蓄えるというシステムとなっており、駆動はモーターで行うプラグインハイブリッド(PHEV)になります。
とはいえ、ロータリーエンジン搭載のスポーツカーだということや、「RX-7」など歴代の名モデルと彷彿とさせるデザインを採用したことなどから、発表当初から高い評判を獲得。市販化を求める声も多数寄せられています。
これを受けて、今年2月にマツダでロータリーエンジン開発グループが復活しました。
2月からの開発グループでは、ロータリーエンジンを発電機用として進化させ、規制対応やカーボンニュートラル燃料などの研究開発に取り組むことが発表されました。
通常のような「ガソリンエンジンを燃焼して得た動力で駆動する」といったロータリーエンジン搭載車を登場させるのは現実的には難しいと思いますが、「MX-30 ROTARY-EV」のように、発電用としての今後の進化は十分に期待できるでしょう
また状況さえ許せば、ロータリーエンジンの汎用性を活かし、水素をはじめガソリン以外のカーボンニュートラル燃料を燃焼して駆動するといった、かつてのロータリーらしさを活かしたフィーリングを味わえるモデルも開発されるかもしれません。
さらに、このアイコニックSPの発表では、ロータリーエンジンは発電用ながら重量バランスに優れていて、レイアウトの自由度が高いことに触れられていた点も注目されます。
ここに着目すると、何かしらの形でロータリーエンジンを搭載しつつ、さらにロータリーエンジンのコンパクトさというメリットを生かしたスポーツカーの登場も期待してもいいかもしれません。
そしてマツダのスポーツカーと言えば「ロードスター」も気になる存在です。
現行の「ND」型は既に登場して9年が経過しており、そろそろフルモデルチェンジではないかと思う人もいることでしょう。
しかし、そう早く次期ロードスターが姿を現すことはないと思われます。
2023年10月には大幅改良が行われ、初めてデザインが変わるなど改良内容も大きかったのですが、その背景には法規対応という側面もありました。
登場から9年目を迎えてもなお、法規対応を行ったことを考えると「マツダはまだまだNDを売っていく」という強い意志を感じます。
今後クルマに係る法規制がどのように変化するかについては、現状でなんとも言えない部分がありますが、電動化が進む現在、次期ロードスターはハイブリッドになる可能性も高そうだと予想できます。そうなると重量がどうしても重たくなってしまうのは明白です。
これについては、ロードスターの開発陣も懸念しているところであり、新しい法規や規制にNDで対応できなくなるその日まで、最新のロードスターはNDロードスターのままであり続けることでしょう。
ロードスターに求められていること、それをマツダはしっかりと理解しているのです。
ロードスターで変わることのないブランディングを継承しつつも、ロータリーエンジンで新たなスポーツカーの世界を創造する。
それが今後のマツダのスポーツカーの在り方となっていくのではないでしょうか。
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